埼玉県北本市の設計事務所 久保田篤正建築空間工房のブログ -2ページ目

羽生市 K邸竣工・2

前回のブログにてご紹介させていただいた羽生市のK邸。

施工は桶川市のマルタカ工務店。

 

大工の高橋さんとは10年ほどのお付き合いとなる。

 

埼玉県桶川市における住居併用事務所の建替えの設計を仰せつかり、クライアントであった設備業者社長のご友人で施工をお願いした建設会社社長の息子さんとして現場で腕を振るわれていた。

 

腕が良く、コミュニケーション能力に長け、現場も美しく清掃が行届きている。

それからの木造案件は、ほぼ高橋さんに施工をお願いしている。

 

親父さんとは、別会社をなし大工として現場に立つが、時々応援で現場に顔を見せる親父さんとの棘のある親子の会話も傍から見れば微笑ましい。

 

この度の現場でもその能力を遺憾なく発揮していただき、工期・予算内に納めていただいた。

 

計画当初は、コの字型のプランとし敷地内で完結する形状としていた。

 

クライアントから将来は離れとして増築の可能性を示唆され、Lの字型にプランを改め増築により完結するよう計画を改めた。

 

さらに計画地の隣地においてクライアントが運営される福祉施設の計画があり、住宅リビングからの視線の先に新たな風景が広がることとなる。

 

今回の住宅から繋がるこれからの計画。

 

クライアントと想いを共有し、これから生まれる景色を私自身が楽しみ挑んでいきたいと考えている。

 

 

久保田

羽生市 K邸竣工・1

「暑さ寒さも彼岸まで」早朝のシャワーも涼しさを感じる今日この頃。

 

朝夕は虫の音が聞こえ、やっと朝夕は夏の終わりを実感できるようになってきた。

しかし、今年の夏は暑かった・・・。

 

建築の室内環境に関して性能を上げるには開口部を小さくし断熱性能を上げれば良いのだけれど、間取りでの快適な住環境をテーマとした住宅がお引き渡しとなった。

 

埼玉県羽生市の畑の中の平屋住宅。

 

ご家族の構成は、60代のご夫婦と息子さんの3人家族。

クライアントは、一昨年竣工した加須市の福祉施設の事業者でご夫婦にとって終の棲家となる住宅の計画となります。

 

昨年、ご主人が体調を崩され現在の2階建ての住宅では不自由が生じたため、既存住宅を業務用に用途変更し近隣の土地を求め農地転用、開発許可申請を経ての計画となりました。

 

敷地は間口が狭く、南北に長い形状で最良のプランを導くのに幾分時間を要しました。

 

建物の全体形状をL型としています。短手方向に配置したLDKは110度の角度を持たせ室内からの風景に広がりを持たせ、敷地間口の狭さを軽減しています。

 

また、平面に角度を持たせたことで、屋根形状においても妻側方向に屋根勾配が生じるため水上の上部にロフトを用意しました。


勾配天井とし、平屋ですが空間に上下方向の広がりを与えています。

 

敷地北側道路に駐車場を配置し、スロープからシューズインクローゼットを持つエントランス、段差を設けずホールへと繋がります。

 

玄関ホールには、自動水栓の手洗器を設置。

 

ホールから続くLDK。

 

キッチンとLDの間に設けた食器・家電収納を収めた壁が、キッチン、ダイニング、リビングの領域を生み出しています。

 

ご主人の寝室はLDK、トイレなどの水廻りに直接行き来が可能で極力動線を短くしました。

 

LDKとの間仕切りを開放すれば空間が一体となり、気配を感じ取ることが容易です。

 

南東側に並んだ個室の前には広縁を配置しています。

 

内部と外部の間に大きな空気層が得られるため個室の住環境が安定し、夏は外部の熱気を遮断し、冬は個室の建具を開放し陽を居室奥まで導きます。

 

昨今の住宅は、明るさを求め居室を南面させ北側に通路を配置する間取りが多いように感じますが、広縁を設けることは、室内環境を整える上で有効な手段であると考えます。

 

また、南面する隣地通路は事業を行っているスタッフの駐車場からの動線となるため、外部からの視線を遮断し、開放すればスタッフとのコミュニケーションスペースとなります。

 

(2につづく)

 

久保田

ホームページ リニューアルオープン

パソコンを購入し始めてインターネットで検索をし、自宅で自由に情報を得るようになったのは新婚の頃だったので28年間のこと。

 

建築の画像は重く表示されるまでえらく時間を要したが、これからは建築大辞典も建築資料集成、しまいには法令集も手に取る機会がなくなるのではないかと思ったことを覚えている。

 

28年が経過し、まさしくそのようになった。

 

今ではスマホという四角い小さな板から必要とするすべての情報をいつでも、どこでも入手することが可能となった。便利な設定を中二の娘から教わる始末である・・・。

 

そんな時代であるにもかかわらず自社のホームページの更新を怠り、5年の長きにわたる間、放置しておりました。

 

7年前に自作のホームページが完成したことで満足、操作方法の失念、パソコンの不調により買替え後のデーターの放置、積み上がる案件、まあブログは更新してるから、この誤字は恥ずかしい・・・目をつぶろう・・・。などなど言い訳を連ねればキリがないが、お恥ずかしい限りなのであります。

 

そしてこの度、ホームページをリニューアルオープンいたしました!

 

http://kukankobo.life.coocan.jp/

 

新人スタッフの大矢ちゃんによる作成。

力作であります。

 

建築を創造する上での私の理念。

今までの実績を理解していただく上で、とても良い機会だったかと思います。

 

自作のホームページなので機能上表現が及ばない箇所もあります。

トップページの画像を無理に大きくしたことで規格から外れ、閲覧するパソコンの画面サイズによって見え方が違うという致命傷・・・。

少しずつ改善したいと考えております。

 

今後、3代目になる空間工房ホームページは更新を怠りません。

情報を発信し続けてまいります!

 

是非、お立ち寄りいただきまして独立後15年の軌跡をご確認いただければ幸いです。

 

久保田

上棟、そして上棟

暑かった8月が終わり、まだまだ暑そうな9月がやってくる。

この8月に申請業務に手こずったふたつの案件が無事上棟を迎えた。

 

ひとつは、熊谷市の寺院における管理住宅。

訳あって土地の分筆が許されず、既存の寺院、庫裏を含む敷地面積1500㎡の開発行為となりクライアントには随分とお時間を頂戴した。

 

 

開発事前相談から始まり、開発事前協議、開発29条申請、開発適合証明申請、文化財の所在及び取扱申請、道路占有許可申請、都市計画法32条同意書申請、都市再生特別措置法届出、建築確認申請ときたもんだ。

 

書きながら笑いが込み上げてくる。

延床面積88㎡の木造平屋住宅。

 

この業務がクライアントの負担になり私の収入になるわけではあるが、なんとかならないものか。

 

何とかならないので明日も農業用倉庫における農地転用の件で、鴻巣市役所に出向くわけで・・・(泣)。

 

もう一つの上棟は北本市の造園会社における自己用倉庫。

 

 

こちらも申請業務に手こずりクライアントにはお時間を頂戴した。

 

申請期間中にも、あれよあれよの建材、鋼材費は高騰し工事費に反映される。

 

設計屋ではなく建築家としての時間を確保したく、この8月から新規にスタッフを採用させていただいた。

 

4月頃からオープンデスクとして週1回ほど、模型作成や、CADに慣れていただき正式にご協力いただくこととなりました。

 

独立15年にして初のスタッフなのである。

 

しばらくは週3日の出勤になりますが、何よりもありがたいのは私がサボらず仕事をすることであります。(笑)

 

15年近く、くぼたがお届けしたこのブログも彼女がお届けする日が近いかもしれません。

 

より良い建築空間を若い感性と共に創造してまいります。

 

乞うご期待!

 

 

久保田

検査・検査・検査

国連の事務総長が昨今の気象を「地球沸騰」と言い表している。

温暖化は終わり沸騰の時代を迎えたそうだ。

 

本当に暑いぞ埼玉の真ん中。

 

昨日は近隣の役所に書類を提出したが、駐車場からエントランスへ歩くだけでへこたれてしまう・・・。

 

30年ほど前の修業時代。

出張で訪れた初めての海外はシンガポールだった。

 

現地の協力設計事務所から外に出る際、猛烈な暑さに思わす口をついた「もわーん・・・」

隣に居たモハン所長が「俺を呼んだか?」そんなやり取りを思い出す。

昨日の羽生市役所の駐車場は当時のシンガポールより暑かった・・・。

 

さて、ブログタイトルの検査・検査・検査

地元の造園会社における自己用倉庫の現場での検査ラッシュ。

 

鉄骨建て方に向けて、まずは基礎配筋検査。

 

からのコンクリート受入検査

 

そして先月末に実施しました鉄骨製品検査。

 

酷暑の中、現場で施工に携わる方々には本当に頭が下がります。

 

そして一連の検査に関して昨日、地元の総合病院の耳鼻咽喉科にて2週間前から首筋にできた「しこり」についての精密検査の結果説明を伺う。

 

特に悪性の所見は見られず、リンパの流れの停滞が原因のひとつとのこと。

ひとまず安心ではあるが、運動不足、水分の摂取不足であることは否めない。

 

自身の検査、点検も怠らず、この酷暑を超えていかなければ・・・。

皆様もご自愛くださいませ。

 

久保田

羽生市K邸 現場進捗報告

顔を合わせば「暑いですね。」が合言葉。

梅雨明け前ではあるものの、移動の車で確認できる車外温度は41℃を示している・・・。あぁ暑い。

 

現場では、打合せ、確認など数時間で協議を終え後にするがこの季節一日を終日を現場で過ごす大工職人には頭が下がる。

 

羽生市の平屋専用住宅進捗報告。

 

外回りは外壁工事、内装は床フローリング張りが進行中。

少しずつ骨格が出来上がるにつれ、空間構成あらわになってまいりました。

 

設計時に気にかけていた事柄が現場で上手く纏まっており一安心。

軸組の状態ですので広く見えます。

ボード工事が完了すれば空間の把握が手に取るように分かります。

 

リビングダイニングは勾配天井とし、一部ロフトを用意しました。

 

外壁は金属サイディング、窯業系サイディング張りを張り分けています。

 

雨がかりにならない部分を木調サイディングとしています。

本来は木板仕上としたいところでしたが、雨の吹き込みによる木板の経年変化を危惧し引渡し後のメンテナンスを考慮した上での苦渋の選択です。

 

前回の現場確認では突然の雷、雹を伴う豪雨でひどい目にあいました。

天候の変化も激しいこの頃。

 

私自身も体調、健康に留意しメンテナンスをしながらこの夏を乗り切ります。

どうか皆様もご自愛くださいませ。

 

 

久保田

お引き渡し、新たに現場着工です。

コロナ禍も無理やり落ち着かせ、随分会合のお誘いも増えてきた。

久しぶりにお会いする方からの第一声は、

「くぼたさん、また一回り大きくなったね。」

話しかけていただいた建築士会の先輩はライザップで18キロ瘦せたそうな。

 

最近は以前より歩くことを心掛けているが変化は伺えない。

ならば、食事でなんとかするしかあるまい。

目標体重まで断腸の思いで、うどん、米を制限することをここに誓う。

 

                         ・

 

今年1月に着工した埼玉北部の製薬会社における社員食堂。

一昨日は建築の完了検査、昨日は施主検査を終え今月末にはお引き渡しを迎える。

 

1月から週に1回。

火曜午後、クライアント、施工業者との定例会議。

高速道路を使い往復2時間の車での移動が報われる時が近づいている。

 

残念ながらブログ、ホームページへの画像掲載はクライアントの許可が必要とのことでご紹介できませんが、当初のコンセプトであった主動線である通り土間が食堂、外部との中間領域を創り、緩やかに内外が繋がる空間は日本建築における縁側を想像させ、モダンな中に懐かしさ、暖かさを感じる空間となった。

 

許可をいただき次第、皆さんに紹介させていただけるかと思う。

乞うご期待を。

 

そして北本市内の造園会社における自己用倉庫は本日から柱状改良工事がスタートしております。

 

 

試験杭に立ち会うも、支持地盤までの到達に時間がかかり難儀しましたが、無事に2箇所の打設を確認し現場を後にした。

 

残り93箇所・・・。

今日の様子からすると予定より期間はかかりそうですが、確実な打設を実施しべく明日も現場に足を運びます。

 

往復2時間の現場から、往復10分の現場へ。

車ではなく、自転車で運動すべきか悩むところ・・・。

 

 

ふたつの地鎮祭

4月も月末に差し掛かり、ゴールデンウィークがなんとなく見えてきた今日この頃。

お時間をいただきながらも、着工を迎え地鎮祭が滞りなく行われました。

 

先々週のこと、羽生市にて行われた専用住宅の地鎮祭。

 

ご夫婦と息子さん、三人家族+ワンちゃんのための平屋住宅です。

 

農地転用、開発申請、確認申請を経ての着工は、私にとっても感慨ひとしおです。

 

そして、こちらもお時間を頂戴いたしました北本市における市街化調整区域の造園会社の案件は先週地鎮祭を迎えました。

 

鉄骨造2階建ての自己用倉庫。

 

お待たせしましたが、着工に胸を撫で下ろしております。

 

熊谷市の寺院管理住宅に関しましてもお待たせしておりますが、関係各課との協議を順次進めておりますのでご理解賜りたくお願いいたします。

 

なんとも、言い訳めいた内容になってしまいましたが、建築士の実務のほとんどが書類作成業務で、建築創造にかける割合が年々短くなっている実情があります。

 

同じような内容で同じ部署への申請業務。

あれも、これも、本当に必要ですか?

開発申請後の適合証明申請(埼玉特有ルール)って一体なんぞや・・・。

 

無駄といえば虚しくなるのでこの辺にしますが。

 

さあ、一息付いて監理業務にまいりましょう。

 

 

 

冬と夏の間に

♪冬と~夏の間に~春を~おきました~♪

と歌っていたのは小田和正。

 

埼玉の真ん中は、冬が過ぎたらもう初夏の陽気である・・・。

 

暑くなりきる前、この季節限定での移動の手段となりうる相棒と週末に出かけたのは群馬県立近代美術館。

 

 

埼玉の真ん中から群馬県高崎市まで下道で1時間半のドライブ。

建築を学ぶ学生時分はデートを兼ねて、建築鑑賞によく訪れた思い出の場所。

併設されたレストランで食すカレーライスが美味だった。

 

昨年末、世界的建築家である磯崎新の訃報がメディアを駆け巡った。

磯崎新の設計により1974年に竣工。

古さを感じさせない魂のこもった美しい建築を体内に注入し帰途につく。

 

 

つかの間の週末ドライブ。

 

羽生市の住宅の確認済済証の受領、確定申告提出に息をついたのもつかの間。

 

熊谷の寺院管理住宅の行政からの開発補正。

北本市での自己用倉庫の民間検査センターからの確認申請における補正対応。

新規案件の立案と、春の陽気に誘われるのもここまで。

 

平日は集中して業務に邁進しております。

 

先月の中旬に鉄骨建て方を行った埼玉は県北の製薬会社敷地内の食堂棟。

 

 

土間配筋、設備配管、土間コンクリート打設、外壁、屋根工事がこのひと月の間に進み、来週にはサッシ、ガラス取付が完了予定。

 

 

柱状改良工事にて、地中埋設物による工事の遅れが生じましたが仕上材の選定も着々と決まり、現場は順調に進行しております。

 

 

現場の職人さんと共に、冬と夏の間の麗らかな短い季節を愛しみながら。

 

 

 

手間暇をかけた仕事

田園都市線、用賀駅。

この駅に降り立つのは30年ぶりだろうか。

目的は世田谷美術館の藤原新也写真展。

 

都内に通学していた学生・修行時代は、建築雑誌に掲載される街並みや建築を随分と見て回った。

 

その中でも、用賀駅から世田谷美術館までを繋ぐ象設計集団が手掛けた用賀プロムナード。内井昭三が設計した世田谷美術館は秀逸で、学生ながらに設計者としての苦労が伺える、とてつもない「手間暇」を感じる造形だった。

 

30年後の現在も、当時感じた思いは色あせることはない。

用賀を散策しながら30年前の思いと、今の思いが交錯する。

 

更なる覚悟を持ち、建築と対峙しなくてはならない使命感を抱かせる。

 

 

                          ・

 

埼玉県羽生市で計画しているご夫婦と息子さん、三人のための平屋住宅。

基本計画を纏め、模型を作成し全体の構成を確認する。

 

 

L型のプラン構成で短辺に勾配天井のリビングダイニングを配し、長辺方向には個室が三つ並び小さいながらも、視線の抜けを考慮しゆとりのある空間を目指します。

 

クライアントに了解をいただき、引き続き申請業務。

 

私なりの「手間暇」で最良の住宅に仕上げてまいります。