‘‘ファシング’’はドイツ人が一年で一番楽しみにしているお祭り。カトリックの謝肉祭ですね。
食事を控えなければならない期間に入る前に、どんちゃん騒ぎで楽しむそうです。
ハロウィンの渋谷さながらに、仮装してパレードしたりしてはしゃいで。
ファシングの露店で飲まれるカクテルの一つに‘‘トーテ・タンテ’’があります。
熱いココアにラムを入れてクリームを浮かべる。何杯でもおかわりしたくなる美味しさ。癒しの甘みで幸せになれそう。

でも気になるのがこの名前です。
トーテ・タンテ、響きは可愛いのですが、訳すると‘‘死んだ叔母さん’’って意味になるのです。
アメリカで亡くなった叔母さん。亡骸をドイツまで運ばなきゃ、だけど棺桶を買うお金が無い!叔母さんはカカオの箱に納められてドイツに帰郷したのでした。
嘘かまことかのエピソードが由来となっています。コントみたいなこのエピソード、も少し掘り下げてみると面白いかもしれませんね。

使用するココアですが、濃い方が美味しいです。ダークラムの個性に負けないくらいの。
オクターブでは‘‘バンホーテンのグランカカオ’’がスティックタイプで使いやすいので採用しています。これをミルクで割ります。

寒い日にこの甘さ温かさがほんとに美味しくて。毎日一杯を日課にしたいくらい美味しいのです。皆さんもこの冬はぜひお試しくださいませ。


《レシピ》
・ダークラム・・・・・・・・・・30ml
・ミルク・・・・・・・・・・・・150ml
・バンホーテン・グランカカオ・・1袋
・生クリーム・・・・・・・・・・適量


●ビルド

※片手鍋などで仕上げて最後にクリームをフロート
バーで女性がオーダーしたら素敵かも!ってカクテルを考えてみました。
色味が落ち着いていて、ほどほどに飲み口が強い感じで、、、閃いたのが‘‘ユリシーズ’’です。
ユリシーズは味わいも良くて、チェリーリキュールの華やかさとブランデーの深みとベルモットの切れ味のバランス。膨らみある美味しさなんです。

女性にお似合いのカクテルに私が選んだ理由の一つは、‘‘オデュッセイア’’に登場する‘‘ナウシカア’’のイメージを被らせたからなんです。
オデュッセイアの主人公‘‘オデュッセウス(ラテン語でユリシーズ)’’が出会う純粋な姫様の名前がナウシカア。素敵なお姫様のイメージは素敵な女性にぴったりだよね!と。


さて、名前の由来ですが、調べましたがよく分からないのです。
ホメーロスのオデュッセイアなのかジェイムズ・ジョイスのユリシーズなのか。それとも他にもネタ元が、、?

実のところジョイスのユリシーズが未読ゆえ詳細が分かりません。
このカクテルを彷彿とさせるようなエピソードなり登場人物がいるのかもしれません。
誰ぞご存知の方、読了された方、ヒントがあれば教えてくださいませ!私はどうも食指が動きませんのでこれからも本を手にするか分かりませんので!



《レシピ》
・ブランデー・・・・・・20ml
・チェリーマルニエ・・・20ml
・ドライベルモット・・・20ml
・オレンジピール


●ステア

※チェリーマルニエは終売のようですが、オクターブではまだしばらくは大丈夫です。この美味しいリキュールが無くなるのはほんと寂しい。


カルーアミルクは誰もが気軽に楽しめるカクテルですね。
お家でも居酒屋さんでもバーでも。

痛飲のあとに口にすれば、そのやさしさに心が解けます。
けれども優しいだけじゃ物足りない時もありますよね、カルーアミルクも人間も。
心の微妙なさじ加減に寄せて、いくつかのバリエーションを用意してみましたので、それぞれ試してみてくださいね。

まずは、スタンダードなカルーアミルクに比べ甘味を抑えた‘‘夜更けのカルーアミルク’’。
カルーアを減らし自家製コーヒーウォッカを加えます。

それをさらに甘さを控えたレシピにしたのが‘‘朝霧のカルーアミルク’’。
ミルクを減らし、コーヒーを加えます。

スタンダードなカルーアミルクにコーヒーウォッカを加え、グッと飲み応えを高めたのが‘‘丑三つ時のカルーアミルク’’。コーヒーもプラスし、甘さを少しだけ抑えました。

丑三つ時を越える飲み応えがご所望であれば‘‘益荒男のカルーアミルク’’がいいですね。
キャプテンモルガン・ラムをぶち込むので酔えます。
が、甘さが強さを包み込むので、ヤバイのを口にしている自覚が無いままにふらふらになる怖さがあります。

変化球‘‘朧月のカルーアミルク’’は抹茶を加え、茶筅(ちゃせん)でシャカシャカ点てます。
おもしろい美味しさになりますね。

いかがでしょうか。気になったアレンジはありましたか?


《レシピ》
【夜更けのカルーアミルク】
・カルーア・・・・・・15ml
・コーヒーウォッカ・・15ml
・ミルク・・・・・・・90ml

●シェーク


【朝霧のカルーアミルク】
・カルーア・・・・・・15ml
・コーヒーウォッカ・・15ml
・水だしコーヒー・・・40ml
・ミルク・・・・・・・50ml

●シェーク


【丑三つ時のカルーアミルク】
・カルーア・・・・・・30ml
・コーヒーウォッカ・・20ml
・水だしコーヒー・・・20ml
・ミルク・・・・・・・50ml

●ビルド


【益荒男のカルーアミルク】
・キャプテンモルガンラム・・40ml
・カルーア・・・・・・・・・30ml
・ミルク・・・・・・・・・・50ml

●ビルド


【朧月のカルーアミルク】
・カルーア・・・・・・30ml
・ミルク・・・・・・・120ml
・抹茶・・・・・・・・適量

●点てる