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源氏物語のヒロイン‘‘紫の上’’が多くの人々に惜しまれながら息を引き取る巻のタイトルが‘‘御法  みのり’’です。
御法は紫の上をイメージし、紫色を沈めた透明なカクテルとなります。
紫の上は完璧であり、世の人々の理想の女性像。その美しさや気高さみたいなのを表現しました。

まあ、特に表現したかったのは見た目の美しさよりは、多くの人々が惜別の涙を流すその人柄だったんですけれどね。
それは味わいの方でうまく表現できるよう頑張りました。

まずベルガモットのリキュールで複雑で華やかな香りを。
和のテイストを強調すべく日本酒と国産米のウォッカでバランスを。
惚れ薬ヒメウイキョウのリキュールをアクセントに。
この組み合わせが品ある一杯となってくれるのです。
どうぞ、お試しくださいませ。


《レシピ》
・イタリカス・・・・・・20ml
・日本酒・・・・・・・・15ml
・ウォッカ(ハク)・・・・ 15ml
・レモンジュース・・・・10ml
・キュンメル・・・・・・1/2tsp
・パルフェタムール・・・1tsp(drop)


●シェーク

※パルフェはメラーナーで。
カクテルコンクールに出場していた頃の甘酸っぱい記憶が蘇ります。その繊細な佇まいに触れると。

とても繊細。
皆さんも口にすると感じると思います。
味わいも見た目もナイーヴな作りになってますね。
それぞれの素材が共鳴すると言いますか、うまくまとまろうとしている感じ。
私たちバーテンダーが競い合う‘‘カクテルコンクール’’に出品される作品に似た雰囲気を感じます。

なかなかのクオリティであるのに、由来がハッキリしないのが不思議です。もう少し調べてみようかな。

うっすら濃い色の赤が浮いてますよね、このポートワインが味わいにおいて良い仕事をしますし、ほんの少しのミントリキュールも良い仕事してます。
できればポートワインは美味しいヴィンテージポートを、オレンジジュースもより美味しいフレッシュを使うことで印象が大きく変わると思います。

アメリカンビューティーはバラの品種名。
カクテルの美しいビジュアルときれいな香りをうまく表現したネーミングですね。

美味しいヴィンテージポート、オクターブにありますのでどうぞお試しくださいませ。


《レシピ》
・ブランデー・・・・・・15ml
・ドライベルモット・・・15ml
・オレンジジュース・・・15ml
・グレナデンシロップ・・15ml
・ホワイトミントリキュール・1dash
・ポートワイン・・・・10ml(フロート)


●シェーク



カカオとクリームの鉄板コンビですね。
スタイルはプースカフェ。
比重の違いを利用して素材を積み重ねます。
【No. 41  レインボー】参照です。

味わうときは、カカオとクリームが同じくらいのバランスで口に入ってくるようにグラスを傾けるのがポイント。難易度高めですけれども笑

このネーミングはスペイン国王‘‘アルフォンソ13世’’から。
由来ははっきりしませんが、ヨーロッパにカカオが伝来したのがスペインからだったので、‘‘チョコレートならスペイン’’のイメージを彼に寄せたのかもしれません。

オクターブのクリームカクテルは植物性ホイップを使います。動物性生クリームは主張が強すぎるので【No.19 グラスホッパー参照です】。
しかしこのカクテルではクリームの風味も大事な要素となりますので、あえて動物性の純生クリームを使います。
まったり濃厚なクリーム感を堪能してくださいね。


《レシピ》
・エギュベルカカオ・・・2/3
・生クリーム・・・・・・1/3

※半々でも良いと思います。

●プースカフェ