レモンの皮のシルエットで馬の頭部をイメージさせます。
目線の位置でそれっぽく見えてくるかも?!
見た目のインパクトに反して、繊細な美味しさが持ち味の一杯です。

今から100年ちょっと前くらいにノンアルコールのドリンクとして作られ始めたようです。
ベースにするお酒は何でも良いのですが、ブランデーを使うレシピが主流でしたね。
確かに美味しいので異論ありません。
ウイスキー、特にバーボンをベースにする流れができてきたのがここ数十年くらい。
実際は飲む方のお好みで、と柔軟に対応してよいと思います。
私はカルヴァドス(りんごのブランデー)やグレンリヴェット(シングルモルト)をベースにしたいと思います。
スモーキー過ぎないモルト(ハイランドパークやプルトニー)もいいですね。

このカクテルの良さは、レモンの皮から漂うオイルの香りがいい仕事をするところ。
レモンジュースの強烈な風味やえぐみが加わらないゆえの繊細な美味しさ、だと思います。
なので全体のバランスをまとめるように、ベースのお酒は30mlに抑えてジンジャーエールも辛みの少ない穏やかなものを使ったりします。

爽やかな一杯でどうぞリフレッシュしてくださいませ。


《レシピ》
・カルヴァドス・・・・・30ml
・ジンジャーエール・・・110ml
・レモンピール・・・・・1個分


●ビルド
源氏物語の主人公“光源氏”のイメージで作るとなると、熱烈ファンからのクレーム対応でてんてこ舞になっちゃいそうで笑。


見た目の印象はいかがでしょうか?
私は黄金色にしようと決めていました。

でも実は、黄金色に仕上げられるお酒ってそんなに無いんですよね。
選んだのは貴腐ワイン。
世界三大貴腐ワインのひとつ、フランスの‘‘ソーテルヌ’’をベースにします。
光源氏のプレイボーイ感に合ってるような気がしません?

出家する前に公の場に姿を現した光源氏の輝きは、全盛期のそれを凌駕する目映さだったそうです。

この巻‘‘幻’’を最後に光源氏は登場しません。
次巻‘‘雲隠’’は内容が無く(No.046 雲隠を参照ください)、その次巻‘‘匂宮’’ではすでに逝去した後の話が続いてゆくのです。

そう、強烈な存在感、その全てを幻であったかのように見事に消し去り、淡々とストーリーは紡がれるのです。
紫式部のセンスには畏れ入るしかありませんね。

このカクテルは貴腐ワインの豊醇な味わいと洋梨の香りが調和したスイーツのような美味しさとなります。
どうぞお試しくださいませ。


《レシピ》
・ソーテルヌ・・・・・・・30ml
・グレイグースポワール・・15ml
・ペアシロップ(モナン)・・・5ml
・レモンジュース・・・・・10ml
・アンゴスチュラビターズ・2drops


●ステア



苺の季節限定です。
糖度の高い苺だけを厳選するので、1月~4月の限定となります。

桜舞妓はオーチャードシリーズNo.004。
白ワインと苺の相性の良さを味わえます。
すっきり爽やかな美味しさは根強い人気を誇ります。

桜舞妓のベースを日本酒に代えると‘‘東山花霞 ひがしやまはながすみ’’となります。
東山の芸妓さんをイメージして作った一杯なので、使う日本酒は会津清酒に限ります。

ベースをライチリキュールに代えると‘‘ソア’’になり、グッと華やかな美味しさになります。
苺の風味って主張は強くないのですが、個性あるお酒の味を上手に包み込むちからがあるのだと思います。

桜舞妓の白ワインを一部エルダーフラワーリキュールにすると‘‘落花の雪 らっかのゆき’’となり、品あるカクテルへと表情を変えます。

‘‘桜隠し’’は桜リキュールの香りと苺の風味とのマリアージュが楽しめます。
グラスの縁に付いた塩はまさに雪をイメージしており、塩を舐めながら味わうとまたおもしろい味わいが楽しめます。

上記苺のカクテルたちは全てオリジナルです。
苺とグレープフルーツの風味は相性が良いので、ベースを代えるだけで美味しいカクテルがいくつでも誕生させられるのです。


《レシピ》

【桜舞妓】
・白ワイン・・・・・・・・・・60ml
・グレープフルーツジュース・・60ml
・苺・・・・・・・・・・・・・2~3粒

●シェーク

※苺はシェーカー内で潰しておく。
※白ワインはほんのり甘口が良いかもしれません。