ムストミュルックはエストニア語で‘‘黒い毒’’のこと。

2021年8月に刊行しました自作絵本の世界イメージに寄せて作ったオリジナルカクテルです。
絵本の主人公は、‘‘ある日突然に髪の毛先から毒が滴るように’’なるのです。
その毒が自身の体につかぬように髪を束ね縛りまとめ、木製ゴブレットに溜まるようにこしらえました。
木製ゴブレットに溜まった黒い毒、それがこのカクテルなのです。
絵本表紙に描かれたゴブレットそのままです。
スミレの花の匂いがします。
唯一絵本の内容と違うところが、‘‘口にしても死なないところ’’なんです笑。

甘酸っぱく飲みやすく、なるべく老若男女多くの方に気に入って頂けるような味わいに仕上げるのに苦心しました。
毒言うて飲みにくくするのは簡単なものでありますから。

ぜひとも一度絵本に目を通してからカクテルを味わって頂きたいです。
主人公の憂いだ顔が目に浮かぶところまででワンセットとなりますゆえ。


《レシピ》
・バイオレット(メラーナー)・・・ 25ml
・バイオレットシロップ・・・・・5ml
・ドライジン・・・・・・・・・・10ml
・アフロディーテブラック・・・・10ml
・グレープジュース・・・・・・・15ml
・レモンジュース・・・・・・・・15ml


●シェーク

※シロップはメゾンルータンがよいです。
オクターブのカクテルたちの中で、最も酸っぱい一杯です。
親の仇な勢いでライムジュースをぶち込みますからね!


こちらのカクテル、日本国内のレシピはレモンを使うものばかりで、海外のレシピはライムを使うものばかりなんです。
どうしてでしょうね。調べても判明しませんでしたので、いつものように私見を少しばかり、、。

・まず名前の由来。カクテルと同名の映画、1934年作品‘‘viva villa!’’がメキシコ革命で活躍した革命家パンチョ・ヴィラを描いたドラマであり、まったく関係無いことはないだろうという推測。
・テキーラもライムもメキシコの名産品なので、このカクテルの誕生はメキシコである可能性が高いのではないかとの推測。
・メキシコにおいて黄色いレモンは決してメジャーなものではなく、レモン(リモン)と言えば小振りなライム(キーライム)のことであること。
・始めに日本にカクテルビバヴィラを持ち込んだ方がメキシコのライム事情に疎く、レシピに記された‘‘リモン’’をそのままレモンとして解釈してしまったのではないかという推測。

いかがでしょうか。
充分あり得るお話ではないでしょうか。
あくまでも私見ですけれども。

なのでオクターブでは海外のレシピに寄せてライムで仕上げております。

やたらと酸っぱいカクテル。妊娠したかも!!と思った老若男女みなさんにオススメです。


《レシピ》
・テキーラブランコ・・・45ml
・ライムジュース・・・・60ml
・砂糖・・・・・・・・・2tsp

塩でスノースタイル

●シェーク
ウォッカとカルーアだけを組み合わせた‘‘ブラックルシアン’’が1949年に誕生しました。
そこにクリームを加えて‘‘ホワイトルシアン’’と進化したのが1960年代です。

ブラックルシアンはブリュッセルのホテルメトロポールにて、バーテンダー‘‘ギュスターブ・トップス’’が作りました。時のルクセンブルク駐在米国大使‘‘パール・メスタ’’のために。
パールは、政界・芸能界・その他各界の著名人らを集めるパーティーのホストとして有名でした。トルーマン大統領時代に影響力を持った女性政治家です。米ソ間の冷戦に思うところがあった彼女に、バーテンダーは色々な思いを込めてブラックルシアンをプレゼントしたそうです。

ホワイトルシアンが脚光を浴びた(?)映画が‘‘ビッグリボウスキ’’ですね。
全米が選ぶ「真夜中に観たい映画」堂々のナンバーワン。流し見できるゆるさが持ち味の怪作です。
主人公が劇中飲み続けるのがホワイトルシアンなのです。そんなに美味しそうには見えないけれど、なんだか印象深いんですよね。
主人公はミルクで割っていました。それも私は好きですがしかし、オクターブのホワイトルシアンは三分立てくらいのやわやわクリームを使用します。
ウォッカのパンチ力に負けないようにクリームには甘味も加えて。
食後酒や寝酒に良い感じの一杯、どうぞお試しください。

そうそう、クリームの代わりに‘‘ベイリーズ(クリームリキュール)’’を使うと‘‘ボリシェヴィキ’’と云うカクテルになります。
こちらは自分にトドメを刺したいときにどうぞー。


《レシピ》
・ウォッカ・・・・・・40ml
・カルーア・・・・・・20ml
・クリーム・・・・・・適量


●ビルド