ブルーキュラソー誕生以前のカクテルだと云う驚愕の事実。


青いお酒が誕生したのが1912年。オレンジの皮から作られるリキュールで、人工着色料で鮮やかに仕上げられます。
現在世界中で供される青いカクテルは、ほぼほぼ全てブルーキュラソーが彩っているのです。
ブルートレインも然り。


しかし、1930年に刊行された‘‘サヴォイ・カクテルブック’’に目を通すと、そのレシピにはこう記されています。
・ドライジン・・・1/2
・コアントロー・・1/4
・レモンジュース・1/4
・ブルーヴェジタブルエクストラクト・・・1dash

‘‘青い野菜エキス’’で色付けしています。
植物由来の青い着色料ですね。
このカクテルブックが世に出た頃にはブルーキュラソーも知られていたと思いますが、ここには昔ながらのレシピが採用されているのですね。
そう、青いカクテルの歴史は思いのほか古いのです!
1800年代後半には登場していたのではないかな。


現代ではスピルリナ(藻)由来の、キレイな発色の青色天然着色料が手に入りますので、ブルーキュラソーに替えてそちらを使用してみても良いかもしれませんね。原点に回帰するレシピですね!

ネーミングの由来はヨーロッパで人気だった寝台列車で間違いなさそうです。残念ながらジョン・コルトレーンは関係ないようです。


《レシピ》
・ドライジン・・・・・・30ml
・コアントロー・・・・・15ml
・レモンジュース・・・・15ml
・ブルーキュラソー・・・1tsp


●シェーク
オーセンティックであらんとする紳士たちの、逆説的なアンチテーゼでしょうか。


2000年代初頭くらいに登場したシューター(一気飲みカクテル)ですね。
いいこちゃんでいようとする方々を嘲るパンクなビジュアル。キモい。
凝固したリキュールの食感もエグい。

透明な部分はピーチのリキュール。白い脳はベイリーズ・クリームリキュール。あとはブルーキュラソーとグレナデンシロップと。
ベイリーズを静かに垂らすことでぐにゃぐにゃの造形美が生まれます。

相性の良くないリキュール同士だと、このように分離して大変なんですねえ。


バーテンダーになりたての頃、生まれて初めて作った私のオリジナルカクテル、それがこのカクテルにそっくりな出来映えでした笑。
女性に大人気のライチのリキュールと、同じく大人気のベイリーズを組み合わせたら美味しく仕上がるよね、と混ぜて分離させてがっかりして。
生暖かいほっこりメモリーです。


オーセンティックなバーでは似つかわしくないカクテルに思えますか?
私の理想とするバーは、清潔感ある整えられた身なりの紳士淑女が、このカクテルを慎ましやかに穏やかに嗜む。良識と理性とユーモアがにじむ雰囲気です。
‘‘おおらかでありながらも節度ある’’そんなバーになるといいなーと思っています。


《レシピ》
・ピーチリキュール・・・適量
・ベイリーズ・・・・・・適量
・ブルーキュラソー・・・適量
・グレナデンシロップ・・適量


●ビルド
日射病と熱中症って何が違うの?この質問はバーボンとウイスキーの違いを聞くのに似てるかも。

サンストロークは日射病のことです。
元々ウォッカをベースにしたカクテルで‘‘サンストローク’’ってのがありまして、それをテキーラベースにアレンジしたものがこちらのカクテルとなります。

日本ではテキーラベースのこちらが高く認知されてますね。‘‘テキーラサンライズ’’や‘‘テキーラサンセット’’なんて名前のカクテルが人気ありますから、朝昼夕とトリオとして丁度よく、しっくりきたのかもしれませんね。


そういえば日射病と熱中症。熱中症とは、体温が上がり体温の調節がうまくいかなくなることで起こる健康障害の総称なんです。
日射病とは、炎天下での活動で水分不足により起こる健康障害のことで、つまり、熱中症のひとつなんです。

これは、‘‘ウイスキーと云う穀物原料の蒸留酒を樽で寝かせたお酒’’のバリエーションのひとつに‘‘バーボン’’と云うウイスキーがありますよ、って話に似ていませんか笑。
結構いらっしゃるんです、「ウイスキーではなくてバーボンをくれ」とオーダーされるお客様。


それはさておきテキーラサンストロークは、‘‘果汁に合わせると膨らみが増すテキーラの魅力’’が楽しめる一杯なんです。
夏にぴったりの美味しさをどうぞ。


《レシピ》
・テキーラブランコ・・・・・・・30ml
・グレープフルーツジュース・・・60ml
・コアントロー・・・・・・・・・1tsp


●シェーク