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情報がコモディティ化するなかで如何に価値を出すか

週末銀座に用事があって行ったのですが、予定の時間より1時間ほど早くついてしまったので、カフェで本でも読もうかとたまたま立ち寄ったスタバに、今まで見たことのない木製のカウンターがあったので好奇心からついつい座ってしまいました。

その席は、スタバが昨年2月より新サービスとして展開している「スターバックス・リザーブ」というサービスで、通常の商品とは異なる、4つのコーヒー豆を使ったコーヒーをサーブしてくれます。専用カウンターがあるくらいですので、もちろんプレミアムサービスとなり、価格は通常の1.5~2倍程度となります。注文を受けてから1杯分だけコーヒー豆を挽いて、コーヒーを入れてくれますし、コーヒーを入れる機械も通常の機械ではなく、香りを逃がさない機会でいれてくれますので味はもちろんのこと香りも抜群です。

また、バーのようなカウンター(参照:一枚目の写真)となっており、バリスタ(店員)と対面の状態となるため、自然と店員と話をするようになります。当然、最初はコーヒーの話をしてくれるのですが、ついついコンサルとしての好奇心がふつふつと湧いてしまい、全国で何店舗くらいでサービスしているのかとか、その店舗はどこなのか。銀座店での一日の来客数はどのくらいで、そのうち何人くらいがこの「スターバックス・リザーブ」を利用するのか等、かなりメンドクサイ客だとは思いますが、いろいろ聞いてしまいました。また、店側のメリットとしても、重要顧客(利益率の高い客)と直接話ができることでニーズ等がつかめるため、新サービスであるため、サービスの改良に役立つといっていました。

ここで得られたものとしては、

・消費財のプレミアム(価格が1.5~2倍程度)需要は5%くらい ※銀座という立地バイアスは考慮する必要はありますが、同じサービスを展開している他地域でも同様であると想定されます。
・新規サービスを始めるときは、トライ&エラーが大切であり、重要顧客と1対1で話を聞ける形態とすると効果的である

ということです。個人的には新規サービス立案のプロジェクトに係ることが多いため、クライアントとのミーティングで例示としていろいろ使えそうなネタが得られたのは非常に有意義でした。

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※カウンターはこのようになっています

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※ブランドカラーはブラックらしいです

前置きが長くなってしまいましたが、

現在では、インターネットの普及とユビキタス化によって、誰でも何処でも世界中の最新情報を手に入れることが可能となりました。
情報が限られた人にのみ取得できた時代においては、「情報を持っている」ことが価値となりましたが、現在のように誰でも情報が手に入れることができ、且つ情報の入手方法が同じ(google検索等)であれば、情報を持っていることには価値はありません。

そこで重要となるのは、

①自分独自の情報を持つ
②自分独自の考察を持つ


こととなります。

①の自分独自の情報とは、一般的にいうところの1次情報で、自分の経験や自分が人から直接聞いた話を言います。

また、②の自分独自の考察を持つということは、他人と同じ情報を見ても、その情報が意味するものを、他人とは違う意味のある見方で見ること(=インサイト)を言います。

自分個人としては、今までは当ブログも含め特に②の力を磨くことに注力していましたが、やはり、①の1次情報を得ることも重要であると気づきました。

理由としては、

・人、特に自分より立場が上の人に自分の考えを言う場合に、1次情報があると説得力が増す。
・新たな経験を通じて思考の幅が広がる

ことが挙げられます。

1つ目は当然として、2つめの思考の幅ですが、新しい情報や問題に接した場合、どうしても自分の中で体系化された思考方法やパターン認識(アナロジー)である程度外さない論点設定は出来てしまうため、なんとなく「いつもの感じ」となってしまいエッジが効き難くなっているのを最近特に感じていました。そこで、その枠を広げるためにも、「如何に多くの意味ある1次情報に接することができるか」は非常に重要になってくると考えています。したがって、個人的には、今年の目標の一つとしてプライベートで1次情報に触れることを意識することとしたいと思います。

今は決して新卒の就職氷河期ではない

そろそろ2013年4月入社の新卒採用が本格化するころだと思います。そこで今回は新卒の就職について簡単に考えてみたいと思います。

リーマンショック以降、新卒(高卒・大卒)の就職率の悪化を受けて、良く「就職氷河期」という文言を見聞きします。「氷河期」という言葉には、「今は一時的(≒例外的)に悪い時期であり、この時期を乗り越えればまた良い時期が来る」というニュアンスを含んでいると個人的には考えています。

したがって、新卒採用に関して「氷河期」という言葉を聞く度に「氷河期ではない」という思いが湧きます。理由としては、この就職難は、日本の「雇用制度」「日本の経済構造」に起因しているため、現在の新卒採用状況は「一時的」ではなく、「恒常的」、少なくとも「中期的な現象」であると考えているからです。

下の図は、企業の雇用システムを図示したものです。
※図の見方についてはこちらの記事を参照下さい→http://ameblo.jp/ks681981/entry-11084775330.html?frm_src=thumb_module

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先ず、青色の楕円形「経済成長」ですが、これは日本の経済成長を指しており、企業の雇用システムの前提となっている非常に重要な要素となります。
そして、この「経済成長」を出発点として、各変数(楕円)の右隣が左隣の従属変数となっています。

このシステムの特徴としては、「拡張循環型」となるため、システムの前提である「経済成長」が担保できているうちは、効果的に働くシステムと言えます。

時間がなかったため(手抜き?)、システム上重要な部分については赤枠・赤字で図中に書いてしまいましたが、結論としては、前提である「経済成長」が鈍化した場合、時系列で言うと、まず「派遣社員」と「新卒社員」の採用・雇用を控えるというシステムとなっています。そしてこれは、「正社員を簡単にはクビにできない」という日本の雇用制度が原因としてあります。つまり、日本の雇用制度は、既得権益(=既に働いている正社員)には優しく、それ以外(将来の財産を含む)には非常に厳しい制度となっているわけです。というのも、現在の人事制度の大枠は日本経済が右肩上がりで成長し、「欧米に追いつけ、追い越せ」の時代の遺物であると言えるからです。当時は、欧米商品より安い商品を世界市場で販売することで日本経済を成長させてきました(=製造業を中心とした輸出によるGDPの向上)。このような状況では、産業は労働集約的となり、企業にとっては人材確保が最重要項目となります。従って、従業員に働き続けるインセンティブを付与するような制度体系ができあがったわけです。

ただし、現在のグローバル市場において、安価な人件費を強みに労働集約産業でプレゼンスを高めているのは日本ではなく、中国やインドネシア等を始めとした新興国です。
一方、現在の日本の産業構造を見ると、円高と株価が反比例する現状を見るまでもなく、未だに製造業の輸出に頼っています。つまり、上記システムの前提である「経済成長」を担保できていないわけです。
したがって、現在の製造業中心の日本の産業構造をサービス業や先進技術を強みとした高付加価値産業を中心としたものへと移行し、「経済成長」という前提を担保するか、若しくは、人材の流動性を促進させる「痛みを伴う人事制度改革」がない限りは、突発的・短期的な経済成長を除き、新卒の採用状況は苦しい状況が続くものと思われます。

体験型ぬいぐるみショップ「Build-A-Bear Workshop」に見る成熟市場での稼ぎ方

先日、ショッピングモールをぶらぶらしていたら、自分で好みのぬいぐるみを作れることで人気の体験型ぬいぐるみショップ「Build-A-Bear Workshop」の店舗を見かけたので立ち寄ってみました。

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※店舗も外から見てもわくわく感が伝わり、ふらっと立ち寄りやすい作りになっています

このお店の普通のぬいぐるみショップ(おもちゃやさん)と違うところを簡単に説明すると、完成品としてのぬいぐるみを売る競合他社に比べ、Build-A-Bear Workshopは、その名の通り、お客が自ら自分の好みのぬいぐるみを作り、自分で作ったぬいぐるみを買うというモデルです。

作業フローとしては、
1)まずぬいぐるみの殻(綿の入っていない裸の状態のぬいぐるみ)を20種類ほどのなかから自分で選びます。価格帯はざっと見たところ2000円~4000円弱くらいで平均3000円弱くらいでしょうか。
2)1)で選んだぬいぐるみに自分で綿を詰めます。ただ、手作業というよりは綿つめの機械のペダルを自分で踏み、機械から出てくる綿はスタッフがぬいぐみに詰めてくれます。また、機会の表面がスケルトンになっており、恐らく踏んだペダルに合わせて綿が回っており、その様子を自分で見ることが出来るため子供としては楽しめる仕組みとなっています。
3)ここまでで、裸のぬいぐるみ(3000円相当)が出来上がりましたので、次は裸のぬいぐるみに着せる服を沢山あるなかから選らんでいきます(価格は2000円~3000円とぬいぐるみ本体とさほど変わらない)。
4)最後にくつした、くつ、防止、アクセサリー(リボンやパース等)を選んで完成となります(価格はそれぞれ約1000円前後)。

完成品の合計金額は8000円程度になるのではないかと思われます(当然、服やアクセサリーを買う必要はないわけですが)。

店舗をざっと見ていて面白いなと思ったのは、

・ニーズの多様化に合わせた「自分のオリジナル」と思わせる方法
・アクションコスト(=初動障壁)の下げ方 ※アクションコストは鈴木Kosが勝手に命名しているものです
・リテンション(囲い込み)のやり方


です。

「自分のオリジナル」の錯覚とは、「自分で作るという経験」と「自分で選んだものの組み合わせ」によって行っていると言えそうです。当然自分で作るという経験は自分だけのものですので、その出来たものも自分だけのものという感覚になりますし、ぬいぐるみの数・服の数・アクセサリーの数がそれぞれ20種類あると仮定すれば、その組み合わせ方法は20の3乗パターンあるわけですので、実質自分だけのものとなります。

アクションコストの低減は、完成品としてのぬいぐるみを8,000円で購入するのには躊躇しても、最初の裸のぬいぐるみを3,000で買う抵抗感(=アクションコスト)はかなり押し下げられます。そして、財布を開くまでの抵抗感に比べ、一旦開いた財布から追加でお金を払う抵抗感は逓減するため、ぬいぐるみ一体あたり価格として8,000円稼ぐことが通常より容易になります。所謂課金システムと同じビジネスモデルです。

最後のリテンションですが、ストック型ビジネス(新規顧客開拓より、既存の顧客から売上を上げるビジネス)では、一般的に、①購買頻度と②顧客単価(アップセル・クロスセル)がキモとなります。この観点からすると、Build-A-Bear Workshopでは、商品を組み合わせで売っているため、ぬいぐるみ自体は買わなくても、ぬいぐるみに着せる服やアクセサリーを買いにくる顧客もいるため、ぬいぐるみの購買頻度(例えば6ヶ月に1回)よりも、そのサイクルを早く(3ヶ月に1回等)することができます。また、ぬいぐるみ自体の価格も服の価格・アクセサリー数点とあまり変わらないため、例えば完成品のぬいぐるみを30%オフで売るキャンペーンをして購買頻度を上げる場合と、服とアクセサリーのみを買う顧客単価は同じになります。さらに、後者の場合は利益率はそのままなので、利益ベースでは後者の方が勝ります。加えて、価格感度を考慮した付加アイテム(クロスセル)の充実により、顧客単価の向上を実現するモデルとなっています。

以上のことから、

「①顧客ニーズの多様化」と「②フロー型ビジネスからストック型ビジネスへの移行」という2つの傾向が見られる成熟市場では、

①顧客の本質的なニーズ(ここではぬいぐるみ)は変わらないことを念頭に、経験と組み合わせによって、低コストと商品ラインナップの両立を実現する

②ストック型ビジネスでは既存顧客数の多さで勝敗の多くが決するため、顧客を獲得する仕掛けと顧客を囲い込む仕掛けの2つが重要となるが、価格の細分化(個別化)によってアクションコストを低減し、後者は商品の細分化によって購買頻度の向上による顧客との継続的なタッチポイントの構築によって実現する


ことが重要であると言えそうです。