経営コンサル愉快日記~サルを超えちゃった僕たち~ -2ページ目

今、まさに顧客視点が必要となっている

Facebookを始めとするSNSの台頭による、「ネットワークの経済」(=単純な数や密度ではなく、ネットワーク網によって競争優位が確立される経済 ※筆者が勝手に命名)の増大に伴い、今まで以上に顧客目線でのサービスの提供が特にBtoCでは求められていると先日2つのニュースを見て思いました。

1つは、ネット生命の先駆者である「ライフネット生命保険」の記事です。同社は2006年設立とまだ創業まもないにも関らず、今年3月に東証マザーズに上場し、ネット専業生保として初の株式公開を果たしています。また同社は、3月末時点の保有契約件数が11万8千件になり、前年同期と比べてほぼ倍増しており、急成長の理由は、保険料の安さにあるといわれています。
(インターネットに販路をほぼ絞り、人件費や固定費を大幅にカットすることで、30歳男性で保険金3千万円と、保険期間10年)の定期死亡保険の月払い保険料を3484円と、大手生保の半分程度に抑える戦略)

そもそも同社は、「ネットで生保は売れない」という業界の常識を覆して、保険の原価の公開や、保険の仕組みの簡素化によって、本当に顧客が求める保険を顧客が選択できるモデルを確立していることが、その低価格以上にそもそもの成功の要因です。

顧客に本当に必要なものを提供すれば、保険業界という保守的且つ成熟業界でさえも、新規参入し、成功(まだ早い?)する
ことは可能と示してくれています。

もう一方の記事は、俳優オダギリジョーさん主演のフジテレビ「家族のうた」(日曜後9・00)の第3話の視聴率が3・4%(4月29日放送、ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことを受けての記事です。

 他の民放関係者は、昨年秋の日本テレビ「家政婦のミタ」が最高視聴率40%を記録したこととの関連性を指摘した。
「今の時代はネットなどで口コミが広がりやすく“面白い”となればミタのような怪物的数字を出すが“つまらない”となると信じられないような低い数字が出ることが分かった。本当に恐ろしい時代になった」と“逆ミタ現象”が決して他人事ではないことを警戒していた。 (Yahoo!ニュースより抜粋)

このことは、SNS(ブログを含む)の台頭によって、企業やマスコミからの一方的な宣伝効果(マーケティング)より、信頼のおける知人の評価を優先する傾向にある現在において、「いいものを作りさえすれば、その評価は波及的に伝播する」(逆もまた然り)ことを示しています。

このように、市場の成熟(=消費者の成熟)とSNSによりさらなる加速が予想される「ネットワーク経済」が相まって、今後市場で競争優位を築くためには、今まで以上に「どうやってお金を稼ぐか」よりも、「どうやって本当に顧客が欲しいサービスを提供するか」が、ビジネスモデルを立案する際に重要になってくると感じています。(DeNAやグリーの逆風の原因もここらへんにあるのかもしれません)

デパート復興のキーはビジネス・カジュアルか

このブログを始めてほぼ3年経ちました。最近は更新頻度が遅くなってしまっていますが、もう一度気を引き締めていきたいと思います。

さて、桜も終わりを向かえ、暖かい日と肌寒い日が交互に訪れるような気候となっている中で、毎朝着ていく服装で悩む人も少なくないかと思われます。
先日、個人的な興味で通勤電車での服装チェックをしてみたところ、自分の前の10人がけのシートで防寒具(スプリングコート・マフラー)を着けていた人は3人でした(内、女性は1人で冬物のカーディガンを着用していました)。一方、春物スーツのみが7人。
この3:7という数値を簡単に統計的に見ると、偶然確率は0.172(片側確率)となります。
これは、30%の人防寒具を着けて、70%の人が着けない(又はその逆)が偶然に起こる確率は17%ということです。つまり、この時期、まだ肌寒く防寒具を必要とする人が30%程度存在することにある程度の必然性があるということが言えるということです。
加えて、朝・夜は多少寒いものの、昼の温度に合わせて寒さは多少我慢してスーツのみという人の割合も加算すると40%~50%位は、まだまだ程度の差こそあれ防寒具を必要としてる可能性はあります。

日本には四季があるため、季節の移り変わりは年に4回あることになり、この季節の移り変わり市場は大きい(移り変わり期間を半月とした場合、0.5×4=2ヶ月。およそ合計で1シーズンの市場)と言えます。
また、今回の簡単調査(?)では見かけなかったものの、オフィスカジュアルが一般的である女性の場合はこの時期はストール等の小物や服装を工夫することで、春らしさと防寒を両立している方が多いように見受けられます。
一方、スーツが一般的な男性では、(スーツにマフラーのみというスタイルも少し見かけますが)スプリングコートor春スーツという両極端になりがちです。
要するに、スーツというある種「ユニフォーム(型)」に合わせて、不適合の部分は我慢というのがこの時期(若しくは季節の移り変わり時期)の多くの人の状況ではないでしょうか。

従って、型(スーツ)に合わせて、不適合の部分は我慢という状況では市場ロス(=機会損失)が生じているため、国内経済成長のためには人口減少のため一人当たりの消費額・量を増やしていく必要がある今後を考えると、個人のニーズに合わせてビジネスの服装を選ぶスタイルにしていくことが、衣料市場の成長には必要であると考えています。

そして、そのポテンシャルは既にオフィスカジュアルが一般化し始めている女性よりも、当然男性の方が大きく、男性向けオフィスカジュアルの市場は魅力的と言えます。
さらに、ビジネスウーマンに比べ価格感度・トレンド感度が低いビジネスマンは、保守的でありつつも質の良いものを選ぶ傾向があるためデパートとの親和性が高そうです。

結論としては、今年の夏も省エネでスーパー・クールビズの導入が予想されるため、デパート主導でオフィスカジュアルのスタイルを発進することで復興の手がかりとするのもありかもしれません。

加速する実店舗離れと新たな販売チャネルの台頭

個人的には良くカフェに行って読書したりすることが多いため、そこで流れている音楽を聞く機会・時間ともに比較的に多い方ではないかと思います。また、音楽自体も好きであるため、カフェや美容室等で気になる曲が流れていたりすると、iPhoneのアプリで流れている音楽をサーチして歌手名・曲名を教えてくれる「Shazam」を利用して曲名をブックマークしたりもします。

普段であればここまでなのですが、先日行ったカフェで流れていた曲をいつも通り「Shazam」でサーチした後、SNSのFacebook上でシェアできることを知り始めてシェアをしました。Amazonで本を購入する場合も同様なのですが、SNS上でシェアをすると、自分のウォール上にその情報が表示されるとともに、購入ボタンもあるため欲しいと思えばクリックさえすればSNS上(正確にはSNS経由のネット店舗)で楽曲や本や買えるという仕組みです。

また、電車の中吊り広告を一覧できるアプリでは、全ての雑誌に対応しているわけではありませんが、ビジネス雑誌・インテリア雑誌・ファッション雑誌等比較的何度も読み返すことが多い雑誌では、アプリ上でその雑誌を購入することも可能です(正確にはアプリ経由でAmazonで購入)。そして、当然任意の下でSNS上でシェアすることが可能です。

以上のことから、

インターネット・ツールのユビキタス化により、サービス提供者(ここでは音楽配信会社・本屋)と消費者のタッチポイントが通常化すると伴に、購買行動自体もユビキタス化しているということです。
加えて、「いつでも・どこでも」という個人の都合に合わせることに特化したユビキタス化の制限条件として、1対1でのサービス提供体系があるのですが、個人のニーズを満たすことはできても、それを拡大することに関しては親和性に欠けてしまうことが多くありました。

しかし、個人の経験が多数へと同時共有されるSNSという特性を取り込むことにより、1対1のマーケティングをしつつも、それが1対Nのマーケティングとなることが可能となってきていることが伺えます。

図示化すると以下のような感じです。


$経営コンサル愉快日記~サルを超えちゃった僕たち~

この様に考えると

個人の趣向性(実物を見て・触って・比べて購買判断をする類の消費)が低い、コモディティ商品や購買単価が安いもの、購買サイクルが安いものでデジタルとの親和性が高い消費財においては、もはや実店舗は必要なくなってきています。理由としては、「モノを知る場所」「モノを買う場所」「モノを受け取る場所」を統一する必要性がないばかりか、それぞれを切り離すことにより顧客とのタッチポイントの構築や購買障壁(アクション・コスト)の低減を達成し、売上を上げることが可能となっているからです。
それと同時に、カフェや電車の中吊り広告等「モノを知る場所」として新たに価値を提供し得る新しい販売チャネルの台頭も今後さらに予想されます。