国際結婚、離婚、再婚、不妊⇨犬親へ
世の中の「当たり前」から外れた道を
自分らしく生きる
ライフコーチのベルリン暮らし13年目
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最近夫と義理の母についての話の中で
彼女の特別なスキルの話題になりました。
それは...
一人の時間を
確保すること
私のお姑さんはとっても社交的な人ですが
自分一人で過ごす時間も大切にする人です。
一人の空間で心を落ち着けたり
エネルギーを充電したりすることが
自分にとって必要不可欠だと心得ていて
その時間をちゃんと取ることができる。
夫が今でもはっきりと覚えている
お母さんの「一人時間確保術」を知り
彼女に対する尊敬の念が
グッと増したわけなんですが、
その理由は、
方法としては極めてシンプルだけど
決して簡単なことではない!
と思ったからです。
ドイツ人が「個人の意志」を
大切にできる人間に育つ背景が
垣間見られた、
夫の母の一人時間を
確保する方法とは...?
夫は弟との二人兄弟ですが
二人が小学生くらいの時から
お母さんの一人時間は
邪魔してはいけない
と感じていたそうなんですね。
それはなぜかというとお母さんが
子供にもちゃんとわかる方法で
「一人の時間を持つことの大切さ」を
自分の行動で見せていたからです。
あっけないほどシンプルな方法なのですが
それは単純に、言葉で伝えることでした。
Ich brauche jetzt Zeit für mich
(私には今、自分一人の時間が必要です)
こう言い置いて、
自分の部屋でも台所でも
そこに入ってドアをしめていたと
夫は記憶しています。
夫からこの話を聞いて
まず思い浮かんだ言葉は
「勇気」でした。
私には人間の子供はいないので
愛犬でしか想像できないんですが、
例えば犬が私に甘えてきて
その時にやっていることを
邪魔するとしますよね。
そんな時、
どんなに大事なことをしていたとしても
ついつい犬の甘えを優先させて
抱っこしたり、遊びの相手を
したりしちゃうんですよね。
特に日本の母親って
子供を最優先させることが当たり前
自分を犠牲にすることが当たり前
という社会的な考えが
あるように感じませんか?
ちなみにそれは何も
日本だけではなくて、
あのアメリカでさえ同じように
母親という人種は自分を
犠牲にすることが美徳!
という考えがあるというのは、
「「本当の」私に会いに行く」
という邦訳で出版されている
グレノン・ドイルさんの本で知りました。
ちょっと脱線しましたが...
母親は自分の人生を犠牲にしても
子供の望みを優先するという傾向は
程度の差はあれどこの国にも
存在するんじゃないかなと。
だからこそ、子供が
ママママ〜!と自分に何かを
求めてきていたとしても、
その時に自分が一人の時間を
持つことが必要だったなら、
それをきちんと自覚して
自分の望みを優先させるのは
ものすごく勇気が必要なこと
だと思うんです。
それは、
自分の部屋にこもっていたか
夫の記憶は定かではありませんが、
息子たちもね、そうやって、
お母さんの願いも尊重する
という土壌が作られる教育に
なっていたんだなぁと思います。
スノードームという
飾りがありますよね。
一人の時間って、
このスノードームの中の雪が
ゆっくりと沈んで行って、
中に入っている人形が姿を表すような、
そんな時間だと思うんですね。
中に入っているのは自分の本音とか
自分が大切にしたいもの。
だからこそ、
一人の時間って大切です。
ちなみに。。。
一人の時間を確保することについて
親が子供に与える影響について
とても心に響いたエピソードがあります。
最後に一つそれを紹介しますね。
先ほど著書を紹介したグレノン・ドイルと
勇気・恥・共感などについて研究を行っている
ブレネー・ブラウンとのインタビューで
聞いたエピソードです。
ブレネー・ブラウンが出張から帰ってきた日
息子さんのスポーツの練習試合の
予定が入っていました。
人と接する時間が長く
すっかり疲れていたブレネーは、
息子の練習試合に行くことよりも
一人になって自分の頭と身体を
休めることを優先すると決め、
練習試合には夫に代わりに
行ってもらうことにしたんです。
息子には「ごめんね、ママは一人になって
リチャージする時間が必要なの」と伝え、
息子はそれに納得した様子。
その翌日、ブレネーが息子に
今年の誕生日プレゼントに何がほしいか
リストを作るように言いました。
息子が作ってきたリストを見て
ブレネーは胸をつかれたそうなんです。
というのも、そのリストの一つが、
「一人の時間」だったから。
それについてブレネーが
息子に尋ねると、彼は
こう答えたそうです。
「一人の時間がほしいって、
願ったり言ったりしては
いけないと思ってた」って。
さて、ここでわかるのは、
親が自分を大切にする行動は
それはそのまま子供たちにも
自分を大切にする行動をしてもいいと
許可を出すことになる
ということなんですね。
夫の母が「私には一人の時間が必要なの」
と言ってそれを実行する姿を見せたことで、
母親の願いを尊重することと同時に
自分の願いを尊重することに
許可を出すことを学んだ。
逆に言えば、
自分を大切にすることを
子供に教えようと思ったらまず
自分が自分を大切にする姿を
行動で見せなければいけない。
これって言ってしまえば、
夫婦間にも当てはまると思うんです。
一人の時間が必要だと夫に対して
遠慮なく言えるようになって来たのは、
ドイツに来てから10年くらい経ってから。
自分の大切を大切にすることで
相手の大切も、本当の意味で
大切にできるようになってきたと思います。
例えば今日も、娘の進路についての会話に
参加してほしいと夫に頼まれて、
他にやることは色々あるんですが
時間を作ってその会話に参加しました。
例えば5年くらい前だったら
自分の時間を犠牲にしている
感覚がありましたが、
一人の時間を持つことが必要だと
夫に伝えることができるようになり、
自分を犠牲にしている気持ちが
「一人時間の確保術」をお伝えしました。
勇気を持って自分には今
一人の時間が必要だと伝えること。
そしてそれを実行すること。
そんなの無理、と思うと、
本当に無理になります。
これは、相手の大切を
大切にすることにもつながるんだ!
という意識を持って、ぜひ
勇気を出してみてください。
世界の中心で、愛を叫ぶ。
という映画が昔ありましたね。
自分の世界の中心で
自分の大切なことが何かを叫ばずして、
他に誰が、自分の大切なことを
大切にしてくれるでしょうか。
いや別に叫ばなくてもいいですが(笑)
私の義理の母のように毅然とした態度で、
主張する&宣言することは、
自分のためにも、周りのためにも
大切だなぁと思います。
少しでも参考になっていたら嬉しいです。
今も元気なお義母さん
〜自分の人生の作戦を練り直し
今年の後半を思い切り走りたい方へ〜