懐ける
番犬をおいて空き巣対策とするものの、餌などを与えて手懐けてしまえば何ら防犯にはならないとはよく聞く話。
親戚の子供がどうにも懐かずに厭な思いをしていた。赤ん坊の頃から顔を見るなり泣き叫び始末が悪いことこの上無しであった。どうやら男が総じて苦手なようで、祖父に対しても同じように懐こうとはしないらしい。家人にいわせると「ヒゲを生やしておそがい顔をしているからだ」と宣う。なるほど、その子の祖父も禿で怖い顔をしている。
この四月から幼稚園に通うそうで、入園祝いを取りに先日久しぶりに我が家にやってきた。三歳を過ぎ言葉も喋れるようになったことだし、少しは相手をしてくれると思いきや、またしても顔を伏せ無き叫びはしなかったが、齢五十の親爺が充分に落ち込むほどの嫌々をする。
子供をおちょくるのが大好きな小生としては係る問題を看過出来ず、どげんかせんといかんとの思いに駆られ一計を案ずることにした。
入園祝いの他に家人が用意したのは猫型ロボットの玩具。人気キャラクタ初代声優の声で「いってらっしゃい」だの「起きろ」などとしゃべってくれる十数年前の音声ガイド付きコミュニケーション玩具である。家人がその玩具の説明やらしているのに乗じて茶々を入れつつ介入し、それらの贈答品を小生が与えたものだということを強く印象づけることができた。
あれほどまでに厭がって、目を合わせないどころか両の手で目を覆い、視界から小生を消し去ろうとする暴挙に出ていた件の子供、玩具を弄びながら時折笑顔を交えながらこちらの様子を伺うまでになり、帰り際には満面の笑顔を湛え愛嬌を振りまき、ルンルンしながら車に乗り込むに至った。
やはり基本は餌付けかしらん。犬も子供も商売も。
親戚の子供がどうにも懐かずに厭な思いをしていた。赤ん坊の頃から顔を見るなり泣き叫び始末が悪いことこの上無しであった。どうやら男が総じて苦手なようで、祖父に対しても同じように懐こうとはしないらしい。家人にいわせると「ヒゲを生やしておそがい顔をしているからだ」と宣う。なるほど、その子の祖父も禿で怖い顔をしている。
この四月から幼稚園に通うそうで、入園祝いを取りに先日久しぶりに我が家にやってきた。三歳を過ぎ言葉も喋れるようになったことだし、少しは相手をしてくれると思いきや、またしても顔を伏せ無き叫びはしなかったが、齢五十の親爺が充分に落ち込むほどの嫌々をする。
子供をおちょくるのが大好きな小生としては係る問題を看過出来ず、どげんかせんといかんとの思いに駆られ一計を案ずることにした。
入園祝いの他に家人が用意したのは猫型ロボットの玩具。人気キャラクタ初代声優の声で「いってらっしゃい」だの「起きろ」などとしゃべってくれる十数年前の音声ガイド付きコミュニケーション玩具である。家人がその玩具の説明やらしているのに乗じて茶々を入れつつ介入し、それらの贈答品を小生が与えたものだということを強く印象づけることができた。
あれほどまでに厭がって、目を合わせないどころか両の手で目を覆い、視界から小生を消し去ろうとする暴挙に出ていた件の子供、玩具を弄びながら時折笑顔を交えながらこちらの様子を伺うまでになり、帰り際には満面の笑顔を湛え愛嬌を振りまき、ルンルンしながら車に乗り込むに至った。
やはり基本は餌付けかしらん。犬も子供も商売も。