夏油温泉に泊まった翌朝は、冬用の綿入り布団をかけても寒くて目が覚めました。9月上旬でこうなら、冬はさぞ厳しいはず。冬季休業するわけだと思いました。

 露天風呂は日の出から入れるので、大湯と真湯へ行くと、案の定まだ誰も来ず、独泉できました。

 

露天風はいずれも、すぐ横が夏油川。森と川の景色、そして川音と鳥のさえずりでも癒されます。

 

※この話をあとで周りにしたら、「クマが出なくて良かったね!」と言われました。湯の熱さや自然の美しさに気を取られて忘れていたけど、この辺りはクマの宝庫?でした。玉川といい、よく無事に帰ってこられたものです。

 

宿の送迎車(有料ですが、運転手さんのガイドが面白いので乗った方が良い)で北上駅へ送っていただき、次に平泉に向かいました。平泉は30年ぶりぐらいかなあ、どうせ通り道なので、寄ってみようかと。あと2024年に行った『中尊寺金色堂展』が素晴らしかったので、中尊寺を再訪してみたかったことも理由です。

 

 

しかしいろいろまわるのは時間的に難しいので、まだ行ったことのない1ヶ所に絞りました。

それが、毛越寺の手前にある観自在王院跡。奥州藤原氏の奥方が造営した寺の跡で、跡地といっても世界遺産の登録遺跡です。

かつては毛越寺と並ぶ素晴らしい寺だったらしい。

 

平泉駅からここまでは住宅と商店・宿が混在するメインストリートを歩いていくのですが、街並みが美しくて驚きました。建物は和風モダンで統一され、すっきりと清潔で比較的新しい感じ。世界遺産登録のタイミングで整備されたのかもしれません。

 平泉は、いずれ1日ぐらい使ってしっかりまわりたい。何なら1泊してもいいかな、と。

 

平泉の世界遺産登録は2011年。大震災があった年です。東北、特に被害が深刻だった岩手県にとっては、最高の励みになったでしょうね。

 

この後、福島で親類に会い、帰京しました。

今回も良い温泉と宿を体験できて素晴らしい旅でした。これで「どうしても行ってみたかった東北の温泉」は、ひととおり回れたかな。東北も温泉と史跡と美食の宝庫なので、今後もおときゅうパスを使って年に1回ぐらいは訪ねたいと思います。

 

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

夏油温泉案内図がこちら。※温泉は全て撮影禁止につき、外観の写真のみです。

 

露天風呂は全て足元から湯が湧出、つまり温泉の湧き出し口の上に湯船があるわけです。私が以前取材した某温泉で「温泉は100m過ぎたら、ただのお湯」と言い切る方もいた(これは極端だと思う・・・)ので、「源泉口のできるだけ近くで入る」と良いのは事実なんでしょう。

 

 夏油温泉で一番効能があるのが、一番奥の大湯。

すだれの向こうが大湯です。こんなオープンな造りなので、もちろん女性専用時間に入りました。

 

宿到着時の説明で、「猛烈に熱いけど、我慢して入ってください!ここに入らないと夏油に来た意味がありません!」と言われたので、私を含むお客はみな悲鳴を上げながら入りました。体、というより足の裏が耐えられない。でも「この辺の方がいくらかマシみたい」と、女性客同士で励ましながら入ったのも楽しかったです。

 1日ぐらいでは何に効いたかわからない、でも「とにかく入った!」という満足感でいっぱいです。

 

大湯の手前にある、疝気(せんき)の湯。湯温はいくらかマシだけど、玉川温泉のように肌に刺激があり、私は長く入っていられなかった。

 

やっぱり「渓流沿いの露天風呂」ってたまりませんね。それが効能豊かなら尚のこと。ただ露天風呂へ行く道も館内もわりと上り下りがあるので、元湯夏油は足腰が元気なうちに行くことをおすすめします。

 

 

4泊目の宿は、岩手県の山奥にある夏油温泉、その中でも一番有名な元湯夏油です。

 

青森から福島に連なる日本列島の背骨・奥羽山脈、そのほぼ中間に位置するのが、今回訪れた夏油温泉です。

江戸時代の温泉番付では「東の大関」になった名湯で、昔は「医者いらず」と呼ばれたそう。※ちなみに西の大関は、和歌山県の本宮の湯。

 ブナの原生林の奥深くにある秘湯ですが、元湯夏油は新幹線も止まる北上駅から送迎バスが出ているのがありがたい。車中では、運転手さんの現地ガイドのお話が楽しいです。

 

 宿は旅館部と自炊部があります。安さで後者を選びましたが・・・。

自炊部はいくつも棟があります。廃墟かと思った。

 

部屋自体は、こざっぱりして清潔なのでホッとしました。備品は冷蔵庫と座卓のみ、布団類も有料=素泊まりの税込み合計は5000円弱です。厨房は小さくて古い=私のように、北上駅そばのスーパーで買いこんでいった方が良いでしょう。

 自炊部全体の印象は「昭和30~40年代の山小屋は、きっとこんな風」。案の定?、私以外のお客は登山目的らしい男性ばかりでした。安い分、文句は言えません。Wi-Fiがつながったのはありがたい。

※旅館部もテレビは無いそうです。温泉成分で家電がダメになりやすいからかもしれません。

 

 さすが山奥だけあって、夜は寒いぐらいでした。玉川、水沢も東京より涼しかったけど、ここは段違いです。だからエアコンがないのも納得=冬は閉鎖、夏は涼しいから。

 

浴場は、宿の脇を流れる夏油川に沿って長い階段を降りて行った先に、源泉や効能の異なる7か所があります。露天が5、屋内が2。露天のほとんどは混浴です(女性専用時間あり)。

 

真湯(しんゆ)。川をはさんだ「目の湯」は先ごろの豪雨で壊れてしまい、復旧は来年になりそう。

 

他の湯は次回ご紹介します。