番外 現在は九州鉄道記念館に保存、寝台特急電車であった、クハネ581-8(→クハ715-1)紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 福岡県北九州市の門司港駅に隣接する所にあります九州鉄道記念館と言いますと、多くの鉄道車両が保存してあります事は、ご覧の皆様もご存知の方はいらっしゃるのではないかと思います。

 

 私自身も、これまでも開業後に数度足を運びましたが、九州に関わる様々な車両、さらにはたくさんの貴重な資料と言ったもの、そして体験するコーナーまでもあるなど、九州の鉄道関係にふさわしいものが見られますので、尚の事ふさわしい施設ではないかとも思ってならない所でもあります。

 

 このうち、その九州鉄道記念館に保存されております車両も、九州をはじめ、全国各地へと足を運んだ事もある列車も見られているのが保存車両ならではな所であると言えるのではないかとも思います。実際に、その九州鉄道記念館に保存されている車両の中には、本州→九州間を連日運んでいた車両もありますので、かつて活躍していた姿を偲ぶにふさわしい所ではないかとも思います。

 

 

 さて、今回ご紹介しますのは、そのうちの1両でもあります583系電車であります、クハネ581-8(→クハ715-1)でありますが、今回はこの車を中心に、583(581)系・715系各電車に関しましても皆様にご紹介してまいります。

 

 

 583(581)系電車と言いますと、昼座席・夜寝台と言うマルチな機能を見せていた電車でありまして、寝台電車としては現在「サンライズ瀬戸・出雲」で運行されております285系電車の元祖車両でもありまして、最後にはJR東日本に団体用として残っておりましたが、これらは保存用1両を除き全廃となっております。

 

 また、JR西日本にも平成24年まで急行「きたぐに」として大阪~新潟間で運行されてもいましたし、「シュプール」用として485系電車との併結も行った事もある実績さえもあったほどでしたが、残念ながら車籍は全車末梢、廃車となっております。

 

 

 さて、583(581)系電車ことクハ581-8は、昭和42年日本車両製でありまして、新製配置は南福岡電車区(当時)でありました。この電車のスタイルは、当時は485系電車がボンネット型しか存在していなかった頃でもありましたので、初めて貫通扉と言う形が取られるようになっておりまして、583系電車同士の併結や行き来も想定したような形となっておりまして、このような形は、この後485系電車に受け継がれる事にもなりました。

 

 

 新製配置後は、交直流型電車であった事もありまして、この年運行を開始しました新大阪~博多間の寝台特急「月光」、新大阪~小倉~大分間の特急「みどり(当時)と運行されておりまして、以降運行区間も拡大されまして、中には廃止されました、鹿児島線昼行の代表格でありました「有明」などにも運行されておりまして、北は青森、南は鹿児島と各地で583系電車の姿を昼夜見る事ができておりました。

 

 

 その後、新幹線博多開業の前年の昭和49年に向日町運転所(当時、現・吹田総合車両所京都支所)に転属しますが、新幹線開業後も本州~九州間の寝台列車としてを中心に引き続き運行されておりました。

 

 

 しかし、本州~九州間の運用が昭和59年に終了、そしてその前にも減便が生じておりましたため、多くの余剰車両が発生する事となりました。そこで旧国鉄は583系電車を近郊型車両として改造する事になりまして、昭和58年より改造が始まりました。そしてこのクハ581-8もクハ715-1と交流型の715系電車クハ715形のトップナンバーとして改造されておりました。

 

 

 クハ715-1に改造されますと、翌昭和59年より長崎・佐世保線に投入されまして、結果長崎線・佐世保線定期列車の完全電車化が達成する事となりました。したがって、画像のようにかつての姿も残しつつ、近郊型電車として新たな一歩を踏む事となったのでありました。
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 しかし、長崎・佐世保線内ではラッシュ時等この電車自体が1箇所増設しているとはいえ、ドア幅が狭い事、また近郊型改造されたとは言えども定員が少ない事から遅延も頻繁に発生しておりましたため、平成8年より順次813系に置き換えられまして、平成10年に残念ながら廃車、そして715系電車自体も全廃となってしまいました。

 

 

 それでも、このクハ715-1は画像のように解体を免れまして、小倉工場(現・小倉総合車両センター)内に留置されておりました。留置時は正直どうなるのかなとさえも思ったほどでありましたが、結果このように保存用として残った事はうれしかったほどでもあります。
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 さて、既に車内の模様はご紹介しておりますが、画像は座席・寝台部分を収めたものであります。やはり、昼は座席・夜は寝台と言う事で昼はボックスシート、夜は寝台と言う形ではありましたが、座席に関しましてもリクライニングシートではなかった事や、寝台も上にあと2段分が用意されておりましたので、正直狭いと言う印象さえもあったのではないかとも思う所であります。

 

 (座席時)

 

 (寝台時)

 

 

 それでも、昼行時よりも夜行時の印象も見られておりました。実際に、以下画像のブラインドがそれでありまして、これは715系電車時にも見られていたものでありました。私自身も、583系電車としての乗車はありませんでしたが、715系電車に関しましてはよくあっていただけに、見ていて懐かしささえも感じさせる所でもあります。
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 こちらの電灯に関しましては、保存時に再び取り付けられたのではないかとは思われますが、この電灯も夜行時には使用されていたものでもありましたので、まさに重宝するものではなかったかとは思います。やはり、夜行運行時には車内も暗くなっていた訳でしょうから、より灯りを欲しがる方にとっては必要なものであった事には間違いなかったでしょうか。
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 今回掲載画像は、以前九州鉄道記念館に訪問した際に収めていたものでありましたが、ちょうど学生時代は715系電車としてお世話になったものでした。やはり、先述のように583系電車を偲ぶような姿であったのが印象的でありましたし、保存車両自体もドアが2つの状態・近郊型改造のままで保存してあった所を見ますと、まさに715系電車の印象の方が濃かったのが印象的ではなかったかと思います。

 

 

 今回は、九州鉄道記念館に保存しておりますクハ715-1、前車番クハ581-8を中心に、両形式に関しましてご紹介しましたが、近郊型電車であっても寝台の姿を再現している所を思いますとかつての印象さえも感じさせられるのではないでしょうか。やはり、塗装は583系電車の塗装であれども、車体・車内は715系電車としての姿となっていた訳でもありますので、寝台・近郊型それぞれの姿が見られていたのもわかります。残念ながら、もう見られなくなった583系電車ですが、九州鉄道記念館ではこのように保存されておりますので、この画像から懐かしさを感じられました方は見えられてみてはいかがかとも思います。
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