番外 九州新幹線全線開通から10年の珍事、平成28年熊本地震後再開時見られた熊本駅0時台到着列車 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

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 今から8年前の平成28年4月14日と言いますと、熊本県を中心に発生しました「熊本地震」の前震が、そして翌々日の4月16日には「熊本地震」の本震があった日でもありまして、ご覧の皆様も記憶にある方がいらっしゃるのではないかと思います。
 
 この地震では、益城町を中心に、熊本市をはじめとした地域で大きな被害が見られておりまして、住宅の倒壊や屋根の崩落などが見られておりましたし、南阿蘇村の立野地区では阿蘇大橋が崩落などの被害が見られていたのが記憶に新しいのではないかと思います。
 
 鉄道関係でも、上の画像の熊本駅も窓ガラスが割られるなどの被害が見られておりましたし、その熊本駅からから熊本総合車両所へ回送しておりました800系新幹線電車U005編成が熊本駅から約1キロの地点で地震により脱線しておりました。
 
  その場所が以下画像の所でありまして、ここの高架部分で800系電車U005編成の回送列車が脱線した場所でありましたが、頑丈な新幹線電車が脱線する訳ですから、どれだけ地震のダメージが大きいかがわかるのではないでしょうか。
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 また、この地震では設備も被害を受けている所もあったなど影響が見られておりましたが、その後余震はありながらも車両の撤去が進みましたし、設備に関しましても応急的な処置が順調に進んだ事もありまして、4月27日に全線で運行再開驚異的な回復に至る事ができております。
 
 やはり、九州、さらに本州へ向けての大動脈でもありますので、それをここまで早く「処置」できたのもよかったのではないかとも思うところでしょうか。尚、地震被害を受けました800系新幹線電車U005編成はその後廃車となっております。

 

 
 さて、今回ご紹介しますのは、その運行再開しました平成28年4月27日の時刻表からの話題でありますが、その時刻表には暫定的な姿も見られておりました。今回はその時刻表を参考に皆様にご紹介してまいります。
 
 
 画像が、その4月27日の時刻であります。この時刻では、新幹線の営業運転時間帯であります23時59分を越えまして、タイトルにもありますように熊本駅の0時台到着列車として、0時16分に着く列車まで登場するなど、暫定的とはいえ、九州新幹線では設定された時刻の中では最も遅い営業運転時間外に着く列車でもありまして、非常に珍しい姿が見られておりました。

 

 【JR九州HP内時刻表より】
 (下り、博多~熊本・鹿児島方面)
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 (上り、鹿児島・熊本~博多方面)
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 この時刻表からもわかりますように、全線運行再開しましたこの日は、博多駅発14時36分発、鹿児島中央駅発14時40分発からでありまして、その前に試運転列車も寸断区間で走っておりました。それをパスした事から、今回の運行再開へと至った訳でもありますので、無事に再開まで至ってよかったのではないでしょうか。尚、運行車両は全てN700系新幹線電車による運行でありまして、一部区間開通時と同様、全車自由席、グリーン券は車内で発売する形でありました。

 

 

 この所要時間は、一部徐行区間もありますので、2時間22分~2時間25分と、通常の最速「みずほ」よりも約1時間少々、「つばめ」よりも約40分ほど遅くなっておりました。それでも2時間30分近くで鹿児島へと行く事ができるようにはなっておりましたので、陸路では乗換(新幹線~在来線(JR~肥薩おれんじ鉄道)~新幹線)を生じながらであった事を思いますと、だいぶ速くなっていた事が伺えるのではないかと思います。

 

 

 そして、先述のように鹿児島中央駅23時発の「つばめ330号」では、熊本駅着が0時16分着と、新幹線の営業時間帯外の到着となっておりました。この鹿児島中央駅23時発の列車は、通常でも「つばめ356号」として元々設定されていたものでありましたが、この場合は熊本駅を23時55分着でありましたので、特別措置・暫定的であったとしましても、当時の新幹線の中では最も遅く着く列車となっていたのは珍しい所ではなかったでしょうか。

 

 

 これによりまして、新水俣~鹿児島中央間に閉じ込められておりました画像のJR西日本の車両(N700系7000番台新幹線電車)も帰還する事ができておりました。これは「阪神大震災」の時もそうでしたが、その時もJR東海の車両が山陽区間に、JR西日本の車両が東海道区間に居座る事になっていましたので、この時のようにこの「閉じ込め」が解消される事になったのもよかった事を覚えております。

 

 (画像はイメージです)~S16編成
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 今回は、平成28年の「熊本地震」後に1日だけ見られておりました九州新幹線の0時台到着列車に関しましてご紹介しましたが、「熊本地震」では区間内各地におきまして大きな被害を受けてはいた訳ではありましたでしょうが、それをここまで早く全線運行再開までこぎつける事ができた事は、一本につながった分、JR九州の関係者、そして復旧工事に携わった方々の不眠不休による努力があったこそではないでしょうか。その後は、定期運行へと戻りまして現在に至っておりますが、7年前に発生しましたこの時の事は九州新幹線の歴史の中ではやはり忘れてはならない事ではないかと思ってなりません。