番外 昭和60年時刻表等からひも解きます、久大線を運行している優等列車、「ゆふ」系統過去の姿から | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 久留米~大分間を結びます久大線と言いますと、主に運行されておりますのは画像1・2にもありますように普通列車が運行されておりまして、そのほとんどが画像にもありますようにワンマン列車による運行でもあります。
 
 そんな久大線と言いますと、近年では大分県日田市の日田駅~光岡駅間が平成29年7月に発生しました「九州北部豪雨」によります橋梁流出によりまして運休を余儀なくされておりまして、代行バスも運行されておりましたが、画像2にもあります橋梁も復旧されておりまして、翌平成30年7月に全線で運行を再開に至っておりますし、令和2年には「令和2年7月豪雨」、令和3年には「令和3年8月豪雨」の影響で橋梁や路盤が寸断された区間もありましたが、いずれも後に再開しております。
 
 私自身、災害後に各地を訪問した事もありましたが、本当に災害後の姿は本当に悲惨なものであります。それほど自然の驚異には驚かされるものでありますが。しかし、その後の復旧工事によりまして全線で運行を再開するに至っておりますので、やはり関係者の努力には感銘する所ですし、かつ「つながった」事は嬉しい所ではありますが、その後も再三各地で被害が見られていますので、それほど災害と共存しないといけない事がわかる所ではありましょうか。
 
 
 また、この久大線では観光地に日田や由布院なども存在する事から以下のように特急列車が運行されておりまして・・・
 
 「ゆふ」 博多~久留米~由布院~大分・別府
 
 (キハ185系気動車)
 
 「ゆふいんの森」 博多~久留米~由布院・大分~別府
 
 (キハ71系気動車、平成29年撮影、日豊線迂回運行時)
 
 (キハ72系気動車)
 
が運行されております。ただ、「九州北部豪雨」の影響で寸断されていた頃には、「ゆふいんの森」に関しましては、鹿児島・日豊線経由で運行されていた事もありまして、約4時間で運行されておりましたし、「ゆふ」に関しましては日田~大分・別府間で運行されておりました。
 

 さて、ここからご紹介しますのは、この「ゆふいんの森」を含みます久大線優等列車も昭和時代より様々な列車による運行であるとともに、様々な系統による優等列車がこれまでも運行されてまいりました。今回は、私が所蔵しております昭和60年の時刻表などから、かつての姿をひも解きながら皆様にご紹介してまいります。
 

 その久大線優等列車の代表格でありますのが、先述の「ゆふいんの森」のつなぎ役としても運行されておりますキハ185系気動車で運行されております、博多~(久大線)~大分・別府間の特急「ゆふ」でありまして、この愛称が生まれました昭和36年当時は快速列車からのスタートでもありました。
 
 
 「ゆふ」の前身であります、その快速由布の運行区間が当時以下の区間で運行されておりました。その後昭和41年には同区間の急行列車として昇格する事となりまして、通しの利用に関しましてはわかりませんが、まさに大きく回るような快速・急行列車であった事が伺えておりました。それにしても、由布院~門司港間となりますと、平成29年に迂回運行を行っておりました「ゆふいんの森」を思う所でもありましょうか。

 (久大線経由)
 博多~久留米~日田~由布院~大分~別府~中津~行橋~小倉~門司港
 
 その後昭和43年には、現在の運行ルートであります博多~久留米~日田~由布院~大分~別府間となりまして、画像のキハ58系気動車系列の車両が久大線を運行するようになりました(画像のキハ65+58はイメージです(平成24年撮影)。尚、実際に後のキハ58 569が旧竹下気動車区(現・筑豊篠栗博多運用)所属時に急行「由布」として運行していたようです)。
 
 
 また、昭和57年までは別府・大分~鳥栖~長崎・佐世保間を「西九州」の愛称で急行列車も久大線では運行されておりました。しかし、この系統は廃止されまして、大分~鳥栖間は急行「由布」に吸収される事になりました(鳥栖~長崎・佐世保間は特急「かもめ」・「みどり」に変わります)。
 

 ここで、私が所蔵しております、以下画像の昭和60年当時の時刻表を見てみましてわかるのではないかと思いますが、本数は3往復で運行されておりました急行「由布」の停車地は・・・

 博多~二日市~鳥栖~久留米~田主丸(一部)~筑後吉井~筑後千足(現・うきは(一部))~日田~天ヶ瀬~豊後森~由布院~湯平~大分~別府

と停車地がこの頃は少ない事がわかるのではないかと思います。中でも、うきは駅の旧名称であります筑後千足駅で表示されているのが当時を偲ぶ所ではないでしょうか。
 
 尚、前年昭和59年まではグリーン車も連結されておりまして、指定席ではなく自由席として運行されておりまして、この運行は九州内で運行されておりました急行列車で共通する事項として見られておりました。
 
 その後、この急行「由布」は平成4年には特急に昇格しまして、この年上の画像にもありますようにJR四国から購入しましたキハ185系気動車運行によります現愛称でもあります「ゆふ」に愛称を変更しまして、現在に至っております。ちなみに、現在の特急停車地は先述の停車地のほかにも、久留米大学前駅(一部)も停車地に加わっておりますし、豊後中村・小野屋両駅にも停車する列車も存在しております。
 

 また、このルートは、福岡~小倉~中津~大分方面で運行されております「ソニック」などの場合がビジネスマンが多く利用するルートなのに対しまして、「ゆふ」系統の場合は、先述のように、由布院・天ヶ瀬・日田などと言った観光地が多い事もありまして、観光ルートとしてのイメージが高いのが特徴でもあります。
 
 
 そのため、「ゆふ」が特急昇格します2年前の平成2年にはキハ71系気動車によります「ゆふいんの森」が誕生、「ゆふ」とほぼ同じ区間で運行されておりますし、
 
 (キハ71系気動車「ゆふいんの森」)~平成27年撮影
 
 「ゆふ」が特急昇格しました平成4年には、現在は豊肥線で(現在別府・大分~阿蘇間で運行されております)「あそぼーい!」として運行されておりますキハ183系気動車も「ゆふいんの森(2世)」として、博多~(久大線)~大分~小倉間で運行されていた事がありましたし(平成7年より博多~別府間)、平成11年には先述のキハ183系気動車に代わります、画像のキハ72系気動車によります「ゆふいんの森(3世)」が運行を開始しまして、こちらは博多~由布院間で運行と言う事になっております。
 
 (キハ183系気動車「ゆふいんの森(2世)」)~平成12年撮影
 
 さらには、キハ183系気動車が4度目の変身を遂げまして「ゆふDX」として、平成16年から平成23年まで運行されておりました。やはり1・4号車の展望席が人気を得ていたようでありますが、この列車は普段「ゆふ」と交互に運行されておりましたし、この「ゆふDX」としての間には古代漆色から黄色に塗装変更も経験するほどでした。尚、その後はご存知の通り、「あそぼーい!」に至る事になります。
 
 (キハ183系気動車「ゆふDX」)~平成19年古代漆色時代撮影、画像が乱れております、申しわけありません。
 
 (キハ183系気動車「ゆふDX」)~黄色時代、画像は高架化前の大分駅で撮影
 
 (同、由布岳とマッチした姿)~平成21年撮影

 

 今回は「ゆふ」系統に関しまして、過去の画像からご紹介しましたが、久大線経由の博多~大分間は、日豊線経由の「ソニック」・「にちりん」や、高速道路とはいえ、同じ区間を通過します高速路線バス「とよのくに号」に比べますと、約1時間近くも所要時間が違います。やはり「ソニック」・「にちりん」の存在がある事から、博多~大分・別府間の通し乗車は恐らくは少ないのではないかと思いますし、長くて由布院駅までと言う方がほとんどなのかもしれません。それでも、最近はインバウンド需要も復活している今、久大線におきましてそう言った列車が運行されておりますので、とにかくこれからも様々な目的での利用を望みたいと思います。
 
 (注)昔の時刻が見にくい方は、画像をクリックしてご覧ください。