当ブログでは、これまでもご紹介しておりましたが、西鉄グループには西日本車体(西工)架装58MCB-I型中型ロング車(「中ロン車」)が福岡・北九州地区におきまして導入されておりまして、以来それぞれの地区各地において運行されておりました。
このタイプは、日産ディーゼルスペースランナーJPとして発売されておりまして、したがってこれら車の形式はU-JP211NTNと言う形式となっておりまして、スロープ付きのワンステップバスとなっておりました。
このタイプの導入は、平成6年・7年の2年にわたりまして導入されておりまして、平成6年に29台、平成7年に50台の計79台の導入が行われておりまして、福岡地区(西鉄バス)・北九州地区(西鉄バス北九州)におきまして運行されておりました。
しかし、経年によりまして徐々に台数も減ってまいりまして、平成29年の時点では後述の1台が孤軍奮闘で運行されておりましたが、その1台も廃車となった事で、結果このタイプは全廃へと至っております。
さて、今回ご紹介しますのは、過去に撮影しました西工58MC「中ロン車」の画像、そして最後の1台に関しまして皆様にご紹介してまいります。
まずご紹介しますのは、過去に収めました「中ロン車」の姿であります。まず画像は旧早見営業所(西鉄バス二日市宇美支社運行委託、現・宇美営業所)に所属しておりました車(5034・5035)でLED改造車でありますが、この営業所所属の車はその下の画像にあります車(5002)のように、最後まで幕式行先の車も福岡都市圏におきまして見られておりました。
(5034)
(5035)
(最後まで幕式として残った、5002)
一方、こちらの画像では平成26年に撮影しておりました、西鉄バス北九州旧浅野営業所での姿であります。
当時、福岡・北九州各地から30台もの車が旧浅野営業所に集められておりまして、大変圧巻な姿が見られておりました。これら車は、新日鉄住金八幡製鐵所(当時、現・日本製鉄九州製鉄所)の職員輸送用として使用されておりましたが、その後これら車は全てが廃車となっております。それにしても、この姿の中に一際目立った車もありましたが、両端の黒バンパーでもあります5043の姿も見られていた事もわかります。
(以下画像中央が5043)
尚、この旧浅野営業所は向かいに完成しました、サッカーJリーグ「ギラヴァンツ北九州」の本拠地でもあります「ミクニワールドスタジアム北九州」の広場、また西日本総合展示場の駐車場にも活用されておりまして、旧浅野営業所の面影はほとんど見られなくなっております。
こちらは、平成27年に撮影しておりました、西鉄バス北九州戸畑営業所付近を走行します弥生が丘営業所所属でありました5048でありまして、58MC「中ロン車」の最終導入グループの1台でもありました。北九州地区におきましても、翌平成28年頃までは「中ロン車」の姿を見る事ができておりましたが、福岡地区とは1年早く全廃へと至ってしまっております。
ここまで、過去に収めておりました「中ロン車」の姿をご紹介しましたが、ここからは最後まで残っておりました車であります、現在は移転に伴い竹下営業所となっておりまして、西鉄天神大牟田線桜並木駅の敷地内に存在しておりました雑餉隈営業所所属でありました以下画像の5021に関しましてご紹介してまいります。
この5021は、平成7年式で廃車となる時点では22年にもなる車でありました。この車の新製配置は旧千代営業所、その後千代営業所の廃止に伴いまして旧雑餉隈営業所に転属しまして、主に46番系統
雑餉隈営業所(現・桜並木駅)・井尻六ツ角~竹下~博多駅前~キャナルシティ博多前(国体道路)~天神~博多ふ頭
を中心に使用されておりました。
上の画像及び以下画像は、平成28年8月渡辺通4丁目交差点で撮影したものでありましたが、これから国体道路から渡辺通りに入る所でありました。この時は、46番系統から変わりました90番系統での姿でありまして、上の表にもありますように井尻方面からやってまいりまして、90番系統に変わりまして博多ふ頭(ベイサイドプレイス)を目指している所でもありました。
それにしても、この姿を見ましても中型シャーシでもありますが、ロングの車体となっている所を見ましても定員を確保するためを思いますとふさわしい姿ではなかったでしょうか。まさに西工ならではな所が見られていると言ってもいいかとも思います。
こちらの画像は、平成28年の9月に博多駅前で撮影していたものでありましたが、20年以上経過していながらも、朝から晩まで運行される姿が見られておりました。この時も46番系統として天神経由で博多ふ頭へと向かっていた所でもありましたが、私自身この時まさかこの車のお出ましには正直驚いたほどでもあった事を覚えております。尚、博多ふ頭行きですので、先述のように途中で系統番号が変わりまして運行されておりました。
それにしても、このスタイルを見ましても、西工架装車ならではな姿かと言ってもいいかとも思います。何と言いましても、中型のシャーシにロングボディと言う形が良かったのではないかと思いますが、本当に20年以上走ってきた印象さえも感じさせる所ではあります。
こちらは、平成29年2月に福岡市天神で撮影しておりました5021であります。この画像が私自身にとりましてもまさに最後の5021の雄姿を収めた姿ではありましたが、まだまだ健在な姿が福岡市の中心部でも見られていた事がわかります。その3か月後、この5021は定期運用を離脱しましたが、しばらく大野城市の教習所(現・研修センター)で教習用として使用されておりましたが、その間に登録を抹消、そして廃車へと至っております。
今回は、西鉄バスグループの西工58MCB-I架装車の「中ロン車」の過去の姿に関しましてご紹介しましたが、この車に関しまして79台も導入されていた訳ではありましたが、既に過去の姿となっている事は残念でならない所でもあります。このような中型ロングタイプも、西鉄グループではその後の96MCでも少数ではありますが導入されるに至っておりますが、西鉄バスグループにおきましても58MC自体が全廃した現在でもありますので、このタイプの全廃もわからなくはないでしょうか。とにかく、過去帳になりましたこのタイプではありますが、この車の存在からも忘れてはならない所ではないかと思います。