番外 現在と大きく違いますし廃止の噂もあった路線でした、国鉄時代昭和60年当時の香椎線時刻表より | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 当ブログでもこれまでもご紹介しておりますように、西戸崎~香椎~宇美間を結びます路線を「香椎線」と称されておりまして、現在は非電化区間ながら上の画像の「DENCHA」こと819系蓄電池電車が運行されております。
 
 また平成31年3月まではキハ40系気動車、それ以前にはキハ200系気動車による運行でもありましたこの路線でもありまして、福岡都市圏唯一の非電化区間も様々な車両が運行されている(いた)事がわかります。
 
 そんなこの香椎線沿線におきましては福岡都市圏でもある事から宅地化も進んでおりまして、列車の本数も1時間に2・3本の路線になるまで成長しておりまして、加えまして「DENCHA」化によりましてより利用しやすくなってきている事も伺えるのではないでしょうか。
 
 また、この路線では令和2年暮れより自動運転の実証実験を香椎~西戸崎間で実施しておりまして、令和4年には自動運転区間を全線に拡大、そして今年3月改正からは自動運転乗務員による乗務が全173本中31本で行われておりまして、より新たな流れをこの路線におきまして見せております。
 

 (スタートシーン)~ボタンを押しています

 
 
 しかし、この香椎線自体は一時は廃止の危機まであっていたほどの赤字路線でありました。元々この路線自体は、志免炭鉱など糟屋炭田から産出される石炭を西戸崎港に輸送するために博多湾鉄道(→博多湾鉄道汽船)により建設された鉄道路線でありましたので、炭鉱閉山後は利用者も大幅に減少に転じておりました。
 
 
 けれども、昭和50年代より海の中道の観光地化が進みまして、広大な「海の中道海浜公園」ができましたり、後にはリゾートホテルもできるなどの変化が生じるようになりまして、本数も増発に転じております。
 

 それに伴いまして、以下画像にあります海ノ中道駅の移転や、その下の画像の旧海ノ中道駅跡に設けられました中道信号場の新設、篠栗線との乗り換え駅であります長者原駅の新設や、香椎~宇美間も含みます沿線の宅地化など、福岡都市圏の非電化区間でありながらも、画像のように1時間に2・3本の路線になるまでに成長している路線でもあります。
 
 (海ノ中道駅)
 
 (中道信号場)
 
 (香椎線時刻表)~宇美駅の時刻表を掲載しております
 
 尚、平成30年3月の改正で、運行本数は日中の便を数便減便しております。しかし、それでも上の画像のように夜間以外は1時間に2本はキープした形となっております。また、朝以外はそれぞれ香椎駅止まりとなっておりまして、宇美駅もしくは西戸崎駅までの直通列車に関しましては朝のみとなっておりますので、それ以外の時間帯は必ず香椎駅で乗り換えるようになっております。
 

 ここまで現状をご紹介しましたが、かつては以下画像のように本数も少なく、その後上の画像のように本数が多くなる事は誰にでも予想できなかったのかもしれません。ここからは昔の時刻表を参考にしながら、皆様にご紹介してまいります。
 

 実際に以下画像は、私が所蔵しております、昭和60年の香椎線の時刻表であります。これによりますと、香椎~西戸崎間はわずか12本、加えまして香椎~宇美間もわずか10本しかなく、今からしますと正直ありえないような姿でもあるのがわかります。
 
 それでも、当時の国鉄も博多駅までの直通を運行しておりましたり、海の中道方面は臨時列車も数往復ですが運行しておりましたりと、今後の増発が予感されるような姿は見せておりましたので、香椎線の需要もそんなに少なくはなかった印象は感じられていたようであります。
 

 ちなみに当時の使用列車も、キハ40系気動車に加えまして、画像のキハ58系気動車(先頭はキハ65形気動車、JR化後の画像)も使用されておりまして、その後キハ31形気動車や、ロングシートのキハ200系500・1500番台気動車などの新性能車も運行されるに至っておりましたので、香椎線自体も様々な変化が見られていたようでもあります。尚、819系蓄電池電車に変わる前は、ご紹介しておりますようにキハ40系気動車のみの運行でありました。
 

 今回は、現在も非電化路線ながら蓄電池電車が運行されるようになっております香椎線に関しまして、昭和60年時刻表を参考にご紹介しましたが、香椎線も先述のように元々は粕屋炭田の石炭の積み出し線として開業した路線であったなど、110年を超える歴史ある路線でもあります。この路線自体も、閉山後廃止の危機を迎えながらも現在は観光地化や宅地化などで大きな変化を遂げているなど明るい話題も見られております。とにかく、車両もご紹介しておりますように気動車から蓄電池電車に変わっておりますし、自動運転による運行も行っておりますが、引き続き沿線の足として運行していただく事を願いたいものであります。