この「レインボー壱岐号」とは、平成2年に昭和自動車(昭和バス)・長崎県営バスとの共同運行で呼子・唐津~長崎間で運行を開始しまして、名称にあります「壱岐」からもわかりますように、上の画像にあります、現在の佐賀県唐津市呼子港から長崎県壱岐市の印通寺港間で運行されております九州郵船のフェリーが接続しておりまして、長崎から壱岐への最短・最安ルートとして運行されておりました。
当初は、トイレ付き3列シート車が導入されておりまして、しかも電話・サービスコーナー・テレビ・ビデオまで装備されていたなど、今となれば考えられないような装備となっておりました。尚、その後長崎県営バス便はトイレ付き4列シート車に変更されて運行されておりまして、使用車両は福岡~雲仙線「雲仙号」に使用されていた車(日野セレガR)が転用されておりました。
しかし、平成18年に長崎県営バスが撤退しまして、昭和バス単独となりまして、その後以下の画像にもありますようにトイレなし4列シート車が運行されるようになりましたし、翌平成19年には九州郵船フェリーが呼子港から唐津港へ発着地が変更されるようにもなりますが、利用者減に伴いまして平成20年になりまして大型車両から後述のショートタイプの中型車両に変更されるようになりますが、結局利用者減で平成24年3月末で廃止となっております。
(大型車両、詳細は後述)
尚、現在フェリー発着所があった地は、現在は画像のように「呼子台場みなとプラザ」として、観光客が集まる場として姿を変えております。本当に面影が見られなくなった事は残念ではありますが、発着場所が変わっている事を思いますと仕方ない所でもありましょうか。
(「Googleストリートビュー」より、現在はイカ料理店です)
さて、「レインボー壱岐号」廃止の時点では画像のように中型の専用車が2台存在しておりまして、唐津~長崎間を運行されておりました。この2台は、廃止後は明暗な流れを歩んでおりまして、貸切に転用された車あれば、そのまま廃車された車も見られておりました。今回はそれら2台に関しまして皆様にご紹介してまいります。
まず、三菱エアロバスの場合でありますが、廃止後には以下画像のように貸切塗装に変更されまして、さらに路線バスに関しました機器類も撤去されております。そのために行灯も「昭 和」に固定されておりますし、側面の行先表示機も撤去されているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。それでも、一番の極め付けとなる所が折戸であった訳でもありましたが、その名残があるだけでもわかりやすい所ではないかとも思います。
尚、現在は中型車両が運行しますタクシー事業部に所属しまして、各地で一般貸切、また九州電力玄海発電所の特定貸切としても使用されている姿が見られております。
(和多田整備工場にて)
尚、稀にタクシー事業部が運行します、「唐津市乗合タクシー」の大良(だいら)線に運行する場合もありまして、元高速路線バスとして使用されていた車がコミュニティバスとしても運行する姿も見られております。恐らく利用する方々も高速としても使用されていた車である事を信じる方も少ないようですが、これで存じてもらえればと思う所ではあります。
一方、日野セレガの場合は、廃止後塗装はそのままの状態で佐賀県唐津市内の整備工場にて留置されておりました。やはり、ショートタイプゆえ福岡~唐津線「からつ号」と言った高需要の路線にも使用する事はできませんでしたし、年式も平成4年式と言う事もありまして20年経過していたと言う事で、より用途は考えにくかったようでもあります。尚、結局はこのまま廃車へと進んでおりまして、その姿を見る事はできなくなっております・・・。
尚、画像3・4にあります大型の元専用車に関しましては、西九州自動車道路線にて運行されておりまして、20年以上経過しながらも活躍しておりましたが、令和元年までに廃車となっております。
実際に画像3にもありました佐賀200か・397(日野U-RU2FTAB)が平成29年に廃車となっておりますし・・・、
(平成28年撮影)
画像4にあります佐賀200か・371(三菱U-MS826P)は廃止後伊万里支所に転属しまして、そして平成28年に前原営業所に再転属しまして福岡200か35-43を名乗っておりましたが、平成29年に唐津営業所に再転属しまして、佐賀200か10-06を名乗りまして、当時最古参となりましても運行されておりましたが、令和元年に残念ながら廃車となっております。
(佐賀200か10-06、改番後撮影)