番外 これら路線は現在はコミュニテイバスの路線です、昭和バスがかつて運行していた移管3路線紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)



 昭和自動車(昭和バス)の唐津~前原~福岡間路線と言いますと、上の画像にもありますように、現在は唐津~福岡間を「からつ号(画像1、佐賀200か11-26、いすゞ2TG-RU1ASDJ)が、(志摩・)前原~福岡間を「いと・しま号(画像2、福岡200か38-35、いすゞQTG-RU1ASCJ)がそれぞれ運行されておりまして、いずれも西九州自動車道(福岡前原道路)・福岡都市高速を通る路線として運行されております。
 
 この区間の競合路線と言いますと、後述のようにJR筑肥線が存在している訳でありますが、それぞれ唐津市内・糸島市内から福岡市内までノンストップで運行されている事もありまして、途中駅間利用されない方を中心に利用者が見られておりますし、運賃もJRより安い事や、所要時間(唐津・前原~福岡間)も区間によりましてはJRより早い場合もありまして多くの方々が利用されております。
 
 そんな現在は、西九州自動車道経由路線が好調な昭和バスでありますが、かつて平成初頭まではいわゆる下道にあたります国道202号線を経由しました特急・急行バスが運行されておりました。しかし、今は一部区間はコミュニティバス運行路線になっているなど変化が見られております。
 
 
 さて、今回はかつての時刻表を参考にしながら、コミュニテイバスなどに移管されております3路線に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
 
 
 昭和バスの国道202号線を経由します路線は、福岡~前原~唐津間以外でも、中には呼子・伊万里・佐世保・平戸などへ直通で運行されていた路線も存在していたなど、大変賑やかな路線でもありました。
 
 
 しかし、昭和58年に旧国鉄筑肥線の西唐津・唐津~姪浜間が電化した事に伴いまして、姪浜~地下鉄博多間の福岡市交通局(福岡市営地下鉄)が筑肥線と直通運転を行う事になりまして、結果昭和バスの唐津~前原~福岡幹線にとりましては大打撃を与える事になりました。
 
 
 さらに平成3年頃には、JR筑肥線の使用車両に3両分割編成の車両も登場した事もありまして唐津~筑前前原間も増発、その結果昭和バスの唐津~前原~福岡幹線はさらに不利となりまして、結局平成5年に唐津~福岡間の国道202号線を通る直通路線は廃止されまして、この年運行を開始しました「からつ号」に移る事になってしまいました。
 
 (唐津~前原~福岡間特急・急行バス時刻)~平成3年時刻表より(一部修正あり)
 
 
 それでも、前原~福岡間は急行・普通の路線バスが残されておりまして(以下の時刻参照)、以下画像の車(佐賀200か・257(←福岡22か41-43)、三菱P-MS715N~現在廃車)も使用されておりましたし、中には西鉄バス(博多駅~今宿バイパス~周船寺~農村センター間)とともに運行されておりました六本松経由も運行されておりましたが、その後急行バスは廃止、さらに平成18年の昭和バスの福岡地区路線バス再編に伴い、その年までに運行されておりました一般路線バスも全て廃止されてしまいました。
 
 (前原~(六本松・天神)~福岡時刻)~一部修正あり
 

 その結果、現在まで冒頭にご紹介しました唐津~福岡間は「からつ号」、志摩・前原~福岡間は「いと・しま号」と福岡都心まで運行されている路線は全て西九州自動車道(福岡前原道路)経由に移管されまして、国道202号線をもっぱら通る路線は以下の形で現在運行されておりまして・・・

 前原~周船寺~九大学研都市駅 昭和自動車タクシー事業部(←福岡昭和タクシー)運行
 交流プラザ志摩館~前原~一貴山・松末~筑前深江駅 昭和自動車タクシー事業部(←福岡昭和タクシー)運行
 今宿野外活動センター~今宿駅前~生の松原~姪浜駅北口 姪浜タクシー運行
 
と、かつての唐津~福岡幹線のうち、上の表にもありますように、途中で途切れてはいますが(九大学研都市駅~今宿駅前間は昭和バスの路線は存在します)、福岡県側の筑前深江駅~姪浜駅間では3路線にまたがって運行されている事がお分かりいただけるのではないでしょうか。しかも、使用車両はいずれもマイクロバスでありますので、かつての大型車から比べますと小型化している事がこれからご紹介する事でわかるのではないかとも思います。
 
 
 それでは、ここからは昭和自動車タクシー事業部・姪浜タクシーの2社にまたがった形で運行されております3路線を皆様にご紹介してまいります。
 
 
 まずは姪浜タクシー運行の今宿~姪浜駅線であります。この路線は、現在今宿駅~姪浜駅北口間を平日9往復・土日祝日8往復、今宿野外活動センター~今宿駅間を平日11往復・土日祝日8往復で運行されておりまして、愛称は「なぎさ号」と言う愛称が付けられております。尚、この区間の今宿野外活動センター~今宿駅間もかつては昭和バスの路線でありまして、同じく平成18年の再編時に今宿駅~姪浜駅北口間とともに姪浜タクシーに移管されております。
 
 (路線図)
 
 
 この路線に使用されておりますのは、主に日野リエッセ・日野ポンチョと言った車が使用されておりますが、かつては画像のトヨタハイエースも使用されておりました(平成18年撮影、画像の車はすでに廃車されております)。
 

 現在の使用車両日野ポンチョ(福岡230あ・793、SDG-HX9JLBE)です。この車は元は大阪市交通局(大阪市営バス、現・大阪シティバス)に所有していた車(前局番42-1691)でもありましたが、平成27年暮れに姪浜タクシーに移籍導入しまして、この路線の主力車両として運行されております。

 
 
 次は、昭和自動車タクシー事業部(昭和タクシー)運行の前原~加布里駅~松末~筑前深江駅間を運行します路線(38番・38A番)であります。
 
 昭和タクシーが運行します路線は、糸島市コミュニティバスとして、いずれもはまぼう号と呼ばれる愛称が付けられておりまして、この路線及び後述の初深江線をはじめ、複数の路線が運行されておりまして、4月改正より系統番号も付番されております。
 
 尚、「糸島市コミュニティバス」はこれまで子会社の福岡昭和タクシーが運行されておりましたが、福岡昭和タクシーは糸島市から撤退しておりまして、それに伴いまして「糸島市コミュニティバス」は昭和自動車タクシー事業部(福岡西部事業所)に移管されるに至っております。したがって、一度廃止された路線(前原~深江間など)は再び昭和自動車の路線として復活しております。
 
 
 この路線は、加布里~松末~筑前深江駅前間が一足先の平成16年に廃止されていたものでありましたが、その結果旧二丈町では路線バスは運行されておりませんでした。
 
 しかし、平成22年の前原市・志摩町・二丈町と合併しての糸島市誕生時にコミュニティバスを運行する事で復活、こちらも昭和バスの路線としては廃止されておりました加布里駅~波呂~筑前深江駅間とともに・・・
 
 交流プラザ志摩館(旧志摩庁舎)~前原~加布里駅~一貴山~松末~筑前深江駅~波呂一貴山~加布里駅~前原~交流プラザ志摩館
 
で構成します「初深江線(旧庁舎線)」の一部として松末・波呂経由6本で循環運行と言う形で運行されておりまして、運賃は定額の200円であります。
 
 画像は筑前深江駅前バス停であります。このバス停も再び設けられるに至っておりますが、バス路線として復活してくれた事は嬉しい事ではないかとも思います。
 
 (筑前深江駅前バス停)
 
 
 そして、同じく昭和自動車タクシー事業部運行の前原~北原線(30番)であります。
 
 この路線は、平成18年に移管されたものでありましたが、運行当初はJR今宿駅の手前にありました今宿農協前バス停まで運行されておりましたが、後に今宿駅前まで乗り入れておりました。しかし、令和2年10月改正で九大学研都市駅前発着に短縮されておりまして、名称も前原~今宿線から前原~北原線に、そして九大学研都市駅前バス停の1番ホームが乗場として設定されております。
 
 そんなこの路線は、現在も平日前原発12本・九大学研都市発13本、そして土日祝日は前原発6本・九大学研都市発7本が運行されております。そんな福岡市にまたがりますこの前原~北原線も、糸島市コミュニティバスの中に入りまして運行されておりまして、運賃は「はまぼう号」の路線ともに200円均一となっております。
 
 
 昭和自動車タクシー事業部のこれら2路線の使用車両は以下の通りでありまして、画像にもありますトヨタコースター・日野ポンチョ、さらに画像はありませんが、日野リエッセと言ったタイプの車も使用されております。
 
 (トヨタコースター、福岡200あ・283)~初深江線運行時
 
 (同、福岡200あ・284)~市街地循環線運行時
 
 (同、福岡200あ・319)~前原~北原線運行時
 
 (日野ポンチョ、福岡200か31-10、SKG-HX9JLBE)
 
 
 また、これまでは画像のような車も使用されておりまして、画像の三菱ローザやトヨタハイエースと言った車が使用されておりました。しかし、糸島市コミュニティバス自体が減便や使用車両変更、さらにオンデマンドバスチョイソコよかまちみらい号の運行開始もありましてこれまでの専用車両が減車も見られておりまして、画像のようなタイプも姿を消しております。
 
 (三菱ローザ、福岡200あ・・34、KK-BE63EG)~平成24年撮影
 
 (三菱ローザ、福岡200か・171、PDG-BE63DG)~平成30年撮影
 
 (トヨタハイエース、福岡200あ・144)~平成24年撮影
 
 
 所で、今回ご紹介しておりますように、筑前深江駅~佐賀県唐津市浜玉町間(直近、浜玉四ツ角バス停)では現在バスは運行されておりません。以前ローカル路線バスの旅では福岡から平戸への経路としてこの区間も選択肢に挙げられていたようですが、この間が運行されておらず、約15キロもの距離を歩かないといけないため他の経路に移行したと言う経緯もあります。冒頭にもありましたように、かつては多くの本数が見られていた区間でもありましたが、そう言った路線バスが見られなくなった事も残念かなと言う所でもあります。
 

 今回は、昭和バスがかつて運行していた移管3路線に関しましてご紹介しましたが、かつてのトップドア車や貸切落としのハイデッカー車、さらにはモノコックの路線車などが運行されておりましたこの路線も、今やご紹介しましたコミュニティ路線によりますマイクロバスが運行されている路線となってしまっている事に関しましては正直寂しい所でもあります。けれども、これら区間も均一運賃となっている所もありますので、利用者には優しい所も伺えているようですし、住民の足をこういった形にて確保されておりますので、かつての印象は見えなくなりましても、これからも利用者のために運行していただきたい所であります。