番外 廃止から16年、過去に佐世保~北九州を結んだ高速バス、西鉄バス・西肥バス運行「九十九島号」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 現在、北九州と長崎県間を結ぶ高速路線バスと言いますと、上の画像の長崎県営バスが単独で運行します、北九州~長崎線「出島号」が最も知られております。

 

 この「出島号」は、当初は西鉄バスも運行されておりましたが、平成22年に運行から撤退しておりまして、以来長崎県営バス単独による運行に改まっております。

 

 そのため、先日番外でもご紹介しましたように、運行本数は西鉄バス共同運行時は最高9往復で運行されておりましたが、高速道路休日上限1000円化による減少で平成21年10月には運行本数が6往復に減便、平成22年4月の西鉄バスの撤退によりまして、運行本数も5往復にさらに減便されて運行されて運行されておりました。

 

 そして、令和2年の「新型コロナウイルス」もありまして運休便も発生しておりましたが、運行再開後現在は本数は3往復に減便しておりまして、ピーク時の本数からとしますと3分の1の本数にまで減便しております。

 

 現在は、3列シート車ではなく、上の画像のように4列シート車による運行でありまして(画像1、S351 画像2、S352、ともにいすゞQPG-RU1ESBJ)、そう言った事から以前から活躍しておりました3列シート車はそのほとんどが廃車となっておりまして、使用されておりましたE05*の3台、0S5*の2台はいずれも姿を消しております。

 

 

 所で、この北九州発着便では他にも佐世保への系統も以前運行されておりまして、愛称は「九十九島号」と呼ばれます高速バスが存在しておりまして、西鉄バスと西肥自動車(西肥バス)との共同運行で存在しておりました。今回は、その「九十九島号」に関しまして、乗車記も交えまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 この「九十九島号」とは・・・

 

 小倉(砂津バスセンター)~小倉駅前~三萩野~黒崎(引野口)~高速千代ニュータウン~直方パーキングエリア~若宮インター~宇美~高速基山~高速神埼~波佐見有田インター~卸本町入口~佐世保駅前

 

の順で3往復で運行されておりまして、小倉~高速神埼間は同区間を運行します北九州~長崎線「出島号」と並行する形でも運行されておりましたし、平成29年に閉館しました「スペースワールド」のフリーパスとのセット券も発売されていたほどでもありました。

 

 (時刻表)~右はこちらもすでに廃止の「ぎんなん号」

 

 

 廃止末期時の使用車両です。いずれも西日本車体(西工)S型架装車による運行でありましたが、西肥バスに関しましては西工C-I架装車や純正の三菱エアロバスもこの路線に使用されていた事もありました。

 

 (西鉄バス、3209・三菱KC-MS829P)
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 (西肥自動車、H183・日野U-RU2FTAB)
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 利用状況は、当初は多くの利用者が合っていたほどでしたが、徐々に利用者が低迷して行きまして、その結果平成20年5月18日の運行をもって廃止となっておりまして、これによりまして佐世保から北九州への路線は姿を消すに至っておりました。

 

 

 ここからは、今からちょうど16年前になります平成20年の廃止末期時、私はこの「九十九島号」の最後の乗車をする事ができておりましたので、乗車記を皆様にご紹介してまいります。

 

 

 この時私が乗車しましたのは、画像の小倉駅前からの便に乗車しておりました。しかし小倉駅の時点で、佐世保行きにあまり乗車待ちしてる人はおらず、ほとんどは福岡方面のバス待ちの方々でありました。
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 「九十九島号」の乗車券であります。乗車しました5月のゴールデンウィーク時には小倉駅前から佐世保駅前バスセンターまで利用しておりましたが、こういった乗車券の姿もあとわずかとなっておりました(画像は期日・時間の所など一部編集を行っております)。
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 そして、「九十九島号」に乗車しますが、この時乗車便は後述の画像にあります西鉄バスの車両(3209)に乗車しまして、終点佐世保駅前バスセンターを目指す事になりました。

 

 

 さて、肝心の乗客でありますが、やはり数名しか乗車の方がいらっしゃらず、ちょうど5月のゴールデンウィークと言う事で有田陶器市が行われている時にもかかわらず、寂しい乗車人数となっておりました。尚、座席のシートは偏心3列シートでもありますので、非常にゆったりとしたシートとなっておりました。
イメージ 3イメージ 4

 

 

 それから先も、平和通・三萩野と乗車する方がいらっしゃらず、結局黒崎引野口・高速千代ニュータウン・直方PA・若宮ICで数人ずつの乗車がある程度でありました。ちなみに、それからは乗車される方はいらっしゃらず、私が数えた限りでは10数名と、意外に少なかったのが印象的でありました。


 

 そして、九州自動車道を快走しまして、鳥栖ジャンクションから長崎自動車道へ入ってまいりましたが、鳥栖ジャンクションを通過直後に運転士から・・・

 

 「長崎方面では休憩します山浦パーキングエリアにまもなく着きますが、トイレ休憩はどうなさいますか?」

 

 と言う放送が流れました。ちょうど年配の方がいらっしゃった事もありまして、その方々がトイレ休憩していいですよとおっしゃっておりましたので、その結果山浦パーキングエリアにて5分間休憩となりました。正直、休憩はありえないだろうと思っておりましたので、珍しい事に直面したと言ってもいいかとも思います。
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 それから休憩が終わりますと、バスはさらに快走しまして、武雄ジャンクションにて長崎自動車道から西九州自動車道へと入ってまいります。

 

 さらに進みまして、波佐見有田ICに迫ってまいりましたが、停車するかと思いきや通過して行きました。つまり、下車する方がいらっしゃらなかったのです。私自身、有田陶器市が行われておりましたので、下車する方がいらっしゃるのかと思っていただけに、非常に驚いたほどでありました。


 

 そして、佐世保大塔ICで下車しまして、あっという間に佐世保市内へと入ってまいりまして、終点の佐世保駅前バスセンターに到着、結果、途中休憩があった事もありまして、通常より10分遅れの約2時間45分での到着となり、最後の乗車を終えました。

 

 (運賃表)
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 (佐世保駅前バスセンターに到着)
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 今回の印象は、何と言いましても乗車人数が少なかった事、それにつきますが、先述の通り有田陶器市が行われていた時でもあっただけに、なぜなの?と疑問が出るほどでした。しかも、波佐見有田ICで下車がなかったのも疑問でもありました。こう考えてみると、やはり廃止は仕方なかったと思う所でもあっただけに非常に残念でなりませんでした。
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 その後、これら車に関しましては、西肥バスの車は廃止後に廃車となりましたが、西鉄バス3209に関しましては、「出島号」に使用されておりました相方の3208とともに運用を離脱する形となっておりましたが、比較しましても走行距離が短い3209が奇跡の復帰を果たしておりまして、活躍範囲を長崎に移しまして「出島号」として運行されておりました。

 

 

 けれども、その後3209は翌平成21年に西工92MCSD-I架装車の転用に伴いまして以下画像のように運用を離脱、廃車となってしまいましたが、3列シートであった上に固定窓と、西鉄バスの西工S型においても最も上級な車であったのではなかったかと思いますが、それでも使用用途がなくなってしまいまして廃車となってしまった事に関しましては正直残念でならなかったとしか言えようがなかったのではないかとも思っております。
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 今回は、北九州~佐世保間で運行されておりました「九十九島号」に関しまして過去の画像から皆様にご紹介しましたが、この路線は、佐世保からでも乗り換えなしで北九州へ、逆に北九州から佐世保と行く事ができていただけに、重宝されていた方もいらっしゃっつたのではないかと思います。しかし、今回ご紹介しましたように「有田陶器市」の期間中でも下車する方がいらっしゃらなかった事を思いますと、途中下車と言うもの自体少なかったのかなとも思ってならない所でもありましたでしょうか。ご覧の皆様の中には、こう言った路線があった事を存じなかった方もいらっしゃるのではないかとは思いますが、実際に存在していた事を存じていただければと思います。
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