西鉄バスなどの西鉄グループの路線においては、運行区間において「狭隘区間」も存在している所がありまして、それら区間には中型バスあるいは小型バスをやむなく使用している路線も存在しております。
その中型バスも、使用車両には西日本車体(西工)架装のB型架装の中型車両(日産ディーゼルスペースランナー・いすゞエルガミオ)や、純正のいすゞエルガミオ・日野レインボーIIと言った車両も使用されておりまして、これらにはワンステップ・ノンステップと言った低床バスが中心となっております。
やはり、需要もそう多くない事も伺えますが、それとともに狭隘区間も存在する所もありますので、需要とともに道路事情の問題もある事が伺わせております。
さて、今回ご紹介しますのは、平成28年まで博多駅界隈においても存在しておりました、離合が難しい「狭隘区間」を通ります、46番系統「竹下線」に関しまして皆様にご紹介してまいります。
この46番系統は、平成28年3月25日まで、以下の区間で運行されておりました。この区間のうち、後述のように井尻六ツ角~JR南福岡駅・雑餉隈営業所間に関しましては平日のみの運行となっておりましたし、博多ふ頭~天神間も一部のみの運行となっておりました(名称はいずれも当時のものです)。
(博多ふ頭~)天神~キャナルイーストビル前~駅前三丁目~博多駅[~人参公園前~博多消防署前]~春住町~竹下~井尻駅入口~井尻六ツ角~精華女子短大前~寿町二丁目~(JR南福岡駅)~雑餉隈営業所
このうち、[ ]の部分がこの改正で廃止されましたバス停でありまして、人参公園前・博多消防署前両バス停が廃止となっております。実際これらバス停を通る区間に狭隘区間が存在しておりまして、その区間を通らなくなる事から、これらバス停も廃止という事になっておりました。
(博多消防署前バス停)
(人参公園前バス停)
運行区間変更の案内図です。実際に博多消防署前・人参公園前両バス停廃止に伴いまして、これら区間を迂回するように大通りのルートに変更される事になっておりました。これによりまして、この系統自体の時間短縮にもつながる事にもなりました。
このうちの博多消防署前バス停の時刻(竹下・井尻方面)であります。時刻表からもお分かりいただきますように、平日には雑餉隈営業所・JR南福岡駅まで運行されておりましたが、土日祝日には全便が井尻六ツ角までの運行になっておりまして、便数も平日よりも少なくなっていた事がわかります。
(平日)
(日祝日)
ここまで、この改正までのあらましをご紹介しましたが、ここからは廃止になりました狭隘区間にも出向いておりましたのでご紹介してまいります。
画像は、博多消防署バス停から少々南へ進んだ所にあります交差点であります。この交差点があります通りは、「東住吉通り」と呼ばれる通りでありまして、これからご紹介します狭隘区間も「東住吉通り」の一角でもあります。
この交差点は4差路となっておりますが、画像正面のマンションより左側が住吉方面、右奥が博多駅(突き当たりがハーツバスステーション博多になります)方面、そして反対側が美野島方面となっております。
この中には、上の画像にもありますようにJR鹿児島線・九州新幹線が通るガードも存在しておりまして、頻繁に列車の行き来が見られている下で車の行き来も見られております。今回廃止される事になる理由が一般車との離合において大変危険であった事から、この区間の廃止が決まってしまったとの事でもあります。
バスがこのガード下を通る所であります。画像のように、車自体が中型車ではありますが(9802・日産デPDG-JP820NAN)、幅の余裕もないのもお分かりいただけます。したがって、このガード内での離合はタイトルにもありますように正直難しい所も伺える事もわかるのではないでしょうか。
次は、ガードの反対側もご紹介します。ガードを抜けますとこちらも4差路となっておりまして、新幹線高架橋に沿う所では、右(北)の博多駅筑紫口から左(南)の竹下方面へ道路が続いております。
さらに、国道385号線の「竹下通り」への道のりもご紹介します。この通りには、専門学校が左右にありますが、それに沿います道路自体はあまり広くはない事がお分かりいただけるのではないかとも思います。
(別方向より)
「竹下通り」につながる交差点です。画像の正面が東住吉小学校、画像から左側が博多駅筑紫口方面、右側が竹下駅方面となります。この46番系統は、平成28年3月25日までは手前から右側の方を走っていた訳ではありますが、翌3月26日改正ではこの通りを南北(左右)に走る事にもなります。
上の画像では右側にあたります、南側の竹下方面であります。ここは国道385号線にもあたりますが、この国道385号線はこの先の宮島交差点まででありまして、それから南側は県道575号線が「竹下通り」となります。尚、路線バスもここから奥の方向へ進む事にもなります。
さて、上の画像の交差点へ戻りまして、ここからは画像のようにバスが通る姿をご紹介してまいります。この時はいすゞエルガミオの2807(SKG-LR290J1)がガードを抜けた所でありますが、改めまして幅が狭いですので、離合も難しい事もわかるのではないかと思います。
一方、今度は井尻六ツ角行きの同じくいすゞエルガミオ(2810・形式同)でありますが、これから狭隘区間へと入っていく所であります。それにしても、この高さ自体も3.4メートルしかありませんので、この姿を見ましても大型車両の進入は難しい事も伺えるのではないでしょうか。
(ガード内に入る2810)
その後、この系統は現在は博多駅方面発が桜並木駅(←雑餉隈車庫←雑餉隈営業所)・福岡徳洲会病院・福岡女学院と枝分かれしている部分が見られるようになっておりますし(一部46-1系統)、令和2年改正からは竹下営業所新設に伴います系統、令和4年にはららぽーと福岡への系統(46L系統)も見られるようになっております。
今回は、平成28年3月まで見られておりました、西鉄バス「竹下線」の狭隘区間の廃止区間に関しましてご紹介しましたが、私自身、この区間に関しましては以前から西工58MCの中型ロング車運行時に何度か利用してもいた所でもありましたので、正直この区間の廃止は残念であった事を覚えております。そんなこの区間では、バスが通らなくなった現在でも交通量の多さが変わらず、朝のラッシュ時等に離合する姿がこれまでもテレビでも取り上げられてもいるほどでもあります。とにかく、バスも通らなくなりまして久しい所ではありますが、かつてはそのような姿が見られていた事を存じていただければと思っております。