番外 過去に昭和バス主力路線「からつ号」の派生路線も存在しました、福岡~唐津・呼子線「よぶこ号」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)


 
 これまでも当ブログでもご紹介しておりますが、昭和自動車(昭和バス)の西九州自動車道経由高速路線バスと言いますと、最もドル箱路線であります福岡~唐津線「からつ号」、九州自動車道経由から転換しまして需要が伸びました、福岡~伊万里線「いまり号」、そして福岡のベッドタウンでもあります糸島市内へ運行されております、福岡~糸島(前原・志摩)線「いと・しま号」が最も知られている路線である事はご存知の事と思います。
 
 これらの路線では、上の画像の車(画像1、佐賀200か11-24(伊万里)、日野2TG-RU1ASDA 画像2、佐賀200か12-84(唐津)、いすゞ2PG-RU1ASDJ)が運行されておりますが、このうちの「からつ号」に関しましては、競合しますJR筑肥線の列車よりも所要時間が短い事、かつ運賃も格安である事が利点となっておりまして、そう言った事から利用者が多い事が伺えております。
 
 尚、令和4年4月改正より唐津市浜玉地区のバス停として横田下東バス停や、「いまり号」の区間変更に伴いましてその横田下東バス停、さらに鏡山下バス停が「からつ号」とともに停車を行っておりまして(横田下東バス停は「からつ号」は一部時間停車しない時間帯があります)、唐津地区で最近宅地化が見られております浜玉町横田地区・鏡地区の停車本数も多くなっております。
 
 さらには回数券を利用される方も多く見られておりまして、車内などで発売されております回数券以外にも佐賀県唐津市内や福岡市内で発売されておりますバラ売りの回数券を購入される方も多いのも特徴でありまして、こう言った所からJR筑肥線から軍配を明け渡す事ができた要因にもなっております。
 

 そんなドル箱路線でもあります「からつ号」でありますが、派生版としまして、かつてイカ料理などでも有名な観光地でもあります唐津市呼子町までも高速バスが運行されておりました。それが今回ご紹介します「よぶこ号」であります。今回は、タイトルにもありますように「からつ号」の派生路線として存在しておりました「よぶこ号」に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 (佐賀200か・457、日産デPKG-RA274TAN)
 
 (佐賀200か・171(現・福岡200か44-43)、日産デKL-UA452TAN)
 

 この「よぶこ号」は、福岡から呼子への観光促進などを目的として平成16年に運行を開始しておりまして、運行本数は5往復で運行されておりました。
 
 当初は福岡地区メインの利用者を目的とした時刻となっておりましたので、「イカす直行便」とも称されておりましたが、それでも運行は上の画像にもありますように唐津営業所単独の運行でもありまして、他の営業所での運行はありませんでした。
 
 
 そもそも、福岡から呼子へは国道202号線経由時代から直通便が運行されていたなど福岡と呼子とはつながっていたほどでありまして、平成初頭まで直通便が存在してもいました。その運行も、画像にもありますように超特急便「マリンライナー呼子」と称します直行便も存在しておりましたし、それとともに特急などと言ったものも存在してもいました。
 
 ちなみに、特急・急行便は「虹の松原」を経由して運行されておりましたが、その後前原までの区間短縮を経まして平成10年代に廃止されておりまして、以降「七山線」が停車しておりましたが、令和4年4月の改正で廃止されております。
 
 
 しかし、これら路線も、結局国道202号線を通るルートであった事から利用者が少なかった事などもありまして、これらはその後廃止に至っておりましたので、ご紹介しております「よぶこ号」は事実上復活路線でもありました。
 

 その後、翌平成17年に時刻・運行区間の変更がなされまして、呼子地区からも朝から利用可能になるなど、運行本数5往復の中でも変化が生じておりました。そこでは、新たに3箇所が停車するようになっておりまして、より沿線からの利用促進が伺えてもいたようです。
 
 (岩野バス停)~唐津市鎮西町
 
 (打上バス停)~同、車両は佐賀200か・335(現・福岡200か19-45)、日産デKL-UA452TAN
 
 (西唐津駅前バス停)~最後の画像、車両は佐賀200か・543、日産デPKG-RA274TAN
 

 しかし、「よぶこ号」として復活しましても利用者はそんなに多くはなかったようでありまして、平均利用者は10名前後程度と、ほとんどが「からつ号」の運行区間である唐津市内(大手口バスセンター当時)からの乗下車が多く、正直大丈夫なのかな?と言う気持ちさえあったほどでありましたが、残念ながら今から7年前の平成23年3月31日を持って廃止、「よぶこ号」の本数分は「からつ号」に吸収されまして現在に至っております。
 

 画像は、廃止日であります平成23年3月31日撮影の画像であります。この時は現在は廃車となりました日野セレガ(佐賀200か・397、U-RU2FTAB(現廃車))でありましたが、この時は福岡から呼子方面へ行かれる方は2名(途中下車の方を含みます)、加えまして大手口バス停からの乗車の方が1名の計3名の乗車でありまして、非常に寂しい姿での最終日であった事を覚えております。
 
 (行先)
 

 その後、この「よぶこ号」は廃止となった訳でありますが、「よぶこ号」経路変更時に運行を始めました打上経由に関しましては引き続き一般路線バスが運行を継続しております。しかし、上の画像にありました打上バス停のような姿は残念ながら見られず、去る4月改正より平日1往復しか運行されないローカル路線の姿となっております。
 
 また、使用車両も現在は中型車両がメインとなっておりますし、NO.3016でもご紹介しました、「ルートグランブルー」とも称されております呼子~波戸岬間以外の名護屋浜・加部島・呼子台場みなとプラザ(旧・呼子フェリー発着所)方面は呼子バス停乗換の上で、日中は乗合タクシー(ジャンボタクシー)運行となっております。本当に、最盛期の頃としましたら寂しくなりましたが、それほどマイカー利用の方が圧倒的である事も伺えるようであります。
 
 (佐賀200か・832、いすゞSKG-LR290J1)~唐津~呼子間は「11番」となっています
 
 (呼子行き路線バス、佐賀200か10-16、いすゞ2KG-LR290J3)~現在は唐津駅発着です
 

 今回は、「からつ号」の派生路線として存在しました「よぶこ号」に関しましてご紹介しましたが、私自身もこの「よぶこ号」での姿は各地で見ておりましたが、福岡から観光地であります呼子へと言いましてもバス利用者が少なかった事が残念であったように思います。先述のように、それほどマイカー利用者が多い事も伺えておりますが、元々あります一般路線でも最盛期から減便されておりましたので、それを考えますと仕方がない所ではありますが、それでも、昭和バスでは「から1dayまたは2dayフリーパス」と呼ばれます乗車券を発売しておりますので、車だけではなくバスとしての利用も望みたいものであります。