番外 昭和60年時刻表より、今以上回る事ができていました、国鉄時代の近郊区間内北部九州「大回り」 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 JR九州では、北部九州の区間に限りまして、現在「SUGOCA」など交通系ICカードを使用しまして大回りします、「SUGOCA大回り」が可能となっておりまして、当ブログでも画像1の特急「あそぼーい!」を利用した第11弾の模様NO.3009より3回に渡りましてご紹介しましたし、加えましてご覧の皆様の中にも利用された方がいらっしゃるのではないかと思います。
 
 この「SUGOCA大回り」とは、その名の通りJR九州の「SUGOCA」エリアを回る事を意味する訳ではありますが、このうちの一部区間では「SUGOCA」を使用する事ができない区間もあります。
 
 しかし、その区間に関しましても最短の運賃計算が可能となっておりまして、例えば、熊本~大分間に関しましても、「SUGOCA」などの交通系ICカードを利用しますと、例え鹿児島・日豊線経由でありましても豊肥線経由の3300円で計算するようになっておりまして、「SUGOCA」など交通系ICカード利用者にとりましてはありがたい形となっております。
 
 尚、日田彦山線は添田~夜明間が昨年8月28日より「BRTひこぼしライン」に変わりましたが、これまで代行バスを利用しますと通過可能ではありましたが、「BRT」化によりましてこうした通過ができなくなっております。ただ、運賃計算の特例区間としては引き続き維持されておりますので、区間によりましては通らなくても通ったような計算方法で計算される場合もあります。
 
 
 さて、今回ご紹介しますのは、国鉄時代の九州地区の「大回り」に関しまして、私が所蔵しております昭和60年時刻表を参考にしながら皆様にご紹介してまいります。
 
 
 安くて途中下車せず行けます大回りツアーは、当然国鉄時代から存在しておりまして、通常の「大回り」区間であります、福岡近郊区間で乗車券を購入の上で適用できておりました。この「福岡近郊区間」は現在も存在しますので、(例)博多→原田→新飯塚→田川後藤寺→西小倉→吉塚と言った区間も170円では利用できております(実際上の画像2が「原田線」での姿です)。
 
 しかし、国鉄時代の「福岡近郊区間」は、以下の画像のように今以上に範囲が広く、本当に昔もうらやましかったんだなと言うのが順路を探ってみて思ったほどであります。ちなみに、当時の初乗り運賃は画像にもありますように140円で利用する事ができておりました。
 
 (昭和60年当時の福岡近郊区間)
 
 (同、運賃表)
 
 そんな国鉄時代には、JR化後に廃止されました上山田線、現在は第3セクター平成筑豊鉄道に移行されました、田川線・伊田線・糸田線も福岡近郊区間に指定されていた事もありまして・・・
:
 (例)
 伊田線~後藤寺線~筑豊線、
 日豊線~田川線~日田彦山線、
 上山田線~日田彦山線~後藤寺線~筑豊線
 
などと言うような小回りルートまでできていたなど、当時は今以上に非常にうらましいほどでありました。
 
 
 しかし、先述のように廃止・第3セクター転換と言う事から、現在一番言われております大回りルート(ICカードではなく乗車券購入時の場合)は・・・
 
 鹿児島線~筑豊線(原田~新飯塚)~後藤寺線~日田彦山線(田川後藤寺~城野)~日豊線(城野~西小倉・小倉)~鹿児島線
 
と言うのが一般的となっております。
 
 
 けれども、国鉄時代は先述のように、伊田線・糸田線・上山田線・田川線も範囲でありましたので、画像5~のような形でできておりました。尚、ここで掲載しております時刻は、ご紹介しております昭和60年の時刻表を参考にしております。
 
 【行程】
 竹下(福岡市)(鹿児島線)~原田~(筑豊線)~飯塚~(上山田線)~上山田~(上山田線)~豊前川崎~(日田彦山線)~田川後藤寺~(田川線)~行橋~(日豊線)~小倉~(鹿児島線)~博多
 
 
 (以下各画像赤印が乗車列車です)
 竹下(14時40分発)~原田(15時17分着)
 
 原田(15時20分発)~飯塚(16時02分着)
 
 飯塚(16時21分発)~豊前川崎(17時13分着)~黄色部分
 
 豊前川崎(18時44分発)~田川後藤寺、行橋経由~小倉(20時27分着)
 
 小倉(20時40分発)~博多(22時11分着)
 
と、この時は昼からの出発、夜に到着ではありましたが、以上の行程ができておりました。特に、現在は廃止されております上山田線の上山田~豊前川崎間は、一日4本しかない路線でしたので、直近の列車に合わせますとこのような形になっていたのが当時ならではではなかったかとも思います。
 
 
 また、特筆する点としましては、普通・快速列車の場合は今は西小倉駅で乗換えとなっておりますが、昭和60年当時は鹿児島線側には西小倉駅が存在しておりませんでしたので、特急列車乗換えの場合と同様小倉駅乗換えとなってもおりました。
 
 
 今回は、昭和60年時刻表参考の北部九州「大回り」に関しましてご紹介しましたが、現在では「SUGOCA」区間・運賃特例区間(「ひこぼしライン」区間を除きます)を利用できます「SUGOCA大回り」と言う新たな「大回り」ができるようになっておりますが、この乗車券を使う「大回り」の行程を調べてみましても、当時も路線的に非常にうらやましいと言える所があったのではないかとも思います。しかも、今は廃止・第3セクターなどで行かれなくなった区間までも140円で回る事ができていた訳でもありますので、どれだけ良かった事なのかなとも思わざるを得ない所でもありましたでしょうか。
 
 (注)一部わかりやすくするため、画像を編集しています。また、しみも一部で見られますが、こちらはご容赦いただきたいと思います。