NO.3012 残念ながら第二期も運行終了、熊本~佐世保線「さいかい号」、第一期最終運行日の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 このほど、産交バスHPにおきまして、令和2年から現在まで運休しておりました、九州産交バス一社運行の熊本~佐世保・ハウステンボス線「さいかい号(第二期)」が運行を終了(廃止)する事が発表されました。
 
 この「さいかい号」は、後述のように一度廃止されていた路線でもありましたが、平成31年4月より改めて熊本地区から佐世保・ハウステンボスへの利用客向上のため運行を開始しておりまして、一度廃止時と同様、再び熊本~佐世保・ハウステンボス間で運行されておりました。
 
 使用車両には上の画像・以下画像の4列シート車(熊本200か・491、日野PKG-RU1ESAA)で運行されておりました。尚、運行に際しましては、佐世保側運行事業者でありました西肥自動車(西肥バス)の運行はありませんでした。
 
 (停車地)
 ハウステンボス~佐世保駅~波佐見有田インター~高速金立~武蔵ヶ丘~自衛隊前~熊本県庁前~熊本交通センター~西部車庫 
 
 しかし、翌令和2年からの「新型コロナウイルス」に加えまして、乗務員不足と言う事情もありまして、残念ながら運行再開には至らず、3月31日をもちまして運行終了と言う事になっております。ただ、運休期間が長かった事もありまして、実質的な運行期間はわずか1年ほどでありまして、それだけそれら影響もあった事が伺える所ではありましたでしょうか。
 
 
 さて、今回ご紹介しますのは、「さいかい号」第一期廃止前の平成26年9月30日に佐世保バスセンターで熊本発最終便到着時の姿を撮影しておりましたし、それとともに熊本在住の超特急スーパーひのくにさん(以降・スーパーひのくにさん)もこの最終日に佐世保発の最終便に乗車しておりましたので、その模様も併せて皆様にご紹介してまいります。
 
 
 第一期の「さいかい号」は、平成2年に佐世保~熊本間をダイレクトに結ぶ路線として西肥自動車(西肥バス)と九州産交(→九州産交バス)で運行を開始したものでありまして、元々の愛称は、西肥バスと昭和自動車(昭和バス)2社によります、福岡~唐津~佐世保間を結ぶ特急バスに付けられておりました西海でありましたが、「さいかい号」運行開始の翌年の平成3年頃にその「西海」が廃止されておりまして、以来熊本~佐世保線独自の名称として運行されておりました。
 
 この間には、「さいかい号」の始終着地が佐世保バスセンターからハウステンボスに変わった(元々はハウステンボス経由として佐世保バスセンター発着で運行)と言った流れなども見られておりまして、そう言った事もありまして経路変更も生じていた路線でもありました。
 
 
 また、この「さいかい号」は、第一期廃止前は一日6往復運行されておりまして、主要停車地も・・・

 ハウステンボス~佐世保駅~波佐見有田インター~高速金立~高速鳥栖神辺~武蔵ヶ丘~熊本県庁前~熊本交通センター
 
となっておりましたが、テコ入れのために佐賀県側の高速金立バス停が平成21年に、高速神辺バス停が平成25年に停車地が追加されておりまして、佐賀県内からも「さいかい号」に利用してもらいたいと言う所も見られておりました。
 
 
 「さいかい号」の使用車両です。以下画像のように、当初は偏心3列シートのハイデッカーが使用されておりましたが、その後末期は両社画像のように元夜行用の独立3列シート車もこの「さいかい号」に主に使用されておりまして、元夜行用と言う事でスーパーハイデッカーも使用されておりましたが、現在はいずれも廃車となっておりまして、その姿を見る事もできなくなっております。
 
 【ハイデッカー】

 (九州産交バス、熊本22か31-11、日野KC-RU3FSCB)~平成20年撮影
イメージ 8

 

 (同、熊本22か31-53、日野KC-RU3FSCB)~平成24年撮影
イメージ 9

 

 (同、熊本22か31-54、日野KC-RU3FSCB)~平成23年撮影
イメージ 10

 

 (西肥バス、H183・日野U-RU2FTAB)~平成19年撮影
イメージ 2

 

 (同、F483・三菱KC-MS829P)~平成20年撮影
イメージ 3

 

 (同、F485・三菱KC-MS829P)~平成22年撮影
イメージ 4

 

 (同、N818・日産デU-RA520RBL)~平成22年撮影
イメージ 5

 
 【スーパーハイデッカー】 
 (九州産交バス、熊本22か31-04、三菱KC-MS822P)~平成25年撮影
 
 (西肥バス、F518・三菱KL-MS86MP)~平成25年撮影

 

 (西肥バス・F551、三菱BKG-MS96JP)~平成26年撮影
 
 
 しかし、そう言ったテコ入れもむなしく、平成26年9月30日に一度廃止されておりまして、この結果佐世保~熊本間をダイレクトに行く事はできなくなりまして、高速基山バス停で乗り継ぐ形に変わっておりました。
 
 (各社、一度廃止前の告知前貼り紙)
 
 
 ここからは、第一期廃止日となります平成26年9月30日の模様をご紹介します。まずは、スーパーひのくにさんが乗車されました熊本行き最終便の模様をご紹介しますが、この時は熊本行き発車約20分前の姿であります。この日は平日にあたっておりましたが、この時間は、その平日とは思えないほど静寂な姿であったそうでして、最も多い福岡へ行かれる方もそう多くはなく、実際に待合室で待っておられる方もそういらっしゃらないのがわかるのではないかと思います。
 
 
 「さいかい号」熊本行き最終便の乗車券であります。スーパーひのくにさんも、当日に乗車券を購入したとの事でありましたが、後述のように利用者自体もそれほど多くはなかったとの事でありますので、まさに余裕の乗車券購入であったそうでした。
 
 
 この時の佐世保発最終便は、現在は廃車されております画像の三菱エアロクィーン(熊本22か31-03・KC-MS822P)でありました。この車は、元夜行用の車でもありまして、後述のようにシート自体は独立3列シートの車でもありましたし、さらにこの車はかつて夜行バス運行時には公衆FAXまでも装備されていた車でもありました。
 
 
 この日の佐世保(ハウステンボス・佐世保バスセンター)発の乗車人数は、合わせまして10名足らずほどであったとの事でありまして、多客期には満席にまでなるくらいでもありましたこの「さいかい号」も、閑散期になりますとそれくらいであった事が伺えていたほどでした。やはり、もう少しあってくれればよかったようにも思ったほどでもありました。
 
 
 こちらの画像は、スーパーひのくにさんが途中休憩地の山浦パーキングエリアで収めておりました車内画像でありますが、ご覧の通りの独立3列シートである事がお分かりいただけるのではないかと思います。やはり夜行用車両であった分ゆったりできていたとの事でありまして、まさに夜行バス車両ならではな所が伺えていたようでもあります。尚、この時車内ではDVD上映もあっていたそうでしたが、画像のように中央部のモニターは使用禁止になっておりまして、前方でしかDVDを楽しむ事ができなかったとの事でありました。
 
 
 ここからは、私自身が熊本発最終便の姿を収めにやってきた姿をご紹介してまいります。この日は仕事でもありましたので、夜でしか収める事ができませんでしたが、やってきました際には、西肥バス職員が翌日10月1日のダイヤ改正に向けた時刻変更作業を数人でなさっている姿が見られておりまして、私みたいに「さいかい号」の最後の姿を収めに来られていた方はいらっしゃいませんでした
 
 (変更完了後の一般路線バス時刻の姿)
 
 
 熊本発最終便の使用車両は、のちに佐世保~福岡線「させぼ号」系統に使用されておりました画像のF534(三菱PJ-MS86JP)でありましたが、私としましては同じくのちに「させぼ号」系統に使用されておりましたスーパーハイデッカーのF551を使用するのではないかと思われておりましたが、「コーラルエクスプレス(大阪線)」最終運行と同様、F534が最終運行の使用車両となっておりまして、F551にとりましては、まさに「最終運行を知らない車」と言われてもおかしくはなかったのではないかと思います。
 
 熊本発最終便の利用者は、佐世保バスセンターで確認した所、熊本行きと同様10名足らずの利用者でありまして、このうちの2名ほどが次のバス停であります卸本町入口バス停以降で下車される事になっておりました。やはり佐世保発・熊本発同様、最終日の最終便とは思えないくらい寂しい印象でもあったのが印象的でありました。
 
 
 こうして、乗客を降ろしましてF534は佐世保バスセンターを出て行きます。この後、次の停車地であります卸本町入口、そして終点になりますハウステンボスへ向けてラストスパートを駆けて行く事になります。
 
 F534が佐世保バスセンターで左折の際、コーラルエクスプレスと書かれた体部分を収めたものであります。「コーラルエクスプレス」自体は、元々が夜行用であった事を表す愛称でありましたし、かつ西肥バスの夜行バスの総称でもあった訳でしたが、その夜行バス自体も「さいかい号」廃止1年前に運行を終了しておりましたので、夜行便運行終了後もかつての証しである事を表すようにこの姿が見られていた事がよかったのではないかと思う所でもありました。
 
 こうして、最後の画像のように、F534の「さいかい号」は交差点を左折しまして終点ハウステンボスへ向かって行きました。こういった姿も、翌10月1日以降は見られなくなっておりましたので、本当に「さいかい号」として最後の姿であったと言うのが残念でならない所でもあった事を覚えております。尚、これら2台は先述のように4列シートに改造の上「させぼ号」系統に使用されておりましたが、座席配分を一定化した予約指定制化に伴いまして廃車となっております。
 
 【座席4列化後】~「ハイウェイエクスプレス」に変わっています
 (F534)
 
 (F551)
 
 
 一方、熊本発が佐世保駅前バスセンターに来まして約30分後、佐世保発の「さいかい号」も終点熊本交通センターに到着、佐世保から乗車しておりましたスーパーひのくにさんを含めまして、ほとんどの乗客がこの熊本交通センターで下車されていたとの事でありまして、しばらくしまして西部車庫へ向けて回送されて行ったそうでしたが、この佐世保発・そして熊本発の互いに乗車されていた方も、これが最後と言う事を理解されて乗車されていたのかな?と思ったほどであったそうです。
 
 
 そして、冒頭でも述べましたように、4年半の月日を経まして、1往復ながら九州産交バス運行で「さいかい号」は再び熊本~佐世保・ハウステンボス間で運行されるようになりました。やはり、一度廃止の時点で見られなくなったとも思っていただけに、その姿が再び見られるようになった訳でもありましたので、正直嬉しい所ではありました。
 
 しかし、1年で「新型コロナウイルス」により運休、それからは運休と言う長いトンネルを抜けきれずに運行終了・廃止に至ってしまったのは残念ではなかったかと思ってならない所ではあります。
 
 
 今回は、第二期の運行終了が発表されました、熊本~佐世保線「さいかい号」の、第一期廃止日の平成26年9月30日に撮影時の模様をご紹介しましたが、佐世保側では本当に寂しい最終日ではなかったかと思っております。けれども、それから4年半後に運行を再開、1年間は運行されておりましたが、折しも「新型コロナウイルス」・乗務員不足というダブルパンチがあった事によりまして運行終了にまで至ってしまった事に関しましては正直残念ではなかったかと思ってなりません。けれども、この「さいかい」という愛称でもありますので、いつかはまた第三期として「さいかい」してくれる事を願う所ではあります。
 
 (注)一部画像が乱れている部分もあります、ご了承ください。