番外 コロナ禍まで存在した福岡・熊本から阿蘇間路線、「ASOエクスプレス」・「Aso-go」紹介 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 現在、熊本から阿蘇方面のバスと言いますと、九州産交バス・大分バス運行の熊本~大分線「やまびこ号」、九州産交バスが運行します、熊本~黒川・湯布院・別府線「九州横断バス」以外にも、熊本・阿蘇~草千里・阿蘇山上線がありまして、各1往復が運行されております。

 

 この運行は、昨年より運行を開始しました路線でありまして、使用車両には「九州横断バス」で使用されております車両(熊本200か・882、ヒュンダイ(ヒョンデ)ユニバース、LDG-RD00)などが使用されておりまして、並行して産交バスが運行しております阿蘇駅~阿蘇山上間「阿蘇登山線」とともに運行されております。

 

 また、熊本桜町バスターミナル・熊本駅方面(下り)では「熊本空港リムジンバス」の乗客も利用できておりまして、積み残し対策も対応する所も見られております。尚、現在この路線の利用状況に関しましては詳しく存じておりませんが、以前利用時は正直利用者は多くはありませんでした。しかし、現在はインバウンド客も多く見られておりますので、今後はそういった方々にもターゲットを絞るなど巻き返しを図っていただきたいものではあります。

 

 (アーデンホテル阿蘇)~バス停もあります

 

 

 そんな阿蘇への路線は、以前「コロナ禍」前にも熊本・福岡発着で運行されていた事がありましたが、残念ながら運行を終了しております。今回は、その熊本・福岡から運行されておりました2路線に関しまして、皆様にご紹介してまいります。

 

 

 その路線とは、福岡からは「ASOエクスプレス」、そして熊本からは「Aso-go」でありまして、「ASOエクスプレス」に関しましては西鉄バスと九州産交バス、「Aso-go」に関しましては九州産交バス単独で運行されておりました。

 

 

 まず、「ASOエクスプレス」は、福岡から阿蘇へ、インバウンド客・国内観光客の需要を見込んで開設されたものでありまして、当初は西鉄バス2往復・九州産交バス1往復の計3往復で運行されておりまして、西鉄バスに関しましてはこれら路線専用(専用車は福岡~熊本線「ひのくに号」などで使用)として、九州産交バスに関しましては「Aso-go」・「ひのくに号」との共通で運行される形となっておりました。

 

 (西鉄バス3150・三菱QTG-MS96VP)

 

 (同、3151・形式同)

 

 

 「ASOエクスプレス」の停車地です。この「ASOエクスプレス」では、福岡空港国際線も停車するようになっておりましたし、九州の高速路線バスの乗り継ぎ拠点でもあります高速基山バス停にも停車しておりましたし、阿蘇地区では「九州横断バス」も停車します、カドリードミニオン前・阿蘇プラザホテルにも停車を行っておりまして、最終的には内牧温泉(「はな阿蘇美(現・阿蘇ミルクファクトリー))まで運行されておりました。

 

 天神高速バスターミナル~博多バスターミナル~福岡空港国際線~高速基山~アーデンホテル阿蘇~カドリー・ドミニオン前~阿蘇駅前~阿蘇プラザホテル~内牧温泉(はな阿蘇美)

 

 

 一方、「Aso-go」に関しましては、当初は愛称なしの熊本~阿蘇線として運行されておりましたが、その後「Aso-go」と新たに愛称が設けられておりまして、九州産交バスが熊本側の「ASOエクスプレス」の送り込みとして1往復が単独で運行されておりまして、熊本~阿蘇間を運行します「やまびこ号」・「九州横断バス」を補完する役割も担っておりまして、熊本市内から乗り換えなしでも利用できるようにもなっておりました。

 

 (熊本200か・599、PKG-RU1ESAA)

 

 そんな熊本~阿蘇線の停車地は以下の通りでありました。これらは熊本駅~阿蘇駅間は「やまびこ号」の停車地に準じておりまして、阿蘇くまもと空港にも停車しておりましたので、まさに派生路線としての姿を見せていたと言ってもいいかとも思います。

 

 西部車庫~熊本駅前~熊本交通センター~通町筋~味噌天神~水前寺公園前~熊本県庁前~自衛隊前~東町中央~益城インター口~阿蘇くまもと空港~大津駅南口~(ミルクロード経由)~赤水駅前~アーデンホテル阿蘇~赤水駅前~乙姫ペンション村入口~カドリー・ドミニオン前~阿蘇駅前~阿蘇プラザホテル~内牧温泉(はな阿蘇美)

 

 

 しかし、これら路線もインバウンド・国内観光客の利用者向けに開設していた訳でありましたが、残念ながら双方とも利用者も伸びず、さらに「新型コロナウイルス」によります需要減のため、令和2年10月に運行を終了しております。

 

 

 実際に、運行開始翌日の平成31年4月2日に私は利用しましたが、その際には、NO.2160(前編)・NO.2161(後編)でもご紹介しましたように、「ASOエクスプレス」の乗車人数は私を入れてわずか2名でありましたし、同じく4月2日の福岡行き2便目では阿蘇駅からの乗車はおらず、幸先悪いスタートであった事を覚えております。

 

 (平成31年4月2日撮影、「ASOエクスプレス」車内)~この時点では私1人でした

 

 

 その一方、「Aso-go」に関しましてはインバウンド客もいらっしゃったりもしまして、この日の阿蘇駅前の時点ではほぼ満席でもありましたが、途中カドリー・ドミニオン前及びアーデンホテル阿蘇で数名下車した方がいらっしゃいましたので、空席も見られておりまして、そのうちの10名近くは「阿蘇火口線」から乗り換えられておりましたインバウンド客でもありました。

 

 

 けれども、そんなインバウンド客も、この年に発生しました日韓関係悪化や、翌令和2年からの「新型コロナウイルス」によります需要減もあ需要を見込めなくなっておりまして、そう言った事もありまして運行終了へと至っております。本当に、特に「ASOエクスプレス」ではそうでしたが、元からそう多くはなかった路線でもあった中で「新型コロナウイルス」が追い打ちをかけてしまってしまった事がより残念に思う所ではなかったでしょうか。

 

 

 今回は、令和2年中に運行を終了しました「ASOエクスプレス」・「Aso-go」に関しましてご紹介しましたが、その後JR豊肥線の全線運行再開、さらに国道57号線の立野経由ルート・北側復旧ルートの開通と、この運行されていた頃としますと交通網も大きく変化しております。それとともに、再びインバウンド客の姿も見られ始めてもいますが、もしもこれら路線が存在していたならばまだよかったかもしれません。しかし、現在は乗務員不足など新たな問題も抱えておりますので、現在の路線で精一杯ではないでしょうか。とにかく、残念ながら姿を消しているこれら路線ですが、ご覧の皆様もこの存在を存じていただければと思っております。