NO.2996 令和2年全廃になったタイプです、九州産交GP、KC-規制日野セレガFS3列高速車 | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 九州産交グループ(九州産交バス・産交バス)の高速・特急・快速車両と言いますと、これまで外せないタイプとしまして、日野セレガの初代タイプが存在していた事はご覧の皆様もご存知の方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

 この初代タイプのこうした路線車両では、上の画像にあります熊本~福岡線「ひのくに号」向けで見られておりました「青十字塗装」のタイプが特に思い浮かばれる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、平成4年にこのタイプは登場しまして、「ひのくに号」、その後は熊本~大分線「やまびこ号」や熊本~天草間快速「あまくさ号」などで活躍する姿が見られておりましたが、現在は全廃となっております。

 

 それ以外にも、熊本~北九州線「ぎんなん号」向けに導入されました3列シート・折戸ドアの車や、夜行・昼行向けのスーパーハイデッカー車両、また貸切からの転用車や移籍車も見られておりまして、熊本県内外の路線で実際にその初代セレガの活躍する姿が見られておりました。

 

 尚、現在も残存する車がありまして、画像の車(熊本200か・900、KC-RU3FSCB)もその1台ではありますが、現在は産交バス阿蘇営業所に所属しまして、「阿蘇登山線」の予備として残されているそうであります。この車に関しましては、富士急行からの移籍車との事でありまして、今年で28年になる中ではありますが、引き続き元気な姿を見せていただきたいものであります。

 

 (令和4年撮影)~天草営業所(「あまくさ号」)所属時

 

 

 そして、中長距離路線用として、平成8年から活躍していたタイプもありましたが、このタイプに関しましては、いずれも令和2年までに全廃となっておりまして、画像からしか味わう事ができなくなっております。今回は、そのタイプに関しまして全車収めておりましたので、皆様にご紹介してまいります。

 

 このタイプは、いずれもKC-規制車でありますセレガFS高速車(KC-RU3FSCB)でありまして、スイングドアで偏心3列シート車であるのが大きな特徴でもありまして、平成8年から平成9年にかけまして12台導入、後述のように九州内の路線におきまして活躍を行っていた姿が見られておりました。

 

 装備も、偏心3列シート車である事に加えまして、マルチステレオやビデオ・DVDも装備されておりましたし、車両中央にはトイレも装備されてもいまして、所要時間2時間~4時間の路線では中心的な存在でもありました。

 

 このセレガFSが担当していた路線です。福岡~宮崎線「フェニックス号」をはじめ九州各地の路線で運行されていた事がお分かりいただけますし、路線によりましては現在は廃止となった路線もありまして、運行する姿自体見られなくなっている路線も存在している事がお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 福岡~宮崎「フェニックス号」

 熊本~宮崎「なんぷう号」

 熊本~鹿児島「きりしま号(第1期・第2期含みます)

 熊本~長崎「りんどう号」

 熊本~佐世保・ハウステンボス「さいかい号(一度廃止前まで)

 熊本~北九州「ぎんなん号(現廃止)

 熊本~人吉「ひとよし号(現廃止)

 

 この他にも、イレギュラーな姿も見られておりまして、稀に熊本~大分線「やまびこ号」にも使用されていた事さえもあったほどでした。この路線では産交便では基本4列シート車が運行されておりますが、このように3列シート車で運行する場合も見られていたほどでした。

 

 (熊本22か31-10)

 

 

 しかし、令和2年秋までに全12台が一気に運用を離脱・廃車となっておりまして、ちょうど各路線が「新型コロナウイルス」によります減便・運休となったと同時に姿を消すに至っておりました。

 

 

 ここからは、20年超の長きにわたりまして活躍しておりましたそのセレガFS3列シート高速車全12台でありますが、まずは、このセレガの車内を収めていました画像からご紹介します。画像の車は、更新を受けていた車両でもありまして、更新前は茶色いシートとなっておりましたが、更新後には画像のような赤地のシートに改まっておりました。尚、同じく中長距離向けで現在も残存します平成9年式の三菱エアロバス2台に見られております更新車の場合はコンセントも装備されておりますが、セレガの更新車にはコンセントは装備されておりませんでした。

 

 (熊本22か31-57)

 

 そんな各座席のシートカバーには、熊本県のゆるキャラ「くまモン」の姿を見る事ができておりました。今回は収めておりました3通りをご紹介しますが、こうして見ましても、「くまモン」のかわいらしい姿がそれぞれ見受けられていた事もお分かりいただけるのではないかと思います。

 

 また、この更新に際しましてモニターも液晶モニターに改まっておりまして、DVD視聴も見やすくなっておりました。しかし、更新から数年後には九州産交バスでのDVD放映は終了しておりまして、そう言った事からモニターは置物と言った姿が見られておりました。やはり、現行セレガの独立3列車で見られますモニターと運賃表を一体化したタイプと対照的に、モニターと運賃表とが別となっていた事を思えば仕方がなかった所でしょうか。

 

 さらに、Wi-Fiも導入されておりました。このWi-FiはWi2Wi-Fiでありまして、現在九州産交バスで採用されておりますKyusyu Bus Free Wi-Fiのように無料ではありませんでした。

 

 そして、日野セレガの運転席であります。この撮影時点でも20年は経過しておりましたが、それだけ長い間この席から運転士が操っていた訳でしたし、確実にこれら12台も100万キロ以上は走っていたでしょうから、その分時を感じさせられる所ではなかったかと思います。

 

 

 ここからは収めていた方向幕3点をご紹介しますが、まずは日野セレガが運行しておりました路線の1つでありました、廃止されました「ぎんなん号」新門司港行先です。行先からもわかりますように、末期は熊本交通センター(当時)から小倉駅を経まして名門大洋フェリーが発着します新門司港まで運行されておりまして、高速路線バスとフェリーと言った利用向けで運行されていた事が伺わせておりました。しかし、平成30年にこの「ぎんなん号」は廃止されておりまして、このような姿はそう長くはありませんでした。

 

 (行先、新門司港行き)

 

 次の2点は、平成20年から翌21年まで見られていた行先でありまして、現在の(第2期)きりしま号」の前身の行先でもあります。これは、平成16年に九州新幹線が開業するまで、第1期の「きりしま号」が存在しましたが、開業とともに廃止されておりました。しかし、要望もありまして愛称なし路線として復活した際に以下の行先も設けられまして運行されておりました。

 

 (鹿児島行き)

 

 (熊本行き)

 

 (運行時)~熊本22か30-98

 

 尚、平成21年に再び「きりしま号」と言う愛称として復活には至りますが、翌平成22年まで3列シート車の運行はあったものの、以降現在まで4列シートの車両が主に使用されておりますので、以降の3列シート車の活躍も稀に見られたイレギュラー時以外は見られなかったのが残念ではなかったかと思います。

 

 

 ここからは、導入されておりました全12台をご紹介してまいります。まずは平成8年に導入されました6台でありますが、これらは長崎自動車道経由路線「りんどう号」・「さいかい号」)で導入されておりましたが、その後は熊本22か30-98にもありますように北九州や南九州の路線にも進出するに至っておりました。

 

 (熊本22か30-98)~平成25年撮影、「ぎんなん号」時

 

 (熊本22か31-01)~平成23年撮影、「さいかい号」時

 

 (熊本22か31-02)~平成20年撮影、「りんどう号」時

 

 (熊本22か31-10)~平成29年撮影、「りんどう号」時

 

 (熊本22か31-11)~平成24年撮影、「さいかい号」時

 

 (熊本22か31-12)~平成25年撮影、「りんどう号」時

 

 この6台のうち、熊本22か31-12に関しましては、末期時にはこの12台の中では唯一産交バス所有を経験した車でありまして、「ひとよし号」の専用車として三菱エアロバス(熊本22か32-91)の予備として運行されていた車でもありました。しかし、「ひとよし号」の廃止が決まっていた中発生しました令和2年の「熊本豪雨」人吉営業所での水没に巻き込まれてしまいまして、惜しい形で廃車となってしまいました。

 

 

 次は、翌平成9年に導入された6台であります。これら車は「きりしま号」向けに導入されておりましたが、平成16年の「きりしま号」の一度廃止後は各地の路線に転用されてもいまして、平成8年導入車と同様、南九州路線(「なんぷう号」・「フェニックス号」)や北九州路線(「ぎんなん号」)などの路線に転用・活躍する姿が見られておりました。

 

 (熊本22か31-53)~平成23年撮影、「さいかい号」時

 

 (熊本22か31-54)~平成22年撮影、「さいかい号」時

 

 (熊本22か31-55)~「なんぷう号」時

 (平成25年撮影)

 

 (平成29年撮影)

 

 (熊本22か31-56)~平成26年撮影、「りんどう号」時

 

 (熊本22か31-57)~平成30年撮影、「ぎんなん号(最後の乗車)」時

 

 (熊本22か31-58)~平成30年撮影、「ぎんなん号」時

 

 このうち、熊本22か31-54・熊本22か31-57・熊本22か31-58の3台は、廃止末期時に「ぎんなん号」と名門大洋フェリーとのラッピングが設けられておりまして、画像のような姿が公式側で見られておりました。やはり、フェリーと高速バスとをアピールする部分が見られておりましたが、結局平成30年に廃止となってしまったのが残念に思う所ではあります・・・。

 

 

 今回は、既に令和2年に全廃となっております日野セレガFS3列シート高速車12台に関しましてご紹介しましたが、これら車も九州を南北に活躍する姿が見られていた事や、20年以上も活躍してもいましたので、それほど使い勝手も良かったのではないかと思っております。それにしても、先述のように平成9年式の三菱エアロバスが現在も活躍している中で一気に全廃となった姿は、正直「新型コロナウイルス」がなければまだ活躍の場を与えられていたと思われるだけに悔やまれる所ではないかと思いますが、それでもこれら車の貢献度は高いでしょうから、これら12台の存在を覚えていただければと思っております。