番外 現在姿を消している熊本駅前に存在した「大屋根」&平成22年撮影、熊本市電軌道改良工事時の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 熊本の玄関口であります、上の画像のJR熊本駅は、平成30年に新たな高架の駅舎が完成しまして、熊本の玄関口も大きく変化するに至っております。

 

 この熊本駅も、平成23年の九州新幹線全線開通時には既に新幹線口(西口)が完成しておりまして、それから7年の月日を越えまして、上熊本~熊本~西熊本間の高架化もありまして新たな駅舎が完成するに至っておりまして、それとともに4階建てでもありました旧駅舎も姿を消すに至っておりました。

 

 新駅舎完成後は、白川口(東口)の整備も行われておりまして、画像にもありますように、駅前にはビックカメラが入るビル(JR熊本白川ビル)や、以下画像の商業施設やホテルが入りますアミュプラザ熊本が入るビル(JR熊本駅ビル)が整備されておりまして、熊本駅の周辺も大きく様変わりするに至っております。

 

 (JR熊本白川ビル)

 
 (JR熊本駅ビル)
 
 
 その一方で、「白川口」の整備によりまして残念ながら姿を消したものがありました。それがしゃもじをかたどりました大屋根でありまして、熊本駅駅舎から熊本市交通局(熊本市電)熊本駅前電停への通路として使用されていたものでありました。今回は、前半に残念ながら姿を消しました「大屋根」に関しまして、後半に「大屋根」の完成直前~直後の姿及び同時に行われておりました熊本市電の改良工事の姿とともに皆様にご紹介してまいります。
 
 
 この「大屋根」とは、「くまもとアートポリス」事業の一環として、平成23年に西沢立衛氏設計のもとつくられたものでありまして、先述のように熊本駅の駅舎から熊本駅前電停への通路として使用されていたものでありました。
 
 しかし、平成28年の「熊本地震」によりまして、耐久性がないとの指摘があった事もありまして、残念ながら解体される事が決まっていたものでありまして、結果令和2年に解体されております。
 
 
 そんな「大屋根」の特徴としましては、ご紹介しておりますように、しゃもじの形をしたのが特徴でもありまして、上の画像からもわかりますように、熊本市電の電停を覆ってあったのが特徴でありましたが、こういった奇作も残念ながら姿を消してしまった事は正直残念でならない所ではありましたでしょうか。
 
 
 ここからは、九州新幹線(博多~鹿児島中央間)が全線開業しました平成23年の前年であります、平成22年に撮影しておりました、熊本市電の熊本駅前~田崎橋間の改良工事の姿であります。
 
 
 熊本市電では、平成23年3月の九州新幹線全線開通を見据えまして、2号線(田崎線)の熊本駅前電停付近からそれより先の田崎橋電停までの区間の軌道改良工事が行われておりまして、この撮影時には完了寸前の段階まで進行されておりました。
 
 この工事は、熊本駅前~田崎橋間を「サイドリザベーション化」と称しました工事を施行しておりまして、これまでが道路の真ん中に路面電車の線路が存在していた所を道の端に移設しまして、その線路があった所を道路化するものでありました。それによりまして、並行します道路が広くなりますので、渋滞の緩和につながっておりました。
 
 
 では、その工事されていた区間をご紹介してまいります。まずは、熊本駅前電停からご紹介しますが、この時点ではホームも移設されておりますし、さらに冒頭ご紹介しました、「大屋根」が既に付けられていた事がお分かりいただけます。
 
 (8500形電車8503号)
 
 
 この時発表されておりました、熊本駅東口(「白川口」)周辺の完成予想図、その下の画像が向かいの所から見ました「大屋根」です。この時は、「大屋根」の周りでは工事が行われていた事もわかりますが、やはりJRの駅舎から市電のホームに移動するためとして、濡れないで移動できるようになっておりましたので、形からしてもユニークさが出ていて良かったのではないかとも思っております。しかし、残念ながらそのユニークなものがその後解体に至っておりましたので、正直残念に思う所ではなかったでしょうか。
 
 (向かいの交差点から見た「大屋根」)
 
 
 次は、熊本駅前電停の次の二本木口電停から田崎橋電停までの区間をご紹介します。この二本木口~田崎橋間では、これまでと同様単線となっておりまして、以前と変わらない形態となっております。尚、この区間はわずか200メートルしかなく、熊本駅前電停から数えましても熊本駅前電停から二本木口電停までがこちらもわずか300メートルしかないため、合計で500メートルしかありません
 
 (熊本駅前方)
 
 (同、別の位置から)
 
 (田崎橋方)
 

 そして、こちらが田崎橋電停です。
 
 (「田崎橋」表示)
 
 この電停は、平成22年4月末からこの電停に移設されておりましたが、上・下の画像を見ましてもアーチ状の電停になっている事がおわかりいただけます。尚、これまでは後述のように片側1面の電停となっておりましたが、新たに設けられた電停では2面の電停になっておりまして、熊本駅方面のホーム・降車ホームと分けられております。
 
 (熊本駅方面のホーム)
 
 (降車ホーム)
 

 一方、この訪問時には旧ホームも残されておりました。先述のように、旧電停は片側1面のシンプルなホームになっておりまして、屋根もたいした屋根ではなく、降車された後道路を横切らないといけないため、昔の方が明らかに大変ではなかったかと思います。そう考えますと、「サイドリザベーション化」もわからない所ではないかとも思います。
 
 (熊本駅方)
 

 そして、その後の区間であります。現在この区間では画像にありますように緑化が進んだ形となっておりますが、この緑地帯は、鹿児島市交通局の路線で見られるように、「緑のじゅうたん事業」の一環として整備されておりまして、その後辛島町電停~水道町電停までの区間も整備が行われる事になる訳でありますが、この区間がこの事業の先端とされる区間でもありました。

 実際に、以下画像の熊本駅前~二本木口間や、
 
 二本木口~田崎橋間に関しましても、現在は緑地帯に変わっておりまして、緑の芝生が鮮やかな姿がこの区間におきまして見る事ができるようになっておりまして、まさに「緑のじゅうたん事業」にふさわしい所も見られている事がお分かりいただけるのではないかとも思います。
 
 【これらは踏切から撮影しています】
 (単線に変わるポイント付近)
 
 (奥が田崎橋電停)
 
 (田崎橋電停)
 
 
 今回は、前半に姿を消した熊本駅前の「大屋根」に関しまして、そして「大屋根」と同時に進行しておりました改良工事をご紹介しましたが、「大屋根」が撤去された事に関しましては、やはりこの熊本の玄関口の目玉となるものが見られなくなったのが正直残念な所ではなかったでしょうか。やはり耐久性がないと言う指摘があった事は残念であると言わざるにを得ない所ではなかったかとは思いますが、今となれば仕方がなかったでしょうし、それとともに改良工事もそのような形で見られていたのもわかる所でもありましょうか。とにかく、イメージも大きく変わりましたが、この姿を思い返してはいかがかとは思っております。