九州産交バスには、福岡~熊本線「ひのくに号」向けに、様々なタイプの車が導入・運行されておりますが、現在見られますのが主に上の画像にあります日野セレガ、さらにいすゞガーラ・三菱エアロバス・三菱エアロエースと言った純正車両がメインとなっております。
実際に、画像1・2の最も多く導入されております日野セレガに関しましては、画像1の現行タイプの前期仕様(熊本200か・670、PKG-RU1ESAA)や、画像2の車のように現在のスタイルでありますフロントマスクに変化が見られた車(熊本200か・862、LKG-RU1ESBA)と言った車も見られておりまして、多く導入されていたからこそ見られる部分さえもあるのが現状でもあります。
こちらは、日野セレガと同じジェイバス架装で少数ながら導入されておりますいすゞガーラ(熊本200か11-27、QRG-RU1ASCJ)でありますが、フロント以外は日野セレガと同じスタイルである事がわかります。尚、この撮影時は長崎線「りんどう号」として運行されていた時でありまして、4列シート運行路線であるがゆえに「ひのくに号」以外の路線でも運行される事がある事がわかるのではないかと思います。
また、次いで多く導入されている所が見られております三菱エアロエースに関しましても、BKG-規制車から2TG-規制車までが見られておりまして、画像にはありませんが「令和顔」の車まで導入されておりますが、やはりフロントを中心に変化が見られている所が特に見られておりまして、実際に画像4のBKG-規制車(熊本200か・806、BKG-MS96JP)画像5の2TG-規制車(熊本200か15-87、2TG-MS06GP)とでは違いが見られている事もお分かりいただけるのではないかと思います。
(熊本200か・806)
(熊本200か15-97)
さて、このように現在は純正車両が多く見られるようになりました「ひのくに号」などの4列シート路線でありますが、かつては西日本車体(西工)の架装車両もこの路線に入っておりまして、S型架装車におきましては「ひのくに号」の専用塗装でもありました「青十字塗装」の車も見られておりまして、これらは「デラックスひのくに」とも称されていた車でもありました。
そして、これからご紹介します92MCC-I架装車も「ひのくに号」向けに8台導入されまして運行されておりましたが、これらは現在は全車「ひのくに号」の運用から離れまして他路線に転用されましたが、現在は廃車が進んでおりまして、現在はこれからご紹介します1台が残るのみとなっております。今回は、導入されておりましたこの92MC架装車全8台に関しまして、皆様にご紹介してまいります。
(熊本22か32-95)~撮影当時「ひのくに号」時
(熊本22か32-96)~後述
この92MC架装車は、ご紹介しておりますように8台が平成11年・平成12年に導入されておりまして、平成11年に7台、平成12年に1台が導入されておりまして、これらは、いずれも日野セレガのシャーシをはいておりまして、形式はKC-規制にあたりますのでKC-RU3FSCB、「ひのくに号」向けで各停便としても運行される事を想定しまして画像のように折戸であるのが特徴でもあります。尚、平成12年導入の熊本200か・・61では、他の7台とは違いましてリアスポイラーは装備されておりません。
また、特徴としまして床下トランクもかつての空港連絡バスで見られておりました両引戸と言う形となっているのが特徴でもありまして、普通が上げ下げする形となっておりますので、こう言った所で変わった姿が見られておりました。
(熊本200か・・61)
(乗客が荷物を取り出すシーン)
車内は、画像のように4列シート・中央トイレ付となっております。また、座席にはテーブルも設けられておりますし、トイレに行く所にはサービスコーナーも設けられておりまして、そう言った装備からも「デラックスひのくに」と称されておりました末期の姿を見せておりました。さらに、テレビモニターも以下画像にありますように以前は設置されておりまして、ビデオ→DVDの視聴ができておりましたが、その下の画像にもありますようにその後モニターは撤去されております。
(平成22年乗車時)~ビデオデッキからDVDプレーヤーに換装されておりました
(平成29年乗車時)~モニターは撤去されています
また、マルチステレオの操作盤も変化が見られておりました。基本的には以下画像の穴が2つありますイヤホンが使用されておりますが、「りんどう号」や「ぎんなん号」に転用されておりました一部車両ではのちにイヤホンジャックの穴が1つしかないタイプに換装されておりました。
(穴が2つあるタイプ)
(穴が1つあるタイプ)
では、ここからが導入されました全8台であります。先述のように、平成11年に7台、平成12年に1台が導入されておりまして、いずれも「ひのくに号」として導入されていた車たちでもあります。
【平成11年導入】
(熊本22か32-94)
(熊本22か32-95)~「ひとよし号(この時は熊本空港リムジンバス)」時、LED改造後
(熊本22か32-96)~幕式行先時代
(熊本22か32-97)~「ひとよし号」時、LED改造後
(熊本22か32-98)
(熊本22か32-99)~LED改造後
(熊本22か33-00)
【平成12年導入】
(熊本200か・・61)
ちなみに、平成11年・平成12年には三菱エアロバスが同時導入されておりまして(平成11年熊本22か32-88~32-91、平成12年熊本200か・・59~・・60)、両年とも西工架装日野セレガ・三菱エアロバスが続番もしくは近い番号で存在しておりまして、こう言った所でも2タイプが複数台導入されていた事が伺えております。
こう言ったタイプが、「ひのくに号」の他、のちに「りんどう号」や「ぎんなん号」に転用された路線も見られておりまして、熊本発着の路線で使用されておりました。画像の熊本22か32-94の場合を見ましても、「りんどう号」や「ぎんなん号」での姿が見られておりましたが、その下の画像にありますように、これら8台に装備されておりました方向幕では各路線に対応されていた事もお分かりいただけるのではないかと思います。
(「りんどう号」時)
(「ぎんなん号」時)
(行先表)~実際に当時確認済
しかし、平成23年の新八代~宮崎線「B&Sみやざき」が運行されるようになった事をきっかけに変化が見られるようになりまして、全8台中5台が産交バス八代営業所に転属した上でこの路線に転用されるようになりました。それに伴いまして、当初は上の画像の熊本22か32-96のような形でありましたが、後に方向幕は使用されなくなりまして、サボで賄う形に変更されておりました。
(熊本22か32-99)~幕は「B&Sみやざき」に固定して、サボで行先を表示
その後、この5台中2台(熊本22か32-95及び32-97)は、日野セレガ新車導入に伴いまして産交バス人吉営業所に転属しまして、上の画像にありますように「ひとよし号」に転用されておりましたし、さらに2台(熊本22か32-94及び32-99)も産交バス天草営業所に転属しまして、「あまくさ号」に転用されておりまして、これらは、いずれもLED行先に変更されておりまして、見た目にも変化が見られる事になりました。
(熊本22か32-94)~「あまくさ号」転用後
(熊本22か32-95、側面LED部分)~「空港リムジン」時
さらに、「ひとよし号」の一度廃止(平成26年)に伴いまして、人吉営業所に所属しておりました2台も天草営業所に転属しておりますし、八代営業所に所属しておりました1台(熊本22か32-96)も天草営業所に転属しておりまして、「B&Sみやざき」に使用されておりました車全てが「あまくさ号」に転用するに至っておりまして、いずれも産交バス間での転属も見られておりました。
(熊本22か32-97)~「あまくさ号」転用後
また、車両の動きがあまり見られませんでした幕式の車両(熊本22か32-98・33-00、熊本200か・・61)は、「ひのくに号」以外にも「やまびこ号」や福岡~黒川温泉線で見られておりました。しかし、平成29年頃から順次廃車が始まりまして、その結果幕式の車両は全廃となっておりますし、「あまくさ号」に使用されております5台の車もこのうち4台が廃車となっておりまして、現在は画像の熊本22か32-96が残るのみとなっております。
(超特急スーパーひのくにさん画像提供)
過去撮影の熊本22か32-96であります。「熊本22か」というナンバーからも考えてみましてもこの車も今年でもう25年と四半世紀になる車でもありますし、そして廃車になった車も見られている事に関しましても仕方ない所ではありますが、それでもこのように健在な姿が見られている事は、「まだまだ頑張れるよ」とアピールしているさえも思わせる部分ではないかと思います。やはり、初代純正セレガも存在している事を思いますとこの存在感も大きいのではないかとも思う所ではありますので。
この時は、待機・休憩しておりました本荘町の車庫から桜町バスターミナルへ回送しまして、この後「あまくさ号」として天草本渡へと向かう事になろうとする姿でありました。そのため、途中で行先も変えておりまして、この後は最後の画像にもありますように桜町バスターミナルで乗客を乗せまして戻る事になります。それにしても、独特のエンジン音、そしてフィンガーコントロールの音がより懐かしさを感じさせられる所でもあります。
今回は、現在も1台が残存します、元「ひのくに号」用の西工92MCC-I架装日野セレガに関しましてご紹介しましたが、それだけ台数が減っていたのも、それほど西工架装車と純正車両との対照さが出ているのも考えられますが、それとともに「B&Sみやざき」に運行されておりました日野セレガが相次ぎまして「あまくさ号」に転用が進んでもいますので、残る1台に関しましても今後も気が気でない域である事には間違いないようです。現在では各社西工92MC・02MCC-I架装車が相次いで廃車の流れが見られている昨今ではありますが、最後の1台となりましたその車も引き続き元気な姿を見せていただきたいものであります。