番外 産交バス「ひとよし号」第2期時代、平成16年~平成26年一度廃止まで運行されていた頃の記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 当ブログでもこれまでもご紹介しておりましたように、産交バスが運行しておりました熊本~人吉線「ひとよし号」は、令和2年7月末をもちまして廃止となりまして、熊本から人吉間へは現在は熊本~宮崎線「なんぷう号」、熊本~鹿児島線「きりしま号」が大きな利用手段となっております。

 

 この「ひとよし号」とは、平成26年9月30日に一度廃止されておりましたが、平成31年4月より運行本数は1往復ながらも運行されるに至っておりまして、4列シートの三菱エアロバス(熊本22か32-91、KC-MS829P)や、3列シートの日野セレガ(熊本22か31-12、KC-RU3FSCB)が産交バス人吉営業所に転属の上でこの路線に使用されておりました。

 

 この運行形態では、「ひとよし号」1往復に加えまして、画像のように熊本市内~熊本空港間の「熊本空港リムジンバス」としても運用に入っておりまして、実際に活躍する姿も見られておりました。しかも、時には3列シートも運用に入る事もありましたので、もしもその場合では乗り得でもあったようでありました。

 

 

 しかし、元々から利用者が少なかった事もありまして、同年6月に7月末の運行をもちまして廃止となる事が決まっておりましたが、7月に人吉市内などで発生しました「熊本豪雨」によりまして、運行を担当しておりました上の画像の産交バス人吉営業所(人吉産交)が水没する車両まで発生するほどの被害を受けておりまして、この中には専用車でありました三菱エアロバスや日野セレガも被害を受けていた事もありまして災害以降は運休となりまして、そしてそのまま運行は終了、専用車両も残念ながら廃車へと至ってしまっておりました。

 

 【令和2年12月撮影】

 (熊本22か32-91であった車)

 

 (熊本200か・686(日野U-RJ3HJAA)の後ろに熊本22か31-12であった車)

 

 上の画像でもありますように、この訪問時にも、人吉産交には専用車でありました2台が駐車しておりました。しかし、画像からもわかりますようにナンバープレートは取られておりますし、方向幕も抜かれておりましたし、車体には浸水して走行不能となった事をを表すものが記載されておりまして、本社があります熊本へは運ばずにこの地で全うしてしまっていた事が伺わせておりまして、その後解体場所まで営業所からレッカー移動されております。

 

 

 さて、今回ここからご紹介しますのは、その「ひとよし号」の「きりしま号」の廃止に伴いまして、熊本~人吉間を短縮した形で運行されるようになりました平成16年から、一度廃止される事になりました平成26年までのいわゆる第二期の記録に関しまして皆様にご紹介してまいります。

 

 

 元々この「ひとよし号」は、昭和30年代より国道経由で運行されておりまして、その後高速道路経由に載せ替えまして運行されておりました。しかし、熊本~鹿児島線「きりしま号」の増便に伴いまして、「ひとよし号」は減便を繰り返しまして、平成4年に一度廃止されましたが、今度は平成16年に九州新幹線開通によります「きりしま号」の廃止に伴いまして、熊本~人吉間を短縮した形で運行されておりまして、この「ひとよし号」では、当初は4往復で九州産交バス・産交バス運行で熊本~人吉産交間で運行されておりました。

 

 

 この頃の「ひとよし号」使用車両のうちの1台であります。他にも、これまで「きりしま号」で使用されておりました3列シート車や、元「ひのくに号」に使用されていた「青十字塗装」の4列シート車など、他の路線に使用されていた3・4列シート車が使用されておりました。

 
 (熊本22か30-20、日野U-RU2FTAB)~偏心3列シート車、現在廃車
 
 尚、熊本~人吉産交間には、この他にも熊本~宮崎線「なんぷう号(各停便)も停車しておりましたが、「きりしま号」一旦廃止後の平成18年には人吉産交経由は廃止されておりまして、以降は「ひとよし号」のみが人吉産交に乗り入れるようになっておりました。
 
 (平成26年撮影、人吉インターにて、路線図)~「ひとよし号」以外は人吉産交に停車しなかった事がわかります

 

 

 しかし、「なんぷう号」各停便が人吉産交に乗り入れなくなった後も利用者減によりまして減便されまして、さらに「きりしま号」は平成21年に九州産交バス運行で再び復活(当初は愛称なし)、現在は鹿児島交通・南国交通も運行会社に加わっておりますが、その代わりに「ひとよし号」は減便を繰り返しまして、一時期は以下画像のように多良木発着でも1往復運行されておりました。

 

 
 そして、平成25年には「ひとよし号」はついに画像のように1往復に減便されておりまして、多良木発着便は廃止されておりました。正直、減便を繰り返した結果ではありましたが、この時点でも辛うじて残ってくれてよかったのでは?とも思った所でしょうか。
 
 (一度廃止前「ひとよし号」熊本行き時刻)~人吉インターにて
 
 
 そんな「ひとよし号」の廃止末期に使用されておりました車は、画像の西日本車体(西工)C-I架装車の日野セレガ(KC-RU3FSCB)2台でありまして、これらは新八代~宮崎線「B&Sみやざき」から転用されていた車が使用されておりまして、産交バス八代営業所から人吉営業所に転属しておりました。これらは1台運行ではありましたが、それぞれが交互に使用されておりました。
 
 (熊本22か32-97、形式同)~4列シート車、現在廃車
 
 また、1往復となった事から熊本市内でも「空港リムジン」としてもこれまでと同様間合いで使用されておりまして、以下画像がその時の姿でもありました。実際見てみまして、私もまさかこのような形で使用されるとは思わなかったのでは?とも思う姿でもありました。
 
 (熊本22か32-95、日野KC-RU3FSCB)~4列シート車、「空港リムジン」時
 
 
 けれども、「ひとよし号」は平成26年に一度廃止されまして、以降平成31年4月まで人吉インター~人吉産交間では高速路線バスが走る事はありませんでした。使用されておりました車両に関しましても、天草営業所に転属しまして熊本~天草間の快速「あまくさ号」に転用されましたが、その後いずれの車とも廃車となっております。
 
 
 そして、冒頭述べましたように、その後平成31年から令和2年までの2年間、「ひとよし号」の第3期として、熊本~人吉産交間が1往復存在しておりましたが、画像の人吉インターバス停~熊本間でも多く運行されております。その運行路線が、いずれも人吉産交に停車した事があります「きりしま号」・「なんぷう号」でありまして、現在は高速道路メインとなりながらも熊本~人吉間の足は引き続き確保されております。
 
 (人吉インターバス停)
 
 (南国交通「きりしま号」、鹿児島200か15-72、三菱QRG-MS96VP)
 
 (九州産交バス「なんぷう号(ノンストップ便)」、熊本22か31-82、三菱KC-MS829P)
 
 
 また、かつて「ひとよし号」が停車した事もあります坂本・鮎帰・小鶴・山江各バス停など高速道路上のバス停に関しましては、画像の「なんぷう号」の各停便が停車する事で4往復が残されておりましたが、城南・宮原・八代インター(「きりしま号」のみ停車)各バス停を除きまして平成27年に廃止されておりまして、特に坂本・鮎帰・小鶴・山江各バス停に関しましては人通りも少ない所にバス停が設けられておりましたが、「ひとよし号」が復活後も停車する事はありませんでした。
 
 (宮崎交通「なんぷう号(各停便)」宮崎230あ・138、三菱KL-MS86MP)~平成25年撮影

 
 
 今回は、「ひとよし号」の第2期であります平成16年~26年までの運行時の姿に関しましてご紹介しましたが、かつて人吉産交に停車しておりました「きりしま号」・「なんぷう号」が人吉インターで乗り降り扱いする事で熊本への利用者の利便性を確保しておりますので、そんな中での「ひとよし号」としての復活には正直驚く所ではあった事を覚えております。しかし、そんな「ひとよし号」は、一度廃止→第3期運行→再び廃止となりました今、再び元の形態へと戻ってしまっておりますが、JR肥薩線も運転見合わせとなっている今でもありますので、これからもこれら路線によって足を確保していただきたいと思っております。