番外 現在はもう存在せず、他社に移籍した、西鉄バス北九州~熊本線「ぎんなん号」専用車西工S型4台 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 今から約6年前になります、平成30年11月30日まで、九州産交バスでは熊本~北九州線「ぎんなん号」が運行されておりました。

 

 「ぎんなん号」は、平成元年に西鉄バス・九州産交(→九州産交バス)の2社で9往復にて運行開始されておりましたが、運行開始時は休止末期時のような3列シートによる運行でありました。
 
 当時は、「ぎんなん号」自体も多くの利用者を得ていたようでありまして、JR特急で存在しておりました「有明」・「つばめ」とと争う立場でもあったほどでありまして、平成11年には、積み残し対策としまして全車が4列シートに置き換えられました。そのため、九州産交では画像の三菱エアロバスが「ぎんなん号」専用車第3世代として三菱エアロバスが、西鉄バスもこれからご紹介します西日本車体(西工)S型の三菱エアロバスが使用されておりました。
 
 
 しかし、平成22年に西鉄バスが撤退しまして、九州産交バスの単独運行となり平日6往復・土休日7往復での運行となりました。この西鉄バスの撤退は、この時施行されておりました高速1000円の影響をもろに受けていたとの事でありまして、そう言った事から九州産交バス単独運行へと至っておりまして、単独運行となりましてからは、4列シート車が使用されていた事もありましたが、その後は上の画像にありますように他路線から転用されました画像1の日野セレガの3列シート車(熊本22か31-57・KC-RU3FSCB)や三菱エアロバス(熊本22か30-25、U-MS826P)が使用されておりました。
 
 
 平成27年には、利用者減に加えまして乗務員不足の問題もありまして本数が3往復に減便されまして、料金もカレンダー運賃を採用するようになりまして、平日(月曜~木曜(祝日除きます))は通常運賃3290円を最安で「平日割引」が2780円、「WEB早割7」を利用しますと平日2640円金・土・日・祝日が3130円、「WEB割」が平日2720円金・土・日・祝日が3220円でそれぞれ利用できるようになっておりまして、早割運賃はクレジットカード決済であるならば割安で利用する事も可能になっておりまして、総合的には平日の利用がお得となっておりました。
 
 
 平成29年には、北九州側におきまして、これまでの小倉(砂津)発着から新門司港発着に改まっておりまして、新門司港を発着します大阪南港へ運航されております名門大洋フェリー利用者に向けたものでありまして、新門司港には九州産交バスのバス停まで設けられていたほどでありました。尚、所要時間は約3時間20分(熊本交通センター~小倉駅間)となっておりまして、途中広川サービスエリアでは30分もの休憩時間が設けられてもいました。

 

 

 それでも、利用者増には至る事もなく、結局平成30年11月30日をもちまして「ぎんなん号」は運行を休止しておりまして、要因としまして現在使用されております車両も登録から20年以上になる事もあり、車両の経年に達しつつあるためである事、また、九州新幹線の存在もありまして、多くの方の移動手段が新幹線に傾いたとも言われております。

 
 
 現在、九州産交バスの元「ぎんなん号」専用車は、上の画像にあります3列シート車が三菱エアロバス・日野セレガとも全廃になりましたし、第3世代の三菱エアロバス(KC-MS829P)に関しましても令和2年の「熊本豪雨」で熊本22か32-91が水没しまして廃車になりましたし、それ以外に関しましても廃車が進みまして、第3世代の車両も全廃となったようであります。
 
 (熊本22か32-88)~令和3年廃車
 
 
 そして、平成22年まで共同運行会社でありました西鉄バスに関しましても、「ぎんなん号」撤退後には、撤退時の専用車全4台はいずれも西鉄グループ内の大分県内の事業者に移籍しておりまして、第2の車生を歩んでおりましたが、こちらも既に全車廃車となっておりまして、その姿は見る事ができません。今回ここからは、大分県内の事業者に移籍しておりました、元「ぎんなん号」として使用されておりました全4台に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 「ぎんなん号」撤退時の西鉄バスの専用車は、いずれも平成10年に導入されました車でありまして、西日本車体(西工)S型架装車によります三菱エアロバス(KC-MS829P)でありました。これらは、うち2台が新製配置が福岡高速営業所で福岡~大分線「とよのくに号」に一度使用されていた経緯を持つ車、残り2台が北九州高速営業所に新製配置されておりました。したがって、北九州22ナンバーであった車が新製配置が北九州高速営業所北九州200ナンバーであった車が一度福岡高速営業所に所属していた車と言う違いが見られておりました。
 
 (3326)~一度福岡高速営業所に配置されていた経緯を持ちます 
 
 
 そして、平成22年に西鉄バスは「ぎんなん号」から撤退します。撤退直後の車両3台(左から3326・3323・3327)の姿が画像の姿でありますが、画像のように北九州高速営業所で方向幕を取られた状態で留置されておりまして、ドアが開いている車もありましたので、このまま廃車になるのか、海外に渡るのか?とさえも思ったほどでもありました。
 
 このうち、手前の3327で見られておりました、方向幕行先表でありますが、この車には北九州発着路線3路線の行先が入っていた事がわかります。しかし、これら3路線とも平成22年までに西鉄バスの運行は撤退(熊本線・長崎線「出島号」)・廃止(佐世保線「九十九島号」)されておりますので、使用されなくなった事も伺える所でもありましたでしょうか。
 
 
 その後、3326・3327が日田バスに移籍される事になります。画像は日田営業所にやってきた際の姿でありますが、この時はいずれも北九州ナンバーのままでありまして、移籍直後であった事がこれからも伺える所でもありました。尚、上の画像におりました3323は後述のように亀の井バスに移籍しておりました。
 
 (3326)
 
 (3327)
 
 
 ここからは、移籍後の4台の姿をご紹介してまいります。まずは日田バスに移籍しました3台に関しましてご紹介しますが、移籍されますと、西鉄社番から日田バス社番に変わりまして、日田バスの高速路線におきまして運行される姿が見られておりました。
 
 (3326→日田バス480号)
 
 (3327→日田バス481号)
 
 (3328→日田バス410号)
 
 このうち3328に関しましては、上の画像の3326・3327のような流れではなく、一度西鉄バス北九州小倉営業所に転属しまして、北九州~大分線の予備車として運行されておりました。ただ、当時の北九州~大分線はコロナ禍前までの「ゆのくに号」のような盛況感はなく、従来は3列シート車による運行に4列シート車が入っておりましたので、稼働する機会も少なかったようであります。
 
 
 その後は、福岡高速営業所に転属しまして、画像の福岡~熊本線「ひのくに号」にも使用されておりましたが、平成24年に他の2台から2年遅れまして日田バスに移籍されまして、日田バスの運行路線で運行されておりました。
 
 
 しかし、これら3台は平成28年中にいずれも廃車となりました。画像は、480号の平成27年撮影時の姿でありましたが、よく見ますと車体の足回りは痛みが見られておりまして、見た目からも老朽化が進んでいるようでありました。やはり、それほど連日大分自動車道を中心としまして走っていた証がこの姿からも出ていた事が伺わせておりました。
 
 
 そして、もう1台が亀の井バスに移籍しまして、大分200か・484に改番されまして、「とよのくに号(福岡~別府系統)」・「ゆふいん号」に使用されておりました。特徴は、画像のように「火の鳥塗装」を残しておりまして、西鉄のロゴなどを消しまして運行されておりました。
 
 しかし、この車に関しましては平成26年ごろに新たな移籍車両の導入によりまして廃車となっておりまして、元「ぎんなん号」専用車でありました車の中では最初の廃車となっておりました。私自身も、この車に関しましては上の画像の姿以外は一度リア画像を収めただけで収めておりませんでしたので、正直まだ収めたかった所ではあったほどでした。
 
 
 今回は、西鉄バスの元「ぎんなん号」に使用されていた専用車4台の撤退後の姿に関しましてご紹介しましたが、これら元「ぎんなん号」専用車4台は、九州産交バスの車よりも先に全廃となっておりまして、稼働している姿はもう見る事はありません。それほど西鉄グループでのサイクルが早い事も伺える所でもありますが、かつては多く存在していたその西工S型架装車自体も、高速として運行されております車自体九州にもう1台も存在していない事を思いますと正直仕方がない所ではあります。そんなこれらが活躍していた「ぎんなん号」ももう存在しませんが、これら4台も「記憶憶に残る4台」として思っていただければと思います。