当ブログでは、前々回NO.2869におきまして、長崎県平戸市の玄関口でもあります平戸桟橋ターミナル、前回NO.2870におきましては対岸の田平港ターミナルビルに関しまして皆様にご紹介しておりました。
平戸桟橋ターミナルは、正式名称は「平戸市観光交通ターミナル」と称されておりまして、バスでは平戸桟橋バス停として西肥自動車(西肥バス)・生月自動車(生月バス)・さつき観光が、フェリーでは平戸港として平戸市フェリー運航の大島フェリー、竹山運輸運航の度島フェリーがそれぞれ発着しておりますし、ターミナル内には平戸市観光案内所も設けられておりまして、平戸市の交通・観光の拠点でもあります。
そんな現在の建物は平成26年に建て替えられておりまして、画像2にあります待合所では椅子の他、畳敷のスペースもありますし、バス利用者・フェリー利用者向けに乗車券・乗船券販売のためのカウンターも設けられております。
一方、田平港ターミナルビルは2月末まで西肥バスの発券窓口も設けられておりましたし、以前はまだ広いバス待合スペースでありました。しかし、利用者が減っている事などもありまして窓口・待合スペースとも規模を縮小しておりまして、以下画像のような姿になっておりましたが、残念ながら窓口は廃止に至っております。
また、長らくバス停の名称でありました「平戸口桟橋」から、今年の4月より「田平港」に改称されておりまして、実際に画像の姿からもわかるのではないかと思います。かつてはこの地からも福岡・長崎・嬉野方面まで運行されてもいましたし、平戸口にも営業所が設けられていたほどでしたが、ついに改称に至った事はやはり残念かなと思う所でしょうか。
そんなこのバス停前には「平戸瀬戸市場」などの施設が見られておりまして、この日は平日ではありましたが、多くの観光客らの姿が見られておりました。しかしその利用のほとんどがマイカー利用でありますので、これが残念ながらバス利用に反映されていないのは正直残念な所でもありましょうか。
さて、今回ご紹介しますのは、西肥バスの平戸地区のバス拠点でもあります平戸営業所に、12年ぶりに訪問しておりましたので、皆様にご紹介してまいります。
まずご紹介しますのは、前々回ご紹介しました平戸桟橋バス停のバスの時刻表です。ご紹介しておりますように、現在平戸ローカルでは廃止された路線が見られておりまして、特に平戸島内の幹線でありました宮の浦・志々伎方面までも廃止されておりまして、この時刻表からは表示されなくなっております。尚、宮の浦・志々伎方面を含みます中南部地域は、現在は「平戸ふれあいバス」に移管されておりまして、交通弱者の足を確保しております。
(平成29年撮影)~その頃からしますとローカル線は減っています
こちらは路線図であります(西肥バスHPより引用)。現在北端は田の浦バス停、南端が平戸高校前バス停であります。しかし、先述のようにまだ多くの路線が存在していました平戸島の路線ではありますが、残念ながら廃止・コミュニテイバス移管へと至っておりまして、規模縮小が明白になっている事がわかります。
ここからは、平戸営業所、そして前々回もご紹介しました平戸桟橋ターミナルでの画像より、今回撮影平戸営業所路線車をご紹介してまいります。先述のように、相次ぐ路線縮小もありまして、所属車両も大きく減っておりますが、それでも大型車両は平戸地区路線の他平戸~佐世保間の「半急行」でも使用されますので、佐世保市内でも見る事ができる車たちでもあります。
まずは、今回撮影唯一の中型車両であります三菱エアロミディ(F544・三菱U-MK218J改)であります。こちらは前々回でもご紹介しておりましたが、元は神奈川中央交通(神奈中)からの移籍車でありまして、東部営業所からの転属車であります。
そんなこのタイプもU-規制でもある事から廃車が見られている車でもありますが、このように状態もいい形で見られている事は、それほど大切に扱っている事を伺わせる姿でもありましょうか。
次は、日野ブルーリボンシティ(KL-HU2PLEA)であります。このタイプは平成26年に2台移籍導入さておりまして、いずれも東武バスウエストからの移籍車でもあります。
(H261)
(H262)
その東武バスウエストからの移籍車の証としまして、側面下部にあります給油口が2つ見られているなど、東武時代の特徴を出しているのが大きな特徴でもあります。また、中ドアの所には注意書きも残されておりまして、こういう所が前事業者の特徴を残していると言ってもいいかとも思います。
これらは、当初はいずれも画像にもあります北部営業所に所属しておりましたが、後に平戸営業所に全車転属しております。特にH261には画像のようにラッピングも施されてもいましたが、そのラッピングも解除した状態で現在は平戸営業所に所属しておりますが、情報では予備車との事で、佐世保へ足を運ぶ事も少ないようでもあります。
(H261)~ラッピング時代
(H262)
次は、西日本車体(西工)架装車をご紹介しますが、画像はB-II架装車でありますF494(三菱KC-MP717M)であります。
この車は平成9年式でありまして、平成9年・翌10年と、三菱ふそう・日野・日産ディーゼルの3メーカーにおいて、少数ながら自社発注にて西工96MCB型架装車が導入されておりまして、このうちの三菱車の1台がこの車でもあります。この西工架装車も、自社発注車はこの1台しか存在しておりまして、貴重な車でもありますが、これまでも北部・東部各営業所で収めておりましたが、この後平戸まで移っていた姿を今回収める事もできておりました。
(北部営業所で撮影)
(東部営業所で撮影)
また、移籍車では2台存在しまして、こちらも三菱エアロスターシャーシ(KC-MP717M)をはく車でもありますが、今回1台を収める事ができておりました。
(F588)
この車は平成11年式でありまして、こちらは西日本車体(西工)B−I型架装車でもあります。この前歴は京都市教育委員会でスクールバスとして使用されておりまして、また、スクールバス専用車であった事もありまして、座席交換やワンマン路線化改造も平成24年の移籍時に佐賀県の共栄車体工業(現・西鉄車体技術)で施されておりました。
西肥バスには、F587・F588として導入されておりまして、これらはこれまではハイデッカータイプ(日野ブルーリボン)に施されておりました長崎県自動車整備振興会が広告主の「てんけんくん」ラッピングが施されておりまして、平戸~佐世保間を中心に運行されておりますが、F587はその後解除、親和銀行(現・十八親和銀行)の「arecore nimoca」ラッピングに変わりましたが、それも解除されまして現在に至っております。
(F587)~「arecore nimoca」ラッピング時
次は、前々回もご紹介しました、昨年暮れに導入されました三菱エアロスター(F400・2PG-MP38FK)であります。
この導入は、3台導入のうちの1台でありまして、平戸営業所にはこのF400の他F401、そしてもう1台F402は東部営業所で新製導入でもありまして、平戸営業所では久々の新製導入車となっております。また、USBポートも設置されてもいますし、「半急行」としても使用される事もありまして、佐世保へ足を運ぶ事もあります。
また、最近の西肥バス新車で採用されております白色LED行先となっております。この時は先述のように平戸ローカルの南端でもります平戸高校前バス停までとなっておりましたが、先述のようにそれより南へは運行されておりません。
(リア行先)
(側面行先)
次は、横浜市交通局(横浜市営バス)からの移籍車であります三菱エアロスター(F565・KC-MP717K改)であります。
この車は、横浜市営バスから移籍後は、北部営業所に配置されまして運行されておりましたが、その後平戸営業所に転属しております。この車といいますと、他の車でも見られます明太子メーカーのラッピングが大きく見られておりまして、大変目立っている事がわかります。
(「半急行」運行時)
この時は、上の画像のように平戸営業所、そして前々回もご紹介しましたように平戸桟橋ターミナルでも収めておりましたが、横浜市営バスからの移籍車らしく行先表示器が前方に取り付けられていると言うのも、当時の姿が偲ばれるような姿ではないかとも思います。それにしても、この姿からも明太子が目立っているのもお分かりいただけるのではないでしょうか。
次は、大阪府の高槻市交通部(高槻市営バス)からの移籍車(KC-MP717M)です。この高槻市営バスからの移籍車は、F593・F594・F596・F597と合計4台が導入されておりましたが、現在平戸営業所にはF593・F594が所属しております。
(F593)
(整備場内にF594)
このうちF593が移籍当初は北部営業所に所属しておりましたが、その後平戸営業所に転属しております。また、F594は当初から平戸営業所に導入されまして、当初はハイデッカーから継承されました、その下の画像にあります家具店のラッピングを施しまして、主に佐世保~平戸間の「半急行」を中心に運行されておりましたが、その後は上の画像のように解除されております。尚、その家具店のラッピングはF593に継承されておりまして、引き続き平戸営業所におけるラッピングのリレーは続いております。
(F594)~ハイデッカーから継承の近藤家具ラッピング(その後解除)
そして、最後にご紹介します2台はいずれも大阪のコムアート交通からの移籍車でありまして、こちらもいずれも三菱エアロスターでありまして、いずれも長尺の車でもあります。しかも、うち1台は丸目4灯でありまして、西肥バスの車では現在唯一の丸目4灯の車でもあります。
まずはF583(KC-MP717P)であります。このF583は平成24年に移籍しておりまして、以来「半急行」や平戸ローカルで活躍する姿が見られております。
この車、そしてもう1台の特徴は、ツーステップであるとともに、中ドア4枚折戸・銀窓・逆T窓・ハイバックシートと言う変わった特徴が前事業者らしさを出しております。それにしても、銀サッシに黒ドアとは、こうした所からも変わった一面が見られている事もわかるのではないでしょうか。
(銀サッシ・ハイバックシート)
(黒地のドア)
この車の稼働時であります。画像のように「半急行」で稼働する姿も見られますが、他の路線車両と比べますとこの車の方が現在一番「半急行」に、そして後述の車が2番目似合っているようにも思います。尚、その下の画像のようにラッピングを施した事もありますが、現在は解除されております。
そして、もう一台が丸目4灯のエアロスター(F541・KC-MP617P)でありまして、西肥バスには平成20年に移籍導入されておりまして、平戸営業所に配置されております。
この車も、F583と同様、ハイバックシート・逆T銀窓・黒地の4枚折戸と、コムアート交通ならではの特徴となっておりまして、当初は平戸ローカル線をメインに使用されておりましたが、その後は「半急行」でも活躍するようになりまして、その下の画像のように佐世保市内でも見る事ができております。
(「半急行」運行時)
こちらは、「三菱バスクーラ」のステッカーであります。このステッカーはこの代の三菱ふそうの車両ならではのものでありまして、この代自体廃車が進んでおりますので、ステッカー自体貴重な域でもあるのが現状でもあります。そんな私自身も久しぶりに見る事ができておりましたが、ステッカーの姿など古い印象が出ていいのではないかとも思います。
そして、F541の下であります。画像のようにバンパー、そしてマフラーが見られますが、よく見ましても痛みは感じられないのがわかります。そんなこの車も平成7年式(KC-代初期)でもありますので28年にはなりますが、本当に貴重な車が残っていて良かったなとも思う所ではありましょうか。
今回は、12年ぶりの訪問となりました西肥バス平戸営業所の路線車両をご紹介しましたが、規模縮小により台数が減ってしまっている事は否めませんが、それでも貴重な車が見られているだけでもいいのではないでしょうか。この中には日野ブルーリボンシティやコムアート交通からの三菱エアロスターのような例もあるだけにわからなくはないですし、これら車も「半急行」で佐世保へ行く事もいつもあるとも言えないだけに、こうした車の姿が見られて良かったなとは思っております。尚、今回ご紹介しました車以外にも所属車両もありますが、これからも「半急行」・平戸ローカルそれぞれで活躍していただきたい所であります。