NO.2829 平成28年熊本地震直後に利用、特急格下げ熊本~人吉間快速、熊本~新八代間乗車記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 肥薩線では、平成29年のダイヤ改正におきまして、かわせみ やませみと呼ばれます観光特急列車が運行されておりまして、熊本~人吉間を3往復する姿が見られておりました。
 
 この列車は、画像からもわかりますように、キハ40系気動車(←人吉 キハ47-8087キハ47-90812両で運行されておりまして、車内もリクライニングシートが設けられましたり、展望用に横向きに設けられたカウンター席や、テーブルまで設けられましたボックス席もあるなど、まさに観光列車としての印象を出しておりました。
 
 また、サービスコーナーやショーケース・ビュッフェも併設しておりまして、ビュッフェでは、地元特産の軽食類や球磨焼酎などと言ったお土産物などを販売しておりましたし、ショーケースでは、子供も楽しめられるような絵本などと言った書籍類が見られましたり、「ヤマセミ」・「カワセミ」の置物、さらには肥薩線沿線の「きじ馬」などと言った民芸品や球磨焼酎など、様々なものが棚の中で見られておりまして、乗車時間を無駄にしないような姿も見られておりました。
 
 また、この平成29年の改正では、「かわせみ やませみ」の他にも「いさぶろう」・「しんぺい」熊本~人吉間では特急化されておりまして、計4往復が熊本~人吉間で特急列車が運行されておりました。
 
 (「かわせみ やませみ」サボ)
 
 (キハ40系気動車「いさぶろう」・「しんぺい」)~先頭はキハ140-2125、現在は「ふたつ星4047」に転用、キシ140-4047に改番

 
 しかし、これまでもご紹介しておりますように、令和3年の「熊本豪雨」によりまして、肥薩線は大変大きな被害を受けておりまして、これら列車も現在は別の区間で運行されるに至っております。正直、本来の路線での活躍ができない事に関しましてはもどかしい部分ではないかとは思いますが、別の区間でも活躍の場があるだけでもいいのではないかとも思う所ではあります。
 
 
 さて、今回ご紹介しますのは、「かわせみ やませみ」・「いさぶろう」・「しんぺい」の特急列車が運行開始されました平成29年の改正の前になります、平成28年の改正からの1年間はこの区間には快速列車が運行されておりました。今回はこの快速列車に関しまして皆様にご紹介してまいります。
 
 
 肥薩線系統では、平成28年の改正時までには、熊本~人吉間におきましては特急「くまがわ」、そして別府・大分~熊本~人吉間を運行しておりました「九州横断特急」が運行されておりまして、計5往復10本が運行されておりました。しかし、これら列車がこの改正で廃止される事になりまして、先述のように肥薩線系統の特急列車は姿を消す事にもなりました。
 
 これらは、画像にもありますようにキハ185系気動車によりまして運行されておりまして、これら列車に関しましてはかつてキハ58系気動車で運行されておりました急行「くまがわ」・「えびの」を特急に昇格させたものでもありました。しかし、運行の効率化によりまして「くまがわ」が廃止、「九州横断特急」は熊本駅発着に短縮されておりました。
 
 (「くまがわ」)
 
 その「くまがわ」・「九州横断特急」の代わりに運行される事になりましたのが、これからご紹介します快速列車でありまして、特急列車が運行されていた分本数が確保されておりました。尚、このうちの1往復に関しましては、「いさぶろう」・「しんぺい」でありまして、快速列車として1年間運行後に特急列車として昇格に至っておりました。
 
 
 肝心の使用車両でありますが、画像のようにキハ40系気動車と言ったいわゆる肥薩線系統で見られます近郊型車両が使用されておりました。また、「いさぶろう」・「しんぺい」もキハ40系気動車ですので、ほとんどの列車でキハ40系気動車が使用されておりました。
 
 (サボ)
 
 
 さて、これからは平成28年の訪問時に快速列車の乗車を熊本~新八代間で行っておりましたので、ご紹介してまいります。尚、この時は「熊本地震」直後でもありまして、それに関しまして運行にも支障する姿も見られておりましたので本文中にご紹介させていただきます。
 
 
 画像は始発駅の熊本駅での発車標でありますが、その下の画像にもわかりますように、「快速2両 15:24 人吉」と発車標に書かれておりまして、快速列車が運行されていた事がお分かりいただけるのではないかと思います。尚、停車駅でありますが、この快速列車の停車駅はこれまでの特急列車の停車地を継承しておりまして、そのため熊本~新八代間はノンストップ運行となっていたのが特徴でもありました。 
 
 また、乗車しました際には、乗客の方が私の方にこの列車宇土止まるの?松橋止まるの?と尋ねられておりましたが、先述のようにこの列車自体は熊本~新八代間はノンストップ運行でありました。
 
 
 この時乗車しておりましたキハ47 9049の車内でありますが、この車は元は香椎線にも使用されていた事もありまして、ボックスシートが従来よりも少なくなっておりまして、着席定員もその分少なくなっておりました。そのため、この日は座席は熊本駅発車時には埋まっておりまして、立席の方も見られておりました。
 
 
 このキハ47 9049の運賃表でありますが、画像のようにOBCの液晶運賃表であります。やはり、見ましても表示の仕方がデジタルよりもわかりやすくなっていていいのではないかとも思います。
 
 (熊本表示)
 
 (新八代表示)
 
 
 さて、快速人吉行き列車は熊本駅を発車しました。画像は熊本駅から南の方にあります熊本車両センターを通過しているシーンでありますが、このキハ40系気動車を含めまして、熊本地区の電車・気動車などの重要な拠点となっている事がわかりますが、中には熊本地区ではのんびりとした運用もありました415系電車の姿も見られておりました。
 
 
 こちらは、熊本~西熊本間の車窓であります。ご紹介しておりますように、この時は「熊本地震」直後でもありますので、よく見ますとシートが掛けられておりました住宅も見られておりまして、「熊本地震」のひどさが伺えておりました。
 
 
 列車は富合駅を通過しますが、その富合駅の近くにありますのは熊本総合車両所であります。この時も、画像にも見えますN700系新幹線電車、そして800系新幹線電車の姿も見る事ができておりました。
 
 
 こちらの画像は、宇土~松橋間、そして松橋~小川間でありますが、ちょうど以下画像の松橋駅に近くなった頃に熊本地区で震度3の余震が発生、その結果、列車は徐行運転を一部区間で余儀なくされました。そのため、その下にもあります直線区間も、本来ならば本領を発揮する所でもある訳ですが、それらを発揮できずに徐行運転となってしまっていたのは正直残念であった事を覚えております。
 
 (宇土~松橋間)
 
 (松橋~小川間)
 
 
 これら区間の車窓を見ますと、数少ない民家も地震の被害に遭っている姿が所々見られておりました。よく見ましても、屋根瓦が崩れている所あれば、家自体が崩れている所もありまして、この地域でも被害が見られている事を伺えておりました。と言いますのも、この地域も断層がある事もありますので、被害が見られているのもわからなくはなかったでしょうか。
 
 
 この徐行区間は、小川~有佐間まで見られておりました。以下画像は小川駅の信号機でありますが、本来ならば通過ですので青の表示を出さないといけない訳ではありますが、この信号機は黄色の表示が出されておりまして、徐行運転が継続されている事が伺えておりました。
 
 
 画像は小川~有佐間ですが、画像の橋梁の所までが徐行運転が行われておりました。画像を見ましても、ダメージと言うものは全く見られない訳ではありますが、それでも徐行すると言う事は余震が起きた後である事を思いますと仕方がなかったのではないかとも思います。
 
 
 列車はこれよりは通常の速度に戻りまして有佐駅を通過、そして今度は千丁駅を通過する所でありますが、この時点で約10分ほど遅れて通過しておりました。
 
 
 千丁駅を通過しますと停車駅の新八代駅にやって来る所でありますが、新八代駅との間と言いますと、平成23年までは「リレーつばめ」が運行する姿が見られておりました九州新幹線へのアプローチ線との分岐点に達してまいります。実際に、画像のようにアプローチ線へのポイントがある事がお分かりいただけます。
 
 このアプローチ線と言いますと、787系電車で運行されておりました「リレーつばめ」が通っていた後に、その後「フリーゲージトレイン」の実験線として使用される事になりました。
 
 しかし、そのフリーゲージトレインは台車の問題で実験が中止となりまして、その結果現在の西九州新幹線(「九州新幹線長崎ルート(新鳥栖~武雄温泉~長崎間)」)が在来線区間の博多~武雄温泉間との「リレー方式」で運行させるに至っておりまして、当初計画の「フリーゲージトレイン」での運行はその後断念されるに至っております。現在も佐賀県とJR九州、そして国と話が行われておりますが、現時点で決着はされておらず、今後新鳥栖~武雄温泉間もどうなるのか気になる所でもあります。
 
 
 こうして、列車は新八代駅にやってまいります。この姿からもわかりますように、ホームは2面2線でありますが、新八代駅の手前千丁駅方向に新八代駅折り返し列車向けの引き上げ線が存在している事から画像のようにポイントが見られている事がわかるのではないでしょうか。
 
 
 そして列車は新八代駅に到着しました。本来ならば約25分で到着する事ができる訳ではありますが、この時は「熊本地震」によります余震もありましたので10数分ほど遅れまして新八代駅に到着と言う事になってしまいました。この時には、九州新幹線に乗り換えられる方もいらっしゃいまして、熊本駅で新幹線に乗り換えずに新八代駅で乗り換えと言う姿も見られておりました。
 
 (駅名標) 
 
 
 その後は、冒頭でもご紹介しましたように、快速列車は翌年3月の改正まで運行されまして、それ以降は「かわせみ やませみ」と「いさぶろう」・「しんぺい」の特急化に至っておりまして、快速列車としての運行は1年のみとなりました。それによりまして、肥薩線系統の特急列車は1年で戻る事になりましたが、「いさぶろう」・「しんぺい」も特急化される事には驚いたほどでもあった事が忘れられない所ではありましたでしょうか。
 
 
 今回は、肥薩線向けに平成28年改正から平成29年までの1年間運行されておりました快速列車に関しましてご紹介しましたが、この快速列車の運行は、既に平成28年の改正前の時点で肥薩線の観光列車が運行される事が決まっておりましたので、まさにそれまでのつなぎの列車であった事が伺える所でした。確かに、近郊型列車として使用されておりました車両を観光列車として特急化しておりますので、それを思いますとわからない所ではないでしょうか。現在は、その後運行されました列車も「熊本豪雨」によりまして運行区間を変えまして現在に至っておりますが、かつてこうした列車が存在した事を存じていただければと思います。