NO.2776 計45台導入されています、九州産交グループ所有「セレガーラ」高速・特急車(後編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 前回より、九州産交グループ(九州産交バス・産交バス)に所有しております日野セレガ・いすゞガーラのいわゆる「セレガーラ」高速・特急用車両全45台に関しましてご紹介しておりますが、前回前編ではADG-規制車からLKG-規制車までの18台に関しましてご紹介しておりました。
 
 前編でご紹介しました18台は、いずれも日野セレガでありましたが、画像1にあります平成17年に導入されました熊本200か・444(ADG-RU1ESAA)より導入が始まりまして、以来現在まで45台も導入に至っている訳でもありますので、まさに九州産交グループの「セレガーラ」高速・特急用車両の先駆けである事が伺えるのではないかと思います。
 
 この18台の中には、上の画像2にもありますように、唯一導入されましたスーパーハイデッカー(熊本200か・467、ADG-RU1ESAA)や、昼行用・夜行用それぞれの車両が見られておりまして、この中には以下画像の車(熊本200か・789、PKG-RU1ESAA)にありますように45台のうち2台しか存在しない、福岡~宮崎線「フェニックス号」、熊本~宮崎線「なんぷう号」で使用されます昼行用の偏心3列シート車までも存在している訳でもありますので、それほど路線に特化した姿も見られているのではないかとも思います。
 
 また、平成20年導入車からは「Kyu San Ko」の表記も中央から後方に移動しておりまして、それが現在の九州産交グループの高速・特急用車両で見られる姿へと至っております。実際に、前方にはラッピングや他のデザインが記されておりますので、このような表記の仕方となっている事もわからなくはない姿ではないかとも思います。
 
 (熊本200か・670、PKG-RU1ESAA)~平成20年導入車
 
 
 さて、今回後編では、平成24年からの排ガス規制でありますQPG-規制車及びQRG-規制車から、現在までの2TG-規制車までの日野セレガ・いすゞガーラの「セレガーラ」計27台に関しまして皆様にご紹介してまいります。尚、これら車の中には撮影を行っていない車も存在しておりますので、そちらに関しましては文章のみの記載とさせていただきますのでご容赦いただきたいと思います。

 

 

 九州産交バスでは、平成24年に導入されました、熊本~大阪・京都線「あそ☆くま号(熊本200か・968、三菱QRG-MS96VP、現在路線は運休中も他路線で運行中)」専用車に続きまして、この年熊本~福岡線「ひのくに号」専用車として4台導入しておりまして、「あそ☆くま号」専用車の場合が長距離夜行用の固定窓4列シート車なのに対しまして、こちらは元々「ひのくに号」として導入されたものでありますので、4列折戸タイプの導入となっておりました。

 

 (熊本200か・972、日野QRG-RU1ASCA)

 
 (熊本200か・973、形式同)
 
 しかも、この「ひのくに号」専用車には、このタイプでは初めて、名称柄からは8年ぶりとなりますいすゞガーラ(いずれもQRG-RU1ASCJ)が4台中2台導入されておりまして、画像にもありますようにフロント部分しか違いが見られておりませんが、そう言った所からこれまで導入されておりました日野セレガとは違った姿を見せております。
 
 (熊本200か・979)
 
 (熊本200か・980)
 
 このうち熊本200か・979に関しましては、以前は宮崎県五ヶ瀬町観光ラッピング車として、車体では五ヶ瀬町にあります「五ヶ瀬ワイナリー」「五ヶ瀬ハイランド」のデザインが見られておりまして、本来の運行路線となります熊本~延岡線「たかちほ号」とは運行区間は違っておりますが、車内にも各座席にパンフレットを置くなど五ヶ瀬町のPRとしてはバッチリではなかったかとは思っております。
 
 (平成27年撮影)
イメージ 7イメージ 8
 
 尚、この「セレガーラ」4台からは、全席コンセントが装備されるようになっておりまして、以来九州産交グループの高速・特急用車両には全てコンセント付きの導入となっております。
 
 
 また、この平成24年には産交バス所有の新八代駅~宮崎線「B&Sみやざき」の専用車が更新されておりまして、その更新車両に日野セレガ(QRG-RU1ASCA)4台が導入されておりました。このセレガ自体は4列シート車となっておりますが、ドアがスイング扉となっておりますし、最後部にはパウダールーム付きのトイレ、そして各席コンセントが設置されているなど、同じ4列シート車でも「ひのくに号」専用車よりも豪華版となっているのが特徴となっております。
 
 (熊本200か・988)~「あまくさ号」転用後
 
 (熊本200か・989)~「B&Sみやざき」時代
 
 (熊本200か・990)~「B&Sみやざき」時代
イメージ 11イメージ 12
 
 (熊本200か・991)~「B&Sみやざき」時代
 
 この4台は、ご紹介しておりますように「B&Sみやざき」の専用車として導入されておりましたが、後述のように平成30年に日野セレガ2台、令和元年に同じく日野セレガ2台が導入された事で、現在は全車熊本~天草間の快速「あまくさ号」専用車に転用されております。実際に、上の画像の熊本200か・988、以下画像の熊本200か・991のように「あまくさ号」に転用されている姿を収めておりますが、現在熊本200か・991では上天草市をアピールします「ナナメ上上天草」ラッピングを施しております。
 
 
 さらにこの平成24年には、夜行用の日野セレガが3台導入されておりまして、いずれも独立3列シート・仮眠室・トイレ・コンセント付きとなっております。これまで私も利用させていただきましたが、やはり独立3列シート車である分、隣を気にせずゆったりできるのがいいのではないかとも思います。尚、この3台は夜行用ではありますが、多客時に続行として本州方面へ運行される以外は、もっぱら「なんぷう号」及び「フェニックス号」が本来の担当路線でもあります。
 
 (熊本200か10-09)
 
 (熊本200か10-10)
 
 (熊本200か10-11)
イメージ 17
 
 (車内)
 
 
 平成26年には、これからご紹介します5台が導入されておりまして、内訳は昼行用4台・夜行用1台となっております。まずは昼行用でありますが、これらはいずれも「ひのくに号」専用車でありまして、日野セレガ・いすゞガーラが各2台導入されておりました。これらの導入によりまして、平成20年式までのADG-・PKG-規制の日野セレガが一時熊本~鹿児島線「きりしま号」に転用されておりました。
 
 【日野セレガ、QRG-RU1ASCA】
 (熊本200か11-17)
 
 (熊本200か11-18)
 
 【いすゞガーラ、QRG-RU1ASCJ】
 (熊本200か11-26)
 
 (熊本200か11-27)
 
 それにしても、この年導入車につきましてはホイールがきれいな車も見られておりまして、実際に直に拝見しましてもホイールのきれいさに驚くほどではありますが、それほど担当の方の念入りさが伺える所でもあります。それほど愛着があると言う所ではありますが、それが長持ちにつながる訳でもありますし、乗車される方にも気持ちよく乗車していただきたいと言う所も出ていていいのではないでしょうか。
 
 尚、現時点ではいすゞガーラの導入はこの年以降は行われておらず、この後ご紹介します以降導入されます車はいずれも日野セレガとなっております。
 
 
 そして、この年導入されておりましたもう1台が日野セレガの夜行車(熊本200か11-30・QPG-RU1ESBA)であります。この車も先の熊本200か10-09~10-11と同様独立3列シートの夜行車でありますが、当初は画像にもありますようにもっぱら昼行の「なんぷう号」・「フェニックス号」が主な担当路線でありましたが、その後は主に本州向けの運行が主となっておりました。
イメージ 23イメージ 24
 
 しかし、「新型コロナウイルス」によりまして現在も唯一の本州路線であります「サンライズ号」が九州産交バスの運行は行っておらず近鉄バスのみの単独運行となっておりまして、そう言った事から現在は再び「なんぷう号」・「フェニックス号」の運用を行っておりまして、今後の本州向け運行の再開を待つ事にもなります。
 
 
 先述のように、これ以降導入されました車は日野セレガのみの導入となっておりますが、平成27年には「ひのくに号」向けに画像の1台(熊本200か12-05、QRG-RU1ASCA)が導入されました。この車に関しましてはこれまでの「ひのくに号」専用車であります熊本200か11-??と同様の装備となっております。
 
 
 また、翌平成28年には、産交バスの「B&Sみやざき」向けに日野セレガ1台(熊本200か13-04、画像なし)が八代営業所に導入されました。この車に関しましてはQTG-規制となりまして、形式はQTG-RU1ASCAとなっておりまして、この導入に伴いまして、唯一残っておりました西日本車体(西工)C-I架装車が産交バス天草営業所に転属となりまして、その結果「B&Sみやざき」専用車は全5台ジェイバス架装の日野セレガとなりました。
 
 
 平成29年には、熊本~大分線「やまびこ号」の積み残し対策としまして日野セレガ3台の車を導入しておりました。これまでは、「熊本空港リムジンバス」などに使用されております車がこの「やまびこ号」に入る事さえもありましたが、この導入によりまして「やまびこ号」専用車も変化が見られておりました。
 
 (熊本200か13-88)
 
 (熊本200か14-29)~その下の画像は「九州横断バス」運行時
 
 (熊本200か14-30)
 
 この車はトイレなし4列シートとなっておりまして、この車に関しましても、最近導入車らしく各座席には携帯電話・スマートフォン向けのコンセントも装備されておりまして、乗車している間に充電も行う事もありまして電源の心配もいらない車でもあります。また、この車の形式は、高出力のQRG-RU1ESBAでありまして、「燃費基準+10%達成車」がそれを物語っておりまして、特徴として坂道も多く高い所も運行している事から、高出力の車を採用するに至ったようでもあります。
イメージ 11
 
 尚、これら3台は、現在は「きりしま号」に使用されておりましたヒュンダイユニバースが一部「やまびこ号」に転用した事に伴いまして、熊本~阿蘇~黒川温泉~湯布院~別府線「九州横断バス」や、「熊本空港リムジンバス」でその姿を見る事が多くなっております。
 
 
 平成29年暮れには、2年ぶりに「ひのくに号」向けに2TG-規制となります日野セレガ(2TG-RU1ASDA)が2台導入されておりまして、4列シート・後部トイレ・コンセント付きで導入されております。これら2台は、当初は通常の緑ナンバーでありましたが、その後令和元年に開催されました「ラグビーワールドカップ」のナンバープレートに希望ナンバーで「改番」されておりまして、これによりまして緑ナンバーから白地のナンバープレートに改まっております。尚、「改番」と言う事で元のナンバーは・・・
 
 熊本200か14-64→熊本230あ・935
 熊本200か14-65→熊本230あ・936
 
となっておりまして、あ・935に関しましては「九産交」の語呂合わせとなっております。
 
 (熊本230あ・935)~現在は熊本200か・991と同様、「ナナメ上上天草」のラッピングが貼り付けられています
 
 (熊本230あ・936)
 
 
 平成30年には、産交バスの「B&Sみやざき」向けに日野セレガ(2TG-RU1ASDA)が2台導入されておりまして、「B&Sみやざき」専用車も5台中3台が新しい車に様変わりしました。尚、これら車の導入によりまして、熊本200か・988&・991が天草営業所に転属しておりまして、「あまくさ号」専用車に様変わりしておりますし、この導入に伴いまして西工92MCC-I架装車であります日野セレガに廃車が発生するにも至っております。
 
 (熊本200か15-39)~画像なし
 
 (熊本200か15-40)
 
 
 さらに、令和元年にも「B&Sみやざき」向けに日野セレガが2台(熊本200か16-13、熊本200か16-14、2TG-RU1ASDA)産交バス八代営業所に導入されておりまして、この結果「セレガーラ」は45台うち日野セレガは41台)に台数を増やしております。尚、これによりましてさらに2台(熊本200か・989&・990)が天草営業所に転属しておりまして、「あまくさ号」に転用されておりますし、それに伴い西工C-I架装車の日野セレガが廃車となっております。
 
 (熊本200か16ー13)~画像なし
 
 (熊本200か16-14)
 
 
 その後は、現在まで導入は行われておらず、「セレガーラ」の導入台数は45台にとどまっております。現在、古参分野にあたりますKC-・KL-規制の三菱エアロバスも存在します九州産交グループではありますが、「コロナ禍」もありまして現時点では導入の情報はありませんし、最近では日野自動車のエンジン不正問題も見られておりますので、当分「セレガーラ」の新たな車は見られないのではないかとも思われます・・・。
 
 
 前回・今回と、平成17年以降に導入されました、「セレガーラ」こと日野セレガ・いすゞガーラ高速・特急用車両45台に関しまして2回に分けてご紹介しましたが、それでもいつの間にかこれだけの導入車両がある訳ですので、この存在自体からも最大勢力になっている事も伺わせております。私自身もこれまでも「セレガーラ」には何度かお世話にもなっている車でもありますし、それほど九州産交グループでは主力車両として位置付けている事もわかりますが、各地の短距離路線から中長距離路線でも見られておりますので、今後も引き続きの活躍を期待したい所ではあります。