NO.2775 計45台導入されています、九州産交グループ所有「セレガーラ」高速・特急車(前編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 九州産交グループ(九州産交バス・産交バス)には、高速・特急用車両として日野セレガ・いすゞガーラを多く所有しておりまして、各地の路線におきまして活躍する姿が見られております。
 
 これら車の特徴は、いずれもジェイバス架装の車でもありまして、平成17年導入車より見られておりますが、そういう事からこれら2車種を合わせまして「セレガーラ」とも称されております。それほど車体は同じの車体ではありますが、前面グリル部分を中心に違いが見られておりますので、これが両メーカーでの見分けが見られていると言ってもいいかとも思います。
 
 これらの内訳は、日野セレガが現時点で41台も所有している一方、いすゞガーラがわずか4台であります。それほど割合的には日野セレガの割合が圧倒的に高い事がわかりますが、その日野セレガに関しましては「ひのくに号」や「フェニックス号」、「B&Sみやざき」など、さらに夜行の「サンライズ号」などの路線で、いすゞガーラに関しましては「ひのくに号」として、それぞれ運行する姿が見られております。
 
 それでも、「セレガーラ」を合わせますとタイトルにもありますように計45台も所有している事にもなります。それほど九州産交バス・産交バスでは最も見られる形である事も伺えるのではないかとも思います。
 
 (画像1、日野セレガ、熊本230あ・936、2TG-RU1ASDA)
 (画像2、いすゞガーラ、熊本200か11-27、QTG-RU1ASCJ)
 
 (日野セレガ、熊本200か10-10、QPG-RU1ESBA)~夜行用
 
 
 さて、今回と次回の2回にわたってご紹介しますのはその「セレガーラ」高速・特急用車両全45台をご紹介しますが、今回は前編として、日野セレガのみでありますADG-規制車からLKG-規制車までの18台を皆様にご紹介してまいります。尚、残念ながら収める事ができていない車両もありますので、ご容赦いただきたいと思います。
 
 
 九州産交バスの現タイプの日野セレガは、平成17年に以下画像の日野セレガハイデッカー(熊本200か・444、ADG-RU1ESAA)が導入されたのが始まりでありまして、熊本~福岡線「ひのくに号」に導入されました。

 

 私自身、この車の導入時の事は覚えておりますが、このようなスタイル自体、これまでなかった訳でもありますので、正直斬新なスタイルではなかったかなと思っております。しかし、このようなスタイルが今後さらに現在まで続く事にもなりましたので、それを思いますと誰からも愛されているスタイルになっていると言ってもいいかとも思います。
 
 この車は、導入当初は「ひのくに号」で運行されておりましたが、その後熊本~鹿児島線「きりしま号」の専用車としても運行されておりました。また、その「きりしま号」専用車時代に、かつてのマルチステレオの部分がコンセントに換装されておりまして、変わった姿も見られていたのが特徴でもあります。
 
 (「きりしま号」時代)~平成26年撮影、回送時
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 (マルチステレオ→コンセントに換装(超特急スーパーひのくにさん提供))
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 その後は、「きりしま号」の専用車がヒュンダイユニバースに変わった事から、再び「ひのくに号」に戻っておりましたし、平成31年4月から翌令和2年までは福岡~阿蘇線「ASOエクスプレス」、そして熊本~阿蘇線などで運行されておりましたが、これらの路線廃止に伴いまして、「きりしま号」に使用されておりましたヒュンダイユニバースが熊本~大分線「やまびこ号」などに転用された事に伴いまして、再び「きりしま号」におきまして運行されております。
 
 翌平成18年には、夜行用(熊本200か・467、ADG-RU1ESAA)が導入されました。この車が九州産交バスの「セレガーラ」高速・特急用車両の中で唯一のスーパーハイデッカー車両となっております。
 
 (「フェニックス号」時)
 
 この車は、このタイプ初の夜行用車両でありまして、座席は独立3列シートとなっております。しかもスーパーハイデッカーでもありますので大変見晴らしはいいでしょうし、荷物を積みます際には重宝しているのではないかとも思います。ただ、この車の難点として、現在廃止の「不知火号」が乗り入れておりました名鉄バスセンターに入る事ができませんでした。そのため、以下画像の夜行として運行されていた頃には「サンライズ号」のみの使用にとどまっておりまして、以降の夜行用の車はハイデッカーでの導入となっております。
 
 (「サンライズ号」時代、平成26年撮影)
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 しかし、新たな夜行用車両に夜行としては譲る事になりまして、現在は上の画像にありますように「フェニックス号」・「なんぷう号」に転用されまして現在に至っております。転用に際しましては、宮崎市の宮交シティの屋根にも当たるのでは?と思われておりましたが、そう言った事もないそうですので、転用できて良かったのではと思う所でしょうか。尚、この車は夜行時代にコンセントが後付けされておりまして、電源の心配もいらないようであります。
 
 
 ここまで、セレガのADG-規制車での導入となっておりましたが、これからご紹介します車はPKG-規制車での導入となりまして、掲載車両の形式はいずれもPKG-RU1ESAAでもあります。
 
 
 画像は上の画像の熊本200か・467と同じ平成18年に導入されました日野セレガ2台でありますが、装備も熊本200か・444と変わらない(導入時)装備となっている(た)のが特徴であります。
 
 (熊本200か・491)
 
 (熊本200か・492)
 

 これら車は、導入から数年は「ひのくに号」で運行されておりましたが、その後熊本200か・444と同じく「きりしま号」に転用されておりました。しかし、「きりしま号」にヒュンダイユニバースが導入された事に伴いまして「ひのくに号」に戻りましたし、それとともに平成31年4月に復活しました熊本~佐世保線「さいかい号」にも使用されておりまして、それら路線で活躍する姿が見られておりましたが、現在は「きりしま号」用ヒュンダイユニバースの他路線転用に伴いまして、再び「きりしま号」、もしくは熊本~長崎線「りんどう号」でも運行されております。

 

 (熊本200か・492、「さいかい号」)~令和元年撮影、「さいかい号」は現在運休中です

 

 

 平成20年には、昼夜行の兼用車と昼行用各1台が導入されておりました。まずは熊本200か・598でありますが、この車の座席は独立3列シートでありまして、床下には仮眠室も設けられておりまして、昼行の他にも夜行としても使用される事を前提としております。現在この車は、熊本~宮崎線「なんぷう号」をメインに使用されておりまして、本州方面夜行も少なくなった事からもっぱらこの路線もしくは「フェニックス号」で使用されております。

 

 (「フェニックス号」運行時)

 

 (「なんぷう号」運行時)~平成25年撮影

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 一方、こちらは続番の熊本200か・599でありますが、この車は基本的に先の熊本200か・491・492と同装備でありますが、この車には導入時よりマルチステレオが装備されていないのが特徴でありました。この車も、・4**と同様、導入当初は「ひのくに号」に使用されておりまして、後に「きりしま号」に転用、さらに「ひのくに号」・「ASOエクスプレス」・熊本~阿蘇線などに使用されておりましたが、阿蘇方面系統が廃止された事に伴いまして、現在は再び「きりしま号」などで運行されております。
 
 (「きりしま号」時代、平成26年撮影)
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 (側面ラッピング)
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 (熊本~阿蘇線時代、令和元年撮影)
 
 
 翌平成21年には、まず「ひのくに号」用に4台新車が導入されました。この導入車からの特徴は、中央部にラッピングが貼り付けられる事を前提に、「Kyu San Ko」のデザインが後方に移動しておりまして、それによりまして「サンライズ塗装」としてのイメージも大きく変化しております。
 
 (熊本200か・668)
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 (熊本200か・669)
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 (熊本200か・670)
 
 (熊本200か・671)~画像なし
 
 実際にラッピングが貼り付けられた例(熊本200か・670)であります。この時はステーキ店のラッピングが貼りつけられておりましたが、画像からもお分かりいただけますように「Kyu San Ko」のデザインは残しましてラッピングが施されている事がわかるのではないかと思います。そう考えますと、そのラッピングを前提としている事もわかるのではないかとも思います。
 
 尚、熊本200か・671に関しましては導入してしばらくしまして、何らかの理由で廃車となっております。そのため、SNS等でもこの車の画像が上がる姿はそう多くないようであります。
 
 
 さらにこの平成21年には、夜行用の新車が2台導入されておりまして、熊本200か・703および707が登録されております。
 
 (熊本200か・703)~平成26年撮影、「不知火号」運行時
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 (熊本200か・707)~「サンライズ号」運行時
 
 この2台は鹿児島・熊本~神戸・尼崎線「トワイライト神戸号」の専用車として導入されておりまして、独立3列シート・床下仮眠室付きとなっておりました。しかし、平成22年に「トワイライト神戸号」は運行休止(その後廃止)となりまして、以降は他の本州向けの路線に転用されておりましたが、令和元年9月に熊本~名古屋線「不知火号」が廃止されましてからは、九州内の「フェニックス号」・「なんぷう号」にも入るようにもなっております。尚、これら車には座席にコンセントが後付けで取り付けられております。
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 また、熊本200か・703及び・707の間には、熊本200か・705の昼行用車両が導入されておりまして、「ひのくに号」として使用されておりますし、同年には、遅れまして熊本200か・731が導入されております。これら車の仕様は、先に導入されておりました車と同様の装備となっているのが特徴でもあります。
 
 (熊本200か・705)
 
 (熊本200か・731)
 
 
 平成22年には、「フェニックス号」・「なんぷう号」向けに2台導入されました。これら2台の特徴は、車内の座席が偏心3列シート車となっているのが特徴でありますし、昼行用に使用される事を前提としていた事から、これまでの夜行用の車両とは違いまして仮眠室は設けられていないのが特徴でもあります。
 
 (熊本200か・788)

 

 (熊本200か・789)
 
 また、以前熊本200か・789に関しましては、(熊本県)水上村森林セラピー基地」のラッピングが施されておりまして、大変目立ったラッピングが見られておりました。ご覧の皆様も、福岡・熊本・宮崎各地でその姿をご覧になった方もいらっしゃるのではないかとも思いますが、私自身も大変気に入っていたラッピングでもありましたが、現在は解除されております。尚、この2台の導入を最後に、九州産交バスでは偏心3列シートの導入は行われておらず、以降3列シートは独立3列シートでの導入となっております。
イメージ 4イメージ 5
 
 
 翌平成23年には、昼行用として2台が導入されておりました。この年に導入された車は、排ガス規制がLKG-規制に変わりまして、形式もLKG-RU1ESBAとなっております。また、スタイルもこれまでのPKG-規制車までのスタイルとは違っておりまして、フロントの所にミリ波レーダー(車間距離警報装置)・クリーンディーゼルシステム「エアループ」が標準装備されておりますし、リアスポイラーも変更されておりまして、これまでのスタイルとは違っております。
 
 (熊本200か・862) 
 
 (熊本200か・864)
 
 また、この2台はいずれも「ひのくに号」に使用されておりますが、モニター・マルチステレオも装備されておりまして、「ひのくに号」以外の路線での運用も考慮されております。確かに、ちょうどこの頃には「りんどう号」などでも4列での運行も始めた頃でもありましたので、この車の運行も考えられていたようでもあります。
 
 また、熊本200か・862に関しましては現在は「ハイドロAg+」と呼ばれます富士フイルム製の消毒液のラッピングが施されておりまして、緑のラッピングの姿が見られております。この消毒液もこの「コロナ禍」にはふさわしい所ではありますが、大きく描かれている分、宣伝にはふさわしいとは言えましょうか。
 
 
 今回は、ADG-規制~LKG-規制(平成23年導入車まで)の車18台に関しましてご紹介しましたが、昼行・夜行用とそれぞれ存在している事もありまして、その分違いが出ている事もわかります。しかも、夜行用に関しましてはコンセントも後付けされている車も存在しているため、電源の心配がないのがいいでしょうし、他の車両に関しましてもこのほどWi-Fiが装備されるに至っておりますので、インターネットが楽しめるのもいいのではないでしょうか(但し電源がない車もあるので注意が必要です)。次回後編ではQPG-規制から現在の2TG-規制までの27台をご紹介しますので、次回もご覧になっていただきたいと思います。