NO.2131 九州産交バス「九州横断バス」熊本~別府乗車記(前編、熊本~阿蘇~黒川~瀬の本編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 当ブログでは、前回番外におきまして、九州産交バスが運行します「九州横断バス」専用車のうち、「九州国際観光バス」が所有しておりました車に関しましてご紹介しておりました。

 

 九州国際観光バスは、長崎~雲仙~熊本~阿蘇~別府間で運行されておりました「九州横断バス」の専業事業者として存在しておりまして、九州産交グループのバス事業者でもありました。この路線は、乗り降り自由の「定期観光バス」という扱いで運行されておりましたが、平成12年に解散となっておりまして、以降は九州産業交通が、その後は九州産交バスがこの「九州横断バス」の運行を引き継いでおります。

 

 上の画像の2台(画像1、熊本22か26-48、日野U-RU2FTAB 画像2、熊本22か32-07、日野KC-RU3FSCB)に関しましては、いずれも九州国際観光バスに所有していた車でありましたが、解散後は九州産業交通→九州産交バスと車両を引き継ぎまして運行されておりましたが、熊本22か26-48が平成25年に、熊本22か32-07が平成30年に運用離脱・廃車となっております。

 

 現在は、これからご紹介します車や、以下画像の初代日野セレガ(熊本200か10-58、KC-RU3FSCB)や初代いすゞガーラなどと言った移籍車両が中心となっておりますし、貸切からの転用車も見られておりまして、車両のラインナップにも変化が見られております。

 

 (現在は産交バスに移籍、「あまくさ号」に使用されています)

 

 

 さて、ここからご紹介しますのは、以下画像のヒュンダイユニバース(熊本200か・882、LDG-RD00)に乗車しまして、今回初めて熊本~別府間を乗車してまいりましたので、今回と次回2回に分けましてご紹介してまいります。

 

 

 「九州横断バス」は、先述のように、以前旧九州国際観光バス時代は長崎~雲仙~島原~熊本~阿蘇~湯布院~別府間を運行されておりまして、島原~熊本間に関しましてはフェリーを利用しまして天草経由で運行されていた事さえもあったほどでした。運行系統も、以下画像のように丸一日間の通しの運行区間あれば、区間の長崎~島原~熊本間、熊本~阿蘇~別府間など複数の系統も形成していたほどでもありまして、阿蘇山観光もできる食事付きの便も存在しておりました。しかし、その後平成12年には九州国際観光バスが解散となりましてからは、平成16年には長崎~熊本間が廃止になるなど変化が見られておりました。

 

 その後は複数の系統も誕生しておりまして、黒川温泉や南阿蘇を通る系統も存在しておりましたが、平成25年には南阿蘇ルートが廃止、平成26年には長らく存在しておりました食事付きコースも廃止となりましたし、平成28年に発生しました「熊本地震」によりまして一時は熊本~別府間1往復のみで運行されていた事さえもありましたが、昨年12月には熊本~湯布院間が2往復に再び増便、現在は熊本~別府間が1往復、熊本~湯布院間が2往復で運行されております。

 

 (運行区間)1・3・6・8号、熊本~湯布院 2・7号、熊本~別府

 熊本駅~熊本交通センター~阿蘇くまもと空港~(ミルクロード)~阿蘇駅前~南小国町役場前~黒川温泉~瀬の本~牧の戸峠~くじゅう登山口~小田の池~湯布院駅前BC~鉄輪~別府交通センター~別府北浜~別府駅前本町

 

 

 現在の運行形態は、所要時間が長い事もありまして、熊本~別府間が2日かけて片道ずつで運行、熊本~湯布院間は1往復が同じく2日かけて片道で運行(湯布院~別府間で回送あり)、もう1往復が1日かけて往復する形となっておりまして、これらは途中交代等はなく運行されております。

 

 

 では、ここからは乗車記をご紹介してまいります。今回私は、熊本の益城インター口から別府の鉄輪まで利用させていただきました。これでも乗車時間は約4時間30分かかりますが、完全な通しであります熊本駅前から別府駅前本町間で約5時間20分かかる訳ですので、正直運転士にとりましても乗客にとりましても酷なのではないかとも思う所でもありましょうか。

 

 

 今回乗車しましたヒュンダイユニバースの車内であります。座席は4列リクライニングシートでありますが、座席は比較的ゆったりしておりまして、正直悪くはない印象ではないかと思います。この日は、この車の製造国でもあります韓国人が多く乗車されておりまして、車内は韓国語が良く飛び交っておりました。

 

 また、各座席にはコンセントが後付けされておりました。このコンセントが装備されている事は、正直ありがたい所ではないかと思います。何と言いましても、長時間利用する事もありまして、電源の心配がないというのがいいのではないかとも思いますので。

 

 

 さて、「九州横断バス」は熊本空港を過ぎますと大津町方面へと進んでまいります。この時点で40名ほどまで乗客がいらっしゃいまして、そのほとんどがやはり韓国や中国から来られていた方でありました。また、熊本空港を過ぎますと、観光地や名所が近くなるごとに音声案内が流れておりまして、こう言った所が定期観光バスと言われるだけあるのではないかと思う所でありました。

 

 

 大津町の「道の駅大津」の所から、「熊本地震」によりまして国道57号線が途中で寸断されている事もありまして、現在の阿蘇方面への迂回ルートであります、外輪山を抜けていきます「ミルクロード」を通ってまいります。「ミルクロード」と言いますと、途中で標高の高い所を通りますので、坂道がある訳でありますが、画像の前方のトラックが遅く行く中、この車自体は馬力がある事もありまして、そんな事も気にせず登って行っておりました。

 

 坂を登りますと、今度は赤水へ向けて下ってまいります。坂からは阿蘇の内輪山の姿を見る事ができておりまして、その下に阿蘇の街並みを望むことさえもできておりました。ちなみに、この後後述のように再び外輪山を抜けて行く事になりますので、まさに高低差があるルートではないかと思う所でもあります。

 

 (別位置より)

 

 坂を下りますと、外輪山の姿を望む事ができておりました。尚、現在外輪山を貫く新ルートの工事が行われておりまして、「二重峠トンネル」をはじめとする工事が進行しておりまして、車窓からも眺める事ができておりました。尚、その下の画像奥がJR豊肥線でありますが、残念ながらこちらの方は再開のめどが立たない事から、柵に覆われておりました。

 

 (奥が寸断されている豊肥線)

 


 車はさらに外輪山を眺めながら進んでまいります。これら姿を見ましても、広大なカルデラを形成しているだけあるのではないかとも思う所ではないかとも思います。

 

 

 車は、約40分近くかけまして阿蘇駅前にやってまいりました。ここで車は1回目の休憩を約10分間行います。この時点で熊本市内からの運賃は1500円でありますが、ここで5名ほどが下車、3名ほどが乗車されておりました。

 

 (運賃表)~熊本市内~阿蘇駅前間は1500円です

 

 (JR阿蘇駅)

 

 阿蘇駅前では、駅の横に産交バス阿蘇営業所も併設しておりますバス乗場も設けられておりますが、車はバス乗場から離れた所で停車をするようになっております。ちなみに、阿蘇駅前に隣接します「道の駅阿蘇」にも熊本~大分線「やまびこ号」が、産交便で休憩を行っておりましたが、昨年12月の改正で「アーデンホテル阿蘇」で休憩を行うようになっております(「道の駅阿蘇」時代はPART2参照)。

 

 この車の行先です。別府行きでありますので、7号の表示がなされておりますし、「黒川温泉・湯布院・別府」と主要箇所にも停車している事が伺える所でもあります。尚、側面には外国人観光客向けにサボも装備されておりまして、そこには産交バスのキャラクター、「産太くん」の形が伺う事もできております。

 

 (サボ)~NO.7の所に産太くんの形も見られます

 

 この休憩時には、周辺の姿をも収める事ができておりましたが、阿蘇駅からは、画像奥のように阿蘇山の姿を見る事ができます。それにしても、先述のようにこの「九州横断バス」も以前は阿蘇山観光もできていただけに、それができなくなった事も正直残念な所ではないかとも思います。

 

 この便(7号)のスタフです。先述のように、この別府への乗務は往復を2日かけて片道ずつを運行されておりますが、運行時間が片道で5時間20分にも及びますので、正直大変である事には間違いないのではないでしょうか。それにしても、よく見にくいですが、一番下には「お疲れ様でした」とも記載されておりまして、乗務が終わりますとこの言葉が待っていると言ってもいいのではないでしょうか。

 

 

 さて、車は間もなく阿蘇駅前を発ちます。その際に、阿蘇火口線用のヒュンダイユニバース(熊本200か14-34、LDG-RD00)が入ってきておりまして発車を待っておりました。本当に、ヒュンダイユニバースも事業者によりましてはあまりいいようには言わない事業者もあるようですが、それでもこの路線は坂道を通りますので、馬力がある分重宝されているようではあるようです。

 

 

 さて、車は阿蘇駅前を発ちまして、最初の停車地であります「阿蘇プラザホテル」に入ってまいりました。今回ここで乗車される方はいらっしゃいませんでしたが、こう言った所に停車するのも観光客や宿泊客にも優しい所ではないかとも思います。

 

 

 「阿蘇プラザホテル」を過ぎますと、再び外輪山を通ってまいりまして、そう言った外輪山に関します音声案内もなされておりました。それにしても、高さがほぼ一定している部分を見ますと、まさにカルデラ地帯だなとも実感できますし、こう言った姿が九州でも見られている訳でもありますので、見ていて本当に素晴らしい光景だなとも実感させられる姿でもあったように思いました。


 

 高馬力でもありますヒュンダイユニバースは、こう言った外輪山を軽快に登ってまいります。そして外輪山の頂上(「大観峰」)付近に達しますと、その下の画像にあります私のスマートフォンの標高計アプリによりますと、標高は770メートル(画像の目盛の部分をご覧下さい)に至っておりまして、こんな高い所まで来ていたんだと言う事をこの時感じさせられてもいました。

 

 (標高計アプリより)~高さは770メートル(目盛の部分)を指していました


 

 頂上を過ぎますと、しばらく画像のような草原が広がっておりました。まさに自然を感じさせられる所ではないかとは思いますが、私自身初乗車でもありましたし、初めて通る場所でもありましたので、こんな姿が見られている事を素晴らしく思いましたし、今年はあまりありませんが、雪が積もるとなりますとどんな情景になるのだろうかとさえも思ったほどでした。

 

 

 そう言った所を抜けますと、車は南小国町に入ってきておりまして、画像の南小国町役場前バス停にやってまいりましたが、この付近の主要バス停では画像のように茅葺き屋根の待合所となっておりまして、見ていて味があるようにも感じさせられます。

 

 

 同じく茅葺き屋根の満願寺入口バス停を過ぎまして、車は黒川温泉へとやってまいりました。黒川温泉と言いますと、九州はおろか、全国でも知られました温泉でもありまして、福岡からも高速路線バスがこの九州産交バス・日田バスで運行されてもいますが、今回私自身初めてこの地へとやってきてもいました。

 

 (ここから温泉街へ)

 

 (バス停から温泉街を望みます)

 

 その黒川温泉では、乗車されておりました外国人観光客を含みます3分の2の乗客が下車されておりまして、ほとんどの方々がその黒川温泉へ行かれる方々であった事が実感しておりました。この時には旅館・ホテルの迎えの方々もバス停の所にいらっしゃいまして、迎えの車に案内される姿も見られてもいました。それにしても、先述の南小国町役場前バス停などのように茅葺き屋根のバス停でもありますので、黒川温泉とこのバス停とはよく似あっているのではないかとも思います。

 

 

 そして、益城インターから約2時間40分、車は瀬の本へとやってまいりました。この瀬の本には画像のように「三愛レストハウス」と呼ばれますお土産店やレストラン・ガソリンスタンドが併設されました施設がありまして、ここで車は再び約10分間休憩を行うようになります(詳しくは次回ご紹介させていただきます)。

 

 

 今回は、前編としまして益城インター~阿蘇駅~黒川温泉~瀬の本間に関しましてご紹介しましたが、特に阿蘇駅より先の区間に関しましてはこれまでも利用した事がない・足を運んだ事がない場所でもありましたので、特に外輪山の姿に関しましては自然の雄大さに実感させられる所でもありました。本当に、観光地を通る所でもありますので、より分からなくもない所ではありますが・・・。次回後編は、瀬の本から湯布院~別府と乗車時の模様をご紹介してまいりますので、次回後編もご覧いただきたいと思います。