番外 広島電鉄のミャンマーへ渡った車両、3000形電車3006号の広島電鉄時代の姿 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 
 広島電鉄では、新製導入によりまして余剰となりました路面電車の車両を、海外へ譲渡すると言った動きを見せておりまして、実際に海外で活躍を見せている(た)所もあります。
 
 これまでも、前回番外でご紹介しました、大正時代に製造されまして昭和30年代に更新されました神戸市交通局(神戸市電)からの移籍車両でありました、上の画像の570形電車(画像は582号)のうち、僚車の578号に関しましては、昭和60年にアメリカ サンフランシスコ市に譲渡されまして、路面電車の車両として使用されている実績もあるなど、広島で活躍していた車両にも海外で活躍している(た)姿が見られております。
 
 
 そして、平成27年にもミャンマー国ヤンゴン市へ譲渡する車両が見られておりまして、これからご紹介します車両がヤンゴン市(ミャンマー国鉄)へ渡りました。
 
 ヤンゴン市へ渡りましたのが、これからご紹介します西日本鉄道(西鉄)からの移籍車両であります、3000形電車3005号・3006号、そして大阪市交通局(大阪市電)からの移籍車両でありました750形電車772号でありまして、ミャンマーの最大都市ヤンゴン市の交通環境改善のために、路線を電化しまして路面電車を走らせようという事で、ミャンマー政府からの要請で実現したものでありました。
 
 
 さて、今回はこのうちの3000形電車のうち、3006号に関しまして収めておりましたので、皆様にご紹介してまいります。
 
 
 広島電鉄3000形電車と言いますと、上の画像にもありますピンク色の車体が特徴の電車でありますが、元々は西鉄の福岡市内線で走っていた電車でもありました。したがって、以下画像のように車体側面や車内には「西鉄 福岡市内電車」と書かれたステッカーも貼り付けられておりまして、この電車自体が西鉄からの移籍車であった事を伺わせております(以上、画像は3004号)。
 
 また、車内は広電移籍時に改造を施されておりまして(画像はこちらも3004号)、ICカード「PASPY」の読み取り機も設置されているなど近代的な姿が見られておりましたが、窓枠などオリジナルな姿は残されておりました。
 
 
 さて、ここからは3006号の画像であります。尚、この撮影画像は、特記以外は全て平成24年撮影であります。
 
 
 この3006号は西鉄時代の旧車番であります・・・
 
 1201B(3006A)+1102B(3006C)+1203B(3006B)
 
で構成されました編成でありまして、昭和29~39年製となっております。車両自体は、西鉄の福岡市内線が廃止されました昭和50年の翌年の昭和51年に広電に移籍、その後改装が完了しまして荒手車庫に所属の上、他の車両と同様宮島線に使用されておりました。
 
 宮島線では、広島駅~西広島~宮島口間のいわゆる市内線直通として使用されておりまして、以来主力車両として運行されておりましたが、その後導入されました「グリーンムーバー」シリーズの導入に伴いまして、平成10年に市内線に転用、以来千田車庫に所属の上、主に宇品線広島駅~広島港(宇品))をラッシュ時を中心に使用されておりました。
 
 
 画像は、3000形電車3004号車内より収めておりました3006号であります(平成23年撮影)。正直画像からはわかりにくい訳ですが、3000形電車同士での行き違いも古い電車である事もありまして、本当に印象に残る姿でもあります。
 
 
 そんなこれら電車の現況でありますが、ミャンマー国鉄移籍後は、この電車はTCE3000形電車(3006ACB→3001ATB、3005ACB→3002ATB)として、また750形電車772号も、TCE700形電車701号として、広島電鉄の技術者も招きまして運行にこぎつけておりまして、塗装も水色青色ツートンカラーとして運行されておりました。
 
 しかし、地元の情勢から運行から半年近くして運行を休止しておりまして、以来約2年に渡りまして運行されていない事から、残念ながらミャンマーに渡りましてからはいい状況ではない事が伺えるようであります。
 
 
 私自身も、今回作成にあたりまして、ミャンマーへ渡った車両もあったと言う事から、ミャンマーへ渡った車両の画像がなかったかと思い探しました所、唯一この3000形電車3006号のみを見つけた次第でした。正直、昭和20~30年代の電車でももうすでに車齢が50~60代と高齢には当たっていた訳でしたが、3005号・3006号、そして772号にとりましては福岡&大阪→広島→ミャンマー・ヤンゴンと渡り歩く事になっていた訳ですので、正直まさかの新天地に移る事になろうとは思わなかった事でしょう。しかし、現況がご紹介した事でありましたので、とにかく一日も早い再開を望む所ではあります。