ヒューマンエラー | 寿建設 社長ブログ

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福島県福島市にある建設会社です。
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エピソードや思うことを綴ります。

能登半島地震の被災地に物資を届ける予定だった海上保安庁の航空機が、羽田空港で日本航空の旅客機と衝突するという大事故が発生した。
奇跡的に日本航空の乗客乗員379人の全員が脱出に成功したものの、海上保安庁の5名がお亡くなりなられた。

心よりご冥福をお祈りいたします。


なぜこの事故が起きたのか連日メディアでさまざまな推察の情報が飛び交っているが、ほぼ間違いのは「ヒューマンエラー」が原因だということであろう。
着陸する滑走路に離陸前の航空機がいたという事実は、何らかのやりとりの行き違いがあったということであり、そこには人間特有のエラーがあったはずだ。

 

2008年、2009年と、当社では現場での災害が多発した経験がある。

大きな事故やあわや大惨事のヒヤリハットが立て続き、この危機を止めないと会社の存続に関わると認識し、正直それまで真剣に対峙してこなかった安全管理について、必死で学び考えを巡らせた。

その時に浮かんだリスクに気づくためのキーワードが、現在も社内で使われている「動くもの」「重いもの」「高いところ」「変化する時」である。

事故のリスクの大半はこの4点に潜んでおり、これらには特に注意をして対策をしよう、という取り組みを徹底するようにした。

多発した事故の状況を整理・分析する中で、「動くもの」「重いもの」「高いところ」の近くにいると事故が起きやすい、という説明だと、誰もが現場でリスクをイメージしやすいと考えついたのだ。

そしてそれらの条件で事故が発生するタイミングが、「変化する時」。

人員が変わった、作業条件が変わった直後、などというタイミングに人間はヒューマンエラーを起こしやすいのだ。

↓↓詳細

「動」「重」「高」「変」 | 寿建設 社長ブログ (ameblo.jp)

 

今回の事故は、まさに「動く」「重い」「高い」の条件がとてつもなく大きい飛行機、そして緊急的な地震への対応という「変化」のタイミングといえなくもない。

小さなエラーがこのような重大災害に直結する航空業のエラー対策は何重にも供えられているはずだが、それでも人間というのはそれをかいくぐるようなエラーを起こすものである。
それはとんでもなくおかしなエラーではなく、われわれがいつ起こしてもおかしくないようなちょっとしたエラーであることが多い。

私が安全管理を本格的に勉強し始めてさまざまな本を読んでいた際、ある本にこんなキャッチコピーがあったのを今でも覚えている。
『旅客機「コンコルド」の墜落と、歩いている人が空き缶やバナナの皮ですべってころぶことは同じ原因の失敗だった! 』

失敗百選|森北出版株式会社 (morikita.co.jp)

 

今回の原因が究明され再発防止が徹底されることを願うとともに、自社の現場でも同様原因で大きな災害が起こりうることを再度認識し、喚起しなければならない。

 

以下、スイスチーズ・モデルという考え方も参考になるので興味のある方はご一読ください。

スイスチーズ・モデル | 寿建設 社長ブログ (ameblo.jp)