15年ほど前くらいからだろうか。
それまで「工事中」、もしくはせいぜい「舗装工事中」としか記載されていなかった工事看板に、具体的な工事の目的を記載するようにという指導が行政からされるようになった。
以下が当時の指導資料の一部。
目的を説明する際、どんな言葉を選ぶかで、会社の目線やセンスのようなものも問われることになると私は考えている。
※以下参照
主要な道路には年間を通じてのメンテナンスに対応するため「道路維持工事」(名称はいろいろある)という仕事が発注され、担当する会社が決まっている。
当社は福島県県北地方のメイン幹線の一つである、国道4号を長年担当している(2年に1度入札がある)。
舗装の修繕、除草、除雪、その他道路の機能を少しでも維持して通行に支障がないように多岐にわたる作業をするので、この看板の言葉はどうしても「道路を維持する工事をしています」というような言葉選びになってしまう。
各地でよく見かけるが、やはりそんな感じが多い。
過日、某所で非常にユニークな言葉を見つけた。
この道路のおせわをしています
なるほど、確かにお世話をする仕事である。
地域や個人によって言葉の意味のニュアンスが違うこともあり、賛否の意見はあるかもしれないが、私は「おお!」と思って車を停めて写真を撮ってしまったほどいい言葉だと思った。
実際やっていることのイメージが、どの言葉よりもマッチしている。
こうやって少しでも「伝わる」ようにという工夫は、とてもすばらしい。
気になって幾多の工事看板の言葉を目にしてきたが、私にとってはナンバーワンである。