末端ながら理事を務めさせていただいている「三方良しの公共事業推進研究会」が主催する、恒例の「三方良しの公共事業推進カンファレンス2022」に参加してきた。
福島で開催した昨年は登壇者、関係者30名程度のみが集まって基本はオンライン配信としたが、今回は定員100名+配信のいわゆる「ハイブリッド型」。
会場である四国・高知県に3年ぶりに足を運んだ。
テーマは、「地域で考え地域で実践する担い手づくり」。
今後の建設業のためだけでなく、国や地域を支えるという意味でも喫緊の課題である。
建設業の就労者数はこの20年に約4分の1減で、数にして154万人が減っているのが現状である。
今のままでは、地域のインフラ整備、そしてメンテナンス、さらには自然災害時の対応や積雪時の除雪など、各地の建設業者の存在により成り立っている仕事が「人がいない」ことが原因で遂行出来ない日が来るという現実が、そう遠くはないのではと最近特に感じている。
今回のプログラムの中に、四国内で「担い手作り」に関する活動されている高校(地元建設会社と連携しての人材育成)、そして3つの建設会社による、計4つの事例発表が盛り込まれていたのだが、やはり実践者の言葉は説得力があって大変興味深く話を聞かせていただき、自社の今後の取り組みにも大いに参考になった。
(写真は事例発表後のパネルディスカッションの様子)
どんなすばらしい理論や崇高な考えも、実践が伴わなければ何ものでもない。
特にこの大きな問題は時の流れが解決してくれるものではなく、むしろ時を経るにつれ状況は悪くなるわけで、「人が来ない」と嘆いたり理屈をこねていても問題は1センチも前進しないのだ。
今回のようにいろいろな角度からの実践を情報共有し、実践したからこそ分かる課題をまた次の実践へとつなげていく、そんな繰り返しをしていくしか解決方法はないのではないか。
自分自身への反省も含め、話を聞きながらそんなことを考えていた。
高校の発表に限らず、学校で出前授業等をやってまずは学生たちに建設業に関心を持っていただく取り組みが多かったのが一つの傾向として感じられた。
もはや求人活動だけでは入職を促すことは困難で、もっと上流のあたりから仕掛けていかねばならないということなのだ。
それでも話を聞く限り、まだ大きな成果とまでは至っていないようである。着実に前進されていることは間違いないのだが。
こうした地元企業の実践の積み重ねに加え、国や自治体がもっと本気になった取り組みを始めなければ間に合わなくなってしまうのではないかという危惧をさらに強く持つに至ったことも含め大変よい機会となり、高知まで足を運んだ甲斐が十二分にあったと実感した。