初めてお会いしたのが東日本大震災直前だからもう１１年以上つきあいのある、元女子プロレスラーの吉田万里子さん。
※現役時代の吉田さん（右から２番目）
現在、彼女はコロナ禍をきっかけに実家のある広島県尾道市の向島に住んで、オンラインにて身体に関するレッスンの仕事をされている。
会って話をするとかなり「天然」発言が多いものの非常におだやかな性格で、とても「戦う」仕事をしていたとは思えないのだが、壮絶といっていいほどの人生を歩まれてきたと客観的には思っている。
※以下、参照
そんな吉田さんのプロレスの時代の先輩で、ダンプ松本と共に「極悪同盟」として名をはせた「ブル中野」さんが自身のYouTubeチャンネルで吉田さんにインタビューした動画が、１回１０分程度で計７回分が公開された。
これがすこぶる面白くて公開のたびにすぐ見せていただいていた。
私も本人から当時のいろいろなエピソードは聞いてはいたが、同じ時代に女子プロレスの世界で生きた先輩からの問いに答える内容は、門外漢の私との会話ではとても引き出せるはずもない濃厚さで非常に興味深い。
そしてかなりとんでもないエピソードと思えるようなことも、コタツに入った姿でまるで他人事のように答える話し方に何度も笑ってしまった。
なんなのだろう、この淡々ぶりは。すごい経験をしてきたという実感がない、のだろうか。
自慢気な様子すらない。
そういえば以前福島で吉田さんの講演を開催することになり、PowerPointの資料作りの手伝いを頼まれたので「家にプロレス時代の写真があったらそれを見せた方が聞く方も興味深いのでは？」と貸してもらったところ、吉田沙保里さんや伊調馨さん、さらにはデストロイヤーやミル・マスカラス、そしてなんとモハメッド・アリやヒクソン・グレイシーと一緒に映った写真があって、ひっくり返りそうになったほどびっくりしたことがあった。
「こんなすごい写真を見せたら聞く人も驚くよ！」と説明したら「そーなんだー」とやはりピンときてなかった様子を思い出した。
長いつきあいだが、今回のインタビュー動画を見て改めてかなり不思議な方だと思う。
第一話がこちら。
コメント欄に記載されたたくさんの言葉を読むと、プロレス時代の吉田さんがどんなふうに思われていたのかがよく伝わってきてやはり興味深かった。
以前も書いたが、私が工事現場の写真を撮っていただくことを依頼した写真家の山崎エリナさんを紹介いただいたのは、この吉田万里子さんなのである。
