[昔、「目」は「ま」だった]
「目」に関係する言葉には、
「ま」という音で始まるものが多くあります。
・まぶた(瞼)
・まなざし(眼差し)
・まなこ(眼)
・まばたき(目瞬き)
・まなじり(眦=目尻)
・まつげ(睫)
などなど。
これ、もともと
「目」のことを「ま」と言っていた古い日本語が
残っているからなんですよね。
・瞼(まぶた)=目のふた
・眦(まなじり)=目の尻(最後の方)=目尻
というふうに。
もちろん古い時代のことなので諸説あるようですが、
こんな風に、言葉の成り立ちをひも解いて
1000年前にはどんな言葉のやりとりだったのかな~
なんて、想像するのも楽しいものです。
[「まもる」は「目守る」]
そして、今では「守る」と表記される、
【まもる】という単語は
古くは「目守る」と書きました。
目(視線)を向けた状態を保つ
=見続ける、見つめる
という意味から、
目を離さない
↓
見張る
↓
守る
と意味が次第に広がったと言われています。
つまり、
「まもる」は、もともと
「見る」という意味だった
ということです。
[子供を「守る」親]
とすると、
・子供を守りたい!と願う親心
あるいは
・大切な仲間を守りたい!と願うリーダーシップ
は、とらえ方が少し変わってきそうです。
「守る」=「見る」
ですから、
「守る」=「保護する、手助けする」ではない
ということになります。
子供や仲間から目を離さずに「見る」ことが
「まもる」こと。
決して、先回りして手助けをしたり
ぴったりと横について口出ししたり
そういうことではないようです。
心当たり、ありますね、、、(反省)
[「まもる」は「目守る」]
「まもりたい」と思う相手を
しっかりと見て、
「目」線を注ぐこと。
そして「目」を離さず
(心理的な「目」=興味・関心も含めて)、
常に相手の存在を感じ続ける(「目守る」)こと。
もしかしたら、私たちは
「大切にしたい!」という気持ちのあまり
本来の意味で
「まもる=目守る」ことを
忘れがちになっているかもしれません。
こうして言葉のなりたちに触れると、
言葉のひとつひとつには意味があり
それを使い継いできた人の思いを感じます。
大切に思う相手を、
ただ、見る・見続ける(=目守る)
これは、相手を信じるということにも
通じるのではないかとも思えてきますね。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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