[「言い訳」という言葉に集まる批判]
大規模特番内の企画に関するTV局のツイートが
（主に批判的な）話題になっています。
https://twitter.com/24hourTV/status/901406415331278848
https://togetter.com/li/1144392
私はこの番組を見ないので
実際の言葉のトーンやニュアンスなどは分からないのですが、
今回の出来事が
多くの人が言葉の重要性を
実感するきっかけになるのであれば、
出来事が起きた甲斐はあると考えています。
[言葉は凶器になる。
その可能性が常にある。]
このツイートを書いた人が誰か知りませんし、
どのような意図があったのか、あるいはなかったのかも
この短文だけでは判断できません。
ただ、この「言い訳」という単語の選択が
これほど多くの人の感情を逆撫でし、
負の感情を引き起したことは確かです。
このツイートを書いた人は言うでしょう。
「そんなつもりはなかったんです」
これまで何度となく行われた、
失言に伴う釈明会見などでも
「そんなつもりはなかった」的な説明
（あるいは“言い訳”）がありましたね。
けれど、これらの「つもりがなかった」が
聞き手の心に届くことは、ほぼありません。
言葉の選択と順番、タイミングを誤ると
後戻りや修復は、ほぼ不可能なのです。
[「つもりがあるかないか」は
聞き手には関係ない]
ツイートを書いた人も人間ですから、
「喘息は我慢すればなんとかなるものであり、
それを理由に「普通の人ができること」をやらないのは
怠惰なことである」
などとは思っていないはずです。
つまり、
そういうつもりはなかった
のです。
その「つもり」の部分を
そうですか、つもりはなかったんですね、
それは私が勝手に批判的な意味合いを感じただけだったんですね
と、好意的（お人好し？）に受けとめる聞き手が、いったいどれだけいるのでしょうか。
そして、
「言い訳」という言葉を見て
反射的に不快な気持ちがした人がこれだけ多いということから、
今回は残念ながら
言葉の選択ミスと言ってよいでしょう。
[言葉は自由。
そして自由は、誰かの不自由と
引き換えになってはいけない]
言葉を使うとき、私たちは自由です。
ただし、言葉は、
特定、不特定、単数、複数、多数を問わず
受け取る相手が必ず存在する
ということも、忘れてはいけません。
伝える自由には、
伝える責任が伴うのです。
とは言え、言葉を使う実際の場面は
多くの場合、ライブです。
よく考えて、言葉を選び直して、という時間は
私たちの言葉の生活の中には
あまり多くはありません。
だから、
いつ、どんな状況で、
何に・誰に対して無茶ぶりされたとしても、
あなたの「つもり」を
曲げることなく伝えるための
準備がとても大切です。
言葉への意識、興味を持つこと。
言葉について話したり考えたりする機会を持つこと。
思考と言葉を整理すること。
言葉のトレーニングを習慣化すること。
「言葉と声のセッション」でいつもお伝えしていることを
もっと多くの方に伝えていきたい！
と、改めて感じた出来事でした。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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「伝えたい！を伝える話し方」
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言葉と声のハーモニスト
松本エリハ
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