固定資産税は、固定資産の所有者※1に課する。

※1 質権又は百年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者又は地上権者とする。以下固定資産税について同様とする。

 

2 前項の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者※2として登記又は登録がされている者をいう。この場合において、所有者として登記又は登録がされている個人が賦課期日前に死亡しているとき、若しくは所有者として登記又は登録がされている法人が同日前に消滅しているとき、又は所有者として登記されている第三百四十八条(固定資産税の非課税の範囲) 第一項(人的非課税)の者が同日前に所有者でなくなつているときは、同日において当該土地又は家屋を現に所有している者をいうものとする。

※2 区分所有に係る家屋については、当該家屋に係る建物の区分所有等に関する法律第二条第二項(区分所有者の定義)の区分所有者とする。以下固定資産税について同様とする。

 

3 第一項の所有者とは、償却資産については、償却資産課税台帳に所有者として登録されている者をいう。

 

4 市町村は、固定資産の所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由により不明である場合には、その使用者を所有者とみなして、固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる。この場合において、当該市町村は、当該登録をしようとするときは、あらかじめ、その旨を当該使用者に通知しなければならない。

 

5 市町村は、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行つてもなお固定資産の所有者の存在が不明である場合※3には、その使用者を所有者とみなして、固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができる。この場合において、当該市町村は、当該登録をしようとするときは、あらかじめ、その旨を当該使用者に通知しなければならない。

※3 前項に規定する場合を除く。

 

6 農地法第四十五条(買収した土地、立木等の管理)第一項若しくは農地法等の一部を改正する法律附則第八条第一項の規定によりなお従前の例によることとされる同法第一条の規定による改正前の農地法第七十八条第一項の規定により農林水産大臣が管理する土地又は旧相続税法第五十二条、相続税法第四十一条(物納の要件)若しくは第四十八条の二(特定の延納税額に係る物納)、所得税法の一部を改正する法律による改正前の所得税法第五十七条の四、戦時補償特別措置法第二十三条若しくは財産税法第五十六条の規定により国が収納した農地については、買収し、又は収納した日から国が当該土地又は農地を他人に売り渡し、その所有権が売渡しの相手方に移転する日までの間はその使用者をもつて、その日後当該売渡しの相手方が登記簿に所有者として登記される日までの間はその売渡しの相手方をもつて、それぞれ第一項の所有者とみなす。

 

7 土地区画整理法による土地区画整理事業※4又は土地改良法による土地改良事業の施行に係る土地については、「仮換地等」※5の指定があつた場合又は「仮使用地」※6がある場合には、当該仮換地等又は仮使用地について使用し、又は収益することができることとなつた日から換地処分の公告がある日又は換地計画の認可の公告がある日までの間は、仮換地等にあつては当該仮換地等に対応する従前の土地について登記簿又は土地補充課税台帳に所有者として登記又は登録がされている者をもつて、仮使用地にあつては土地区画整理法による土地区画整理事業の施行者以外の仮使用地の使用者をもつて、それぞれ当該仮換地等又は仮使用地に係る第一項の所有者とみなし、換地処分の公告があつた日又は換地計画の認可の公告があつた日から換地又は保留地を取得した者が登記簿に当該換地又は保留地に係る所有者として登記される日までの間は、当該換地又は保留地を取得した者をもつて当該換地又は保留地に係る同項の所有者とみなすことができる。

※4 農住組合法第八条(土地区画整理事業)第一項の規定により土地区画整理法の規定が適用される農住組合法第七条(事業)第一項第一号の事業及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第四十六条(土地区画整理事業)第一項の規定により土地区画整理法の規定が適用される密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第四十五条(計画整備組合の事業の範囲)第一項第一号の事業並びに大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による住宅街区整備事業を含む。以下この項において同じ。

※5 法令若しくは規約等の定めるところにより仮換地、一時利用地その他の仮に使用し、若しくは収益することができる土地をいう。以下この項、第三百四十九条の三の三(被災住宅用地等に対する固定資産税の課税標準の特例)第三項及び第三百八十一条(固定資産課税台帳の登録事項)第八項(みなす土地補充課税台帳)において同じ。

※6 土地区画整理法による土地区画整理事業の施行者が土地改良法第百条の二(市町村の交換分合計画の決定手続)※6-1の規定により管理する土地で当該施行者以外の者が仮に使用するものをいう。以下この項及び第三百八十一条第八項において同じ。

  ※6-1 農住組合法第(土地区画整理事業)八条第一項及び密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律第四十六条(土地区画整理事業)第一項において適用する場合並びに大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条(土地区画整理法の準用)において準用する場合を含む。

 

8 「埋立地等」※7又は国が埋立て若しくは干拓により造成する埋立地等※8で工作物を設置し、その他土地を使用する場合と同様の状態で使用されているもの※9については、これらの埋立地等をもつて土地とみなし、これらの埋立地等のうち、「都道府県等」※10以外の者が公有水面埋立法第二十三条(埋立地に対する工作物設置の許可)第一項の規定により使用する埋立地等にあつては、当該埋立地等を使用する者をもつて当該埋立地等に係る第一項の所有者とみなし、都道府県等が公有水面埋立法第二十三条(埋立地に対する工作物設置の許可)第一項の規定により使用し、又は国が埋立て若しくは干拓により造成する埋立地等にあつては、都道府県等又は国が当該埋立地等を都道府県等又は国以外の者に使用させている場合に限り、当該埋立地等を使用する者※11をもつて当該埋立地等に係る第一項の所有者とみなし、これらの埋立地等が隣接する土地の所在する市町村をもつてこれらの埋立地等が所在する市町村とみなして固定資産税を課することができる。

※7 公有水面埋立法第二十三条第一項(埋立地に対する工作物設置の許可)の規定により使用する埋立地若しくは干拓地をいう。以下この項において同じ。

※8 公有水面埋立法第四十二条第二項(竣功による通知)の規定による通知前の埋立地等に限る。以下この項において同じ。

※9 埋立て又は干拓に関する工事に関して使用されているものを除く。

※10 都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区及び合併特例区をいう。以下この項において同じ。

※11 土地改良法第八十七条の二(申請によらない土地改良事業)第一項の規定により国又は都道府県が行う同項第一号の事業により造成された埋立地等を使用する者で政令で定めるものを除く。

 

9 信託会社※12が信託の引受けをした償却資産で、その信託行為の定めるところにしたがい当該信託会社が他の者にこれを譲渡することを条件として当該他の者に賃貸しているものについては、当該償却資産が当該他の者の事業の用に供するものであるときは、当該他の者をもつて第一項の所有者とみなす。

※12 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律により同法第一条(兼営の認可)第一項に規定する信託業務を営む同項に規定する金融機関を含む。以下この項において同じ。

 

10 「特定附帯設備」※13については、当該取り付けた者の事業の用に供することができる資産である場合に限り、当該取り付けた者をもつて第一項の所有者とみなし、当該特定附帯設備のうち家屋に属する部分は家屋以外の資産とみなして固定資産税を課することができる。

※13 家屋の附帯設備(※13-1)であつて、当該家屋の所有者以外の者がその事業の用に供するため取り付けたものであり、かつ、当該家屋に付合したことにより当該家屋の所有者が所有することとなつたものをいう。以下この項において同じ。

 ※13  家屋のうち附帯設備に属する部分その他総務省令で定めるものを含む。

 

解釈

1項 固定資産税は、土地、家屋、償却資産の所有者に課されます。

2項 土地や家屋の所有者とは、登記簿や課税台帳に所有者として登記または登録されている者を意味します。ただし、所有者として登記または登録されている者が死亡や消滅した場合、または所有者として登記されている者が所有者でなくなっているときは、その土地や家屋を現に所有している者を納税義務者とする。

3項 償却資産の所有者とは、償却資産課税台帳に所有者として登録されている者を意味します。

4項 市町村は、固定資産の所有者の所在が不明である場合、その使用者を所有者とみなして、固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課すことができます。ただし、あらかじめ使用者に通知する必要があります。

5項 市町村は、相当な努力が払われたと認められる場合、その使用者を所有者とみなして、固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課すことができます。ただし、あらかじめ使用者に通知する必要があります。

6項 農地法に基づき国が管理する土地や、旧相続税法に基づき国が収納した農地については、国を所有者とみなして、固定資産税を課します。

ただし、国が当該土地を他人に売り渡した場合、その所有権が売渡しの相手方に移転する日までは、当該土地の使用者を所有者とみなして、固定資産税を課します。また、その日後当該売渡しの相手方が登記簿に所有者として登記される日までは、当該売渡しの相手方を所有者とみなして、固定資産税を課します。

 

7項 土地区画整理法や土地改良法に基づく事業の施行に係る土地については、法令や規約等の定めるところにより仮換地等の指定が行われている場合、当該仮換地等の使用者を所有者とみなして、固定資産税を課します。

ただし、換地処分の公告がある日までは、以下のとおりです。

  • 仮換地については、仮換地に対応する従前の土地の所有者を所有者とみなして、固定資産税を課します。
  • 仮使用地については、土地区画整理事業の施行者以外の仮使用地の使用者を所有者とみなして、固定資産税を課します。

また、換地処分の公告の日から、換地又は保留地の取得者が所有者として登記されるまでの間は、換地又は保留地を取得した者を所有者とみなして、固定資産税を課します。

 

8項 公有水面埋立法に基づく埋立地等については、埋立地等を使用する者を所有者とみなして、固定資産税を課します。

9項 信託会社が信託の引受けをした償却資産で、その信託行為の定めるところにしたがい信託会社が他の者にこれを譲渡することを条件として当該他の者に賃貸しているものについては、当該償却資産を利用する他の者を所有者とみなして、固定資産税を課します。

10項 家屋の附帯設備のうち、当該家屋の所有者以外の者がその事業の用に供するために取り付けたものについては、当該取り付けた者を所有者とみなして、固定資産税を課します。