川越style「はやし・ミーツ・サンバ」 囃子とサンバのセッション 毎年10月開催 茶陶苑 | 「小江戸川越STYLE」

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川越の夜に、川越の囃子・舞とブラジルのサンバのセッションが響き渡る。

 

日本とブラジルの芸能文化交流イベント、

 

毎年10月、川越まつりの前に行われている恒例イベントが、2019年10月6日(日)川越市仲町にある「茶陶苑」で開催されたのが、「はやし・ミーツ・サンバ」。

「はやし・ミーツ・サンバ」
日程:2019年10月6日(日)
開場 16:00 開演 16:30

sambahayashi@gmail.com 

会場:川越市仲町2-6 茶陶苑(ちゃとうえん)

本川越駅から徒歩10分、川越駅から徒歩20分又は市内バス「仲町」下車

「茶陶苑」

http://www.chatouen.com/index.html
出演:

竹生会・囃子

フランシス・シルヴァ・Prc.Vo

今福多恵、池田ゆかり・Vo

岩崎光治・Cvq

山田園恵・Steelpan

長澤紀仁・Gt

吉田和雄・Drm
http://ouzak.music.coocan.jp/99_blank004.html?fbclid=IwAR1dsR0-W22lLbbs-uedbcAgrBZ5NsI3CcobVVjUZtDgK-kVV8p01KZpJGk

 

毎年10月川越恒例のイベントとなった、日本とブラジルの芸能文化交流イベント、「はやし・ミーツ・サンバ」。

日本の伝統的な囃子や舞と、サンバを代表とするブラジルのリズムのコラボレーション。

今年も川越まつりで盛り上がる仲町の茶陶苑にて、川越まつりの2週間前に開催。

今や川越まつり当日を迎える前の恒例行事となっている。

この時期、川越まつりを目前に控え各町内では祭りの準備が進むと共に、各町内の囃子連の練習もさらに熱気を帯びてくる頃になります。

会場周辺や川越市内が囃子の練習で盛り上がる中、国境を越えた日本×ブラジル、音楽の融合を見せる。

 

今年のはやし・ミーツ・サンバは、フランシス・シルヴァ率いる「セン・クルゼイロ」を招いて華麗な囃子とのコラボ。さらにお馴染みの「パンドラム」も参加も決定。
豪華絢爛な舞、楽しいリズム、ブラジルと日本のアーティストのコラボなど、見どころ、聴きどころが満載の内容となっていました。

はやし・ミーツ・サンバが開催されている会場が絶妙。

茶陶苑を管理・運営する亀屋山崎茶店は、天明3年(1783年)創業の和菓子の老舗亀屋(山崎家)から明治10年に分家し、お茶の商いを始めました。周囲に黒漆喰の重厚な蔵が多い中で、当時から軽やかで洗練された瀟洒な雰囲気を漂わせていました。銀灰色の瓦は京都の一文字瓦を配し、正面の窓は横長開放型で、千本格子をはめ込んだ京風の繊細なデザインとなっており、この店舗部分は、明治26年の川越大火後に新築されたもので、隣接している煉瓦のアーチ門、煉瓦の塀は、明治の頃のモダンで洒落た雰囲気を漂わせています。

茶陶苑からすぐ近くに臨む仲町交差点は、川越まつりでは山車同士の曳っかわせが行われるメッカとなっており、複数台の曳っかわせも毎年のように行われています。

川越まつりの重要ポイントを目の前にした会場というのも、川越まつりの囃子をフィーチャーしたイベントならではの選択。


はやし・ミーツ・サンバ主催者であり出演者でもある、川越出身のプロドラマーが吉田和雄さん。

小野リサさんのレコーディングやライブにも参加しているドラマーで、ブラジル音楽においては日本を代表する存在である。また、吉田さんは川越の西小仙波町の囃子連、竹生会囃子連に所属しており、川越の囃子とブラジル音楽の架け橋となって「はやし・ミーツ・サンバ」を主催している。

プロフィール/Profile
吉田和雄 ドラム
『川越に育ち、地元の「囃子」を習い、川越高校時代にボサノヴァの源、「サンバ」を「囃子」の共通点を見出す。東京理科大学時代にドラムを始め、ブラジルのリズムを会得、自己のユニット「スピック&スパン」で11枚のアルバムを発表、高評価を得る。名手、パット・メセニー、渡辺貞夫氏とも共演。プロデューサーとしては小野リサを世に送り出し、南佳孝、ジョイスなど内外のアーティストからも絶大な信頼を得て計200枚程の作品を制作。2007年、還暦を前に囃子とサンバのコラボを開始。2014年には国際交流基金等の援助を受け、竹生会の有志とブラジル・ツアーを成功させた。渡伯経験71回、日本とブラジルの架け橋的存在。昨年9月にはリオ・デ・ジャネイロの「ブルーノート」で日本人初のリーダー・ライブを敢行し大成功。現在、「トキオ・ボッサ・トリオ」、今回出演の「パンドラム」を主宰、いずれも新作アルバムを今年発表!』

・「Kazuo Yoshida」
http://ouzak.music.coocan.jp/index.html


・フランシス・シルヴァ ヴォーカル
『ブラジル・サンパウロ出身。子供のころから打楽器を得意とし、17歳でプロデビュー。ソニー・ロリンズ、スタン・ゲッツなどの前座を務めるなど国際的に活躍。並行してバークリー音楽院にて自身のルーツを研究する。1979年より日本を活動の拠点とし、サンバスクールを創設。自身の根幹であるアフロ・ブラジル文化(歌、踊り、楽器)のレッスンを開講、日本のサンバの礎を築く。また、スマップ、阿川泰子、渡辺真知子などのライブやレコーディングに参加、10年前「ブラジルの民衆から愛され、生活に溶け込んだサンバの名曲で気軽に踊って欲しい」との思いから「セン・クルゼイロ」を結成。サンバ・ボサノヴァ、MPB(ブラジルのポップス)などを独自のアレンジで演奏、都内を中心にライブ活動を精力的に展開中。』
「フランシス・シルヴァ」
https://www.francissilva.net/

 

・山田園恵 スティールパン(通商パン)

『武蔵音楽大学在学中にパンを始める。名手、原田芳宏主宰の「Panorama Steel Orchestra」に参加、TV等に出演。2015年、この楽器の故郷、トリニダード・トバゴのパン世界大会に同バンドでアジア代表としてエントリー、堂々の9位入賞。吉田のユニット「パンドラム」でも大活躍。』

 

・長澤紀仁 アコースティック・ギター

『優れた技術で中島啓江、葉加瀬太郎、岩崎宏美、大沢誉志幸など、多くのアーティストのライブ、録音で超多忙。一方、ブラジルのポピュラーミュージックにも傾倒、自己のユニットや今回出演の「セン・クルゼイロ」、「パンドラム」でも活躍中。』

 

そして、ブラジル音楽・サンバと競演するのが、竹生会囃子連(ちくぶかいはやしれん)。

竹生会囃子連は川越市西小仙波町の囃子連です。

西小仙波町は、本川越駅から東、川越街道と成田山川越別院、喜多院、仙波東照宮、中院などとの間に挟まれている地域。

西小仙波町は、自治会館が毎年6月に開催されている「茶あそび 彩茶会 川越大会」の会場の一つとなっていて、川越のお茶体験としても知られている。


『~伝統的な茶席からオリジナル茶席まで、川越の街中が茶席になる~
茶あそび彩茶会は伝統文化をまちづくりに活用する目的で企画された新しい試みの茶会です。
茶道の経験がなくても楽しめます。
本格的なお茶席から、名物の面白茶席として甲冑席やミステリー茶席、その他香道など、さまざまな楽しいイベントが川越市内各所で行われます。
お茶を飲みながらの川越観光名所巡りを是非どうぞ♪』
会場 氷川神社、川越城本丸御殿、時の鐘、服部民俗資料館、くらづくり茶屋、蓮馨寺、熊野神社、旧鶴川座(手織り)、日枝神社、西小仙波町一丁目自治会館、中央公民館分室、畳ショールーム
~同日開催~
琵琶や邦楽演奏で語る歴史物語
開演時間 13時、15時、17時
会場 西小仙波町一丁目自治会館

 

・西小仙波町「竹生会囃子連」

昭和43年に結成、50余年の歴史を持つ囃子連。川越で唯一、神田囃子大橋流を継承する。秋の大祭「川越まつり」では、西小仙波町が所有する「素戔嗚尊の山車」で演技。現在、会員30名余りの非営利団体。
https://teketen.org/chikubu/index.htm

『西小仙波町では町内の時田小児科医院の院長時田勝輔氏が、主宰していた竹の子クラブという青年会が主体となって町内の若者を集め、時田勝輔氏が市内の病院を回って寄付を募って昭和四十三年夏から準備を始め道具一式を揃え、十月の川越祭り後の土曜日から川越市上寺山の時田勝輔氏の本家の蔵を借りて、越生本町の親和会囃子連を先生に迎えて神田大橋流の稽古を始めました。
竹生会という名は竹の子クラブの竹と越生の生を採って命名したものです。
一年後の昭和四十四年のお祭りには町内に舞台を組んで川越祭りに初参加しましたがまだ竹生会会員だけではおぼつかないということで越生親和会にも手伝って頂きました。
昭和四十五年のお祭りに始めて西小仙波町の山車に乗って演じました。皆張り切りすぎて一日目で手のひらにマメが出来て痛くて大変だった思い出があります。後に静か物の曲を習いたいと越生親和会囃子連の師匠筋に当たる飯能市通二丁目親和会囃子連の島田笛童氏に師事し選抜された者が数名毎週稽古に通いました。
昭和四十八年から町内在住で旧神田市場に店を出していた内田誠さんの紹介で、神田囃子の本家である神田囃子保存会の重鎮、小林一奏先生を招いて正調神田囃子を伝授して頂きました。一奏先生は毎週御徒町の自宅から川越まで熱心に教えに来ていただき、基本の神田囃子の他、お祝いの席で演じる寿獅子舞や大黒舞も教えていただきました。
小林一奏先生から教授を受けた兄弟弟子に神田明神、赤坂日枝神社、根津神社、下谷神社等の氏子の囃子連があることから江戸の三大祭り「神田祭、山王祭、根津権現祭」にも参加しています。
舞につきましては、あちこちの近在の囃子連に出向いて教えていただきましたが、筋だってきちんと教えていただける先生が見つからず困っていたところ、縁あって砂新田の梅沢庄太郎氏に師事するようになり、毎週町内会館でおかめ、もどき、天狐、たぬき、猿などを習いました。同じ手を何回も使うなとか手や指の使い方とか結構厳しく指導されました。梅沢さんは若いときに歌舞伎芝居一座で女形をしていたそうで、おかめの舞を得意とし、今福の囃子連に招かれて六軒町の山車に乗っていました。
私達の稽古の時に新しく囃子を始めた旧市内の囃子連の若者達も集まってきて一緒に稽古に励み舞のレベルが急激に上がったと思います。
川越の踊りは山車の上で舞う踊りなので上体の所作が主体で足は殆ど使いませんので歩くことが苦手です。舞台で踊る時は舞台を大きく使えずに困まっていました。
竹生会創立三十周年記念式典の時に神田囃子の兄弟弟子や市内の囃子連や師匠方々を招いて披露するのに舞台でどの様に踊ったらよいか困っていました。
会員の誰かが神楽師から習いたいと言い出し、小林一奏先生のお仲間の草加市柿ノ木の神楽師駒崎豊治さんの娘さん通子さんが教えてくれることになり、舞い手の主だった者達が稽古に通い山車の上の踊りと舞台での踊りを使い分け出来る様になりました。当会の踊りはこの時に教えていただいた所作が基本となり梅沢さんから習った物を融合させて現在に至っています。』

 

西小仙波町は、川越まつりでは素戔嗚尊(スサノオノミコト)の山車で知られ、山車の上で囃子を演技しているのが、竹生会囃子連です。

西小仙波町の川越まつりの会所は、例年、埼玉病院隣になります。

西小仙波町 素戔嗚尊の山車 / 川越まつり公式サイト
https://www.kawagoematsuri.jp/sp/18susanoo.html

竹生会囃子連は秋の川越まつり以外でも川越まつり会館での囃子実演や、お正月に町内を回る門付やPePeでの獅子舞・大黒舞、イベントや結婚式など依頼に応じて獅子舞・大黒舞を行っています。お正月は、「福登美」の新年会の座敷にも詰め、埼玉病院で患者さんの病室も回っています。高校や音楽大学で伝統芸能の授業に呼ばれる事もあります。
文化交流でブラジルに演奏しに行ったこともある会です。

一番街にある川越まつり会館の「囃子実演」にも出演しています。

 

ドラマーとしての吉田和雄さんと竹生会囃子連のコラボレーションは川越でお馴染みとなっていて、毎年秋に開催されている「食と音と灯りの融合 Kawagoe REMIX(カワゴエリミックス)」が広く知られている。

Kawagoe REMIXでは、

■「小江戸川越ライトアップ」
■「KAWAGOE LIVE(カワゴエライブ)」
■「川越蔵まちバル8」
3つの催しが柱として行われており、そのうち「KAWAGOE LIVE(カワゴエライブ)」は、地元川越に縁(ゆかり)のあるアーティストたちが、川越の街を舞台にライブパフォーマンスを繰り広げます。

蓮馨寺と養寿院山門前を会場にし、養寿院のステージに登場しているのが、吉田和雄さんと竹生会囃子連。ここでも絶妙なコラボレーションを魅せています。

(川越style「食と音と灯りの融合 Kawagoe REMIX(カワゴエリミックス)」
https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12403914160.html

「食と音と灯りの融合 Kawagoe REMIX(カワゴエリミックス)
https://kawagoe-lightup.info


2019年10月6日(日)仲町にある茶陶苑で開催された「はやし・ミーツ・サンバ」。
16時開場から観客が続々と訪れ、茶陶苑内は満員御礼、130人の来場がありました。

毎年、「はやし・ミーツ・サンバ」を楽しみにしている人も多く、このイベントに参加して川越まつりの気持ちを高めるというほど川越的風物詩にもなっている。

16時30分開演。

まずは吉田さん率いるメンバーによるブラジル音楽の演奏。

じっくりと聞かせて徐々に会場のボルテージを上げていく。


 

次に、いよいよ竹生会囃子連の囃子とブラジル音楽のコラボレーション。

川越まつりで馴染みのある日本の伝統的な囃子や舞、竹生会囃子連の演奏、リオのカーニバルで馴染みのあるブラジル・サンバが掛け合わさる。

囃子とサンバが合う?と初めての人は思うでしょう。

囃子の笛に太鼓に鉦の調子に音色、それに舞、サンバのリズムが違和感なく交じり合って、未体験の音楽へ。

川越まつりとリオのカーニバルというお互い祭りの音楽だけに、共通する部分があるのだろう。

それぞれが独立しながら、やがて融和し一体となっていく情景は、なんとも感動的。

コラボはもちろん、それぞれ個人のパフォーマンスも注目に値するもので、それぞれが個性を発揮しながら全体の融合を作り上げていました。

思えば、川越まつりの華である山車同士の曳っかわせは、各町内の山車・囃子・舞・町方によるフリーセッション。

曳っかわせ自体が他者とのコラボレーションと見ることもでき、川越まつりの囃子は閉じられた世界ではなく融和が前提。

そう考えれば、はやし・ミーツ・サンバは違和感が起ころうはずがなく、新たな可能性を見せる場になるはずだった。
曲が進むごとに場内の熱気も上昇、興奮のるつぼとなっていきました。

川越まつりの囃子の魅力を発揮し、さらに囃子の潜在力を引き出すようなコラボレーションでした。

 

川越の囃子・舞とブラジルのサンバが自然と一体となって、誰も体験したことのない音楽へ昇華していきました。

祭り×祭り。

川越の夜に、川越まつりを控えた夜に、国境を越えた祭りの融合が観客を魅了しました。


10月19日(土)、20日(日)に開催される「川越まつり」。

西小仙波町の竹生会囃子連は埼玉病院隣で居囃子を行います。

 

「はやし・ミーツ・サンバ」は、毎年10月に開催されていく予定です。


「Kazuo Yoshida」
http://ouzak.music.coocan.jp/index.html