川越style「川越ガーデンツアー」福原ファームクラブ×ウニクス川越 | 「小江戸川越STYLE」

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「小江戸川越STYLE」代表:石川真

川越は市中心部が注目されることが多いですが、目を転じて周囲を見渡せば、市郊外には自然や農業地帯が広がる街でもあり、川越の魅力は、と一言で言い表せられない多層性があるのが川越。

川越では、中心部一極集中の視点だけでなく、周辺地域を発掘・発信しようとする機運が高まっていて、色んな動きが見られるようになっています。

市郊外には、川越にこんなものがあったのかという宝の山で、川越の可能性を感じさせるものが無数にあります。

エコツーリズムが叫ばれる中、中心部と郊外を繋ぎ、街全体で川越を発信する重要性が増している中、新しい観点で、そして楽しみながら、川越の知られざる魅力を再発見するツアー。

2018年5月15日に開催されたのが、「川越ガーデンツアー」。

10:00~15:00

ウニクス川越(ヤオコー前集合)川越市新宿町1-17-17
料金: 参加費】2,000円/「ヤオコー特製ガーデン弁当 500円」 事前予約のみ

『川越の素敵なお庭を巡るバスツアーです。

深緑とバラの季節、心地良い風を感じて過ごしませんか。』。

普段はなかなか入ることのできない場所を含め、川越の自然スポットを3ヵ所巡るツアーで今回初開催となります。

・「今福雑木林」

『川越にもこんなに気持ちいい雑木林があったことを再発見』

・「栗原造園」

『南大塚にある造園会社と自宅を結ぶ庭です。ブナやモミジの新緑と季節の草花の庭でゆっくりとお過ごしください』

・大河内邸

『たくさんの種類の草花が自然と馴染む個人のお庭です。素敵な香りに包まれる季節、この機会に訪れてみませんか』

今回巡るのは、川越にこんな素敵な場所があったのかと驚きの声が挙がること間違いなしの場所ばかりです。

このツアーを企画したのは、川越の農業支援団体「福原ファームクラブ」の横山さんと(株)ウニクス。

一年で一番緑が萌え花が綺麗な春に合わせて開催されました。

横山さんと川越駅西口にあるウニクス川越の中尾支配人は、2018年1月の「くらしをいろどるFarmer's Market」で繋がり、意気投合し、横山さんの伝手で普段は入ることができない場所含めて川越の素敵なお庭巡りのツアーを企画しました。時季に合わせ、継続的な開催を予定しています。

福原ファームクラブの横山さんとウニクス川越という両者は、以前から自然・環境・花の展開をしており、いつかは繋がるべくして繋がるという両者だったかもしれない。

横山さんはNPO法人かわごえ環境ネット理事で、2018年2月ウェスタ川越で開催された「第16回かわごえ環境フォーラム」に携わっていた。

(川越style「第16回かわごえ環境フォーラム」2018年2月25日かわごえ環境ネット

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12356385330.html

また、2017年ウェスタ川越の講座、「ECO LIFE デザイン 子どもと一緒の環境講座」にも関わっています。

「ECO LIFE デザイン 子どもと一緒の環境講座」はウェスタ川越の植え込みに「たねダンゴ」を埋めて花を咲かせようという画期的な試みも行われました。「はなばたけのはじまり」は、川越初の花のイベントであり、ウニクス川越・ウェスタ川越では実は自然や花の発信が行われている事実はもっと知られていいかもしれません。

(川越style「ECO LIFE デザイン 子どもと一緒の環境講座」2017年5月ウェスタ川越

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12291894162.html

 

そしてウニクス川越と言えば、2018年4月に川越初の花フェスティバル「はなばたけのはじまり」の会場となっていて、中尾支配人が猛烈に協力したイベントでした。

(川越style「はなばたけのはじまり」花のあるくらしを提案する ウニクス川越にぎわい広場

https://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12369313265.html

というように、両者の発信の方向は以前から同じだった。

もう一つ付け加えるなら、2018年5月22日からウェスタ川越で新たな講座がスタートし(受付は終了)、ウェスタ川越に素敵な花壇を作りながら花壇作りを学ぶ内容で、これにも横山さんが関わっています。これは、昨年の「ECO LIFE デザイン 子どもと一緒の環境講座」の流れを汲んで、さらに発展させた今年の企画という位置付けです。この講座のことは後日記事にまとめます。

川越市民にとってまだ広く知られてない事実だと思いますが、自然・環境・花の具体的発信が川越で一番されている場所が、ウェスタ川越・ウニクス川越。

そして、さらなる展開としての、「川越ガーデンツアー」です。

川越ガーデンツアーの告知・受付はウニクス川越で5月1日に始まり、初めての試みの話題もあって、あっという間に枠が埋まったという。

川越で例のない、ガーデンツアー。

そもそも川越に、みんなでツアーするほどガーデンがあったのかというところから驚きだったと思います。

自然体験・庭園観賞に興味を持つ人は多いと思いますが、それが川越で体験できるという画期的な企画に驚き、そして川越にどんな未知の場所があるんだろうと期待に膨らんでいるような反響の大きさでした。

すぐに思い浮かべる川越エコツーリズムでは、川越郊外の自然の有名スポットを思い浮かべるでしょうが、横山さんはさすがに違った。今回のツアーで巡るのは全て観光地化されていない場所で、普段は一般の立ち入りを受け入れていない場所もある(個人の敷地もあり)。いわゆる観光名所を巡る旅行代理店企画のツアーとは真逆の発想でした。

この場所に足を踏み入れることができるというのが今回のツアーの目玉で、参加者だけの特権。

普段の活動から場所場所との信頼関係を築いている横山さんだからこその、スペシャル3スポットと言えるものでした。

敷居が高い場所というのは、格式というより個人の敷地であるという意味で、こういう場所を選ぶというのが横山さんらしい感性。

つまり、この川越ガーデンツアーは、入場料いくらで入園できるガーデンのツアーではなく、横山さんの繋がりから特別に入ることができる場所ばかりを選んでいるというツアー、なおかつ、ここがポイントで、この3ヵ所は川越の自然を体感するのに打ってつけだということ。この3ヵ所を見れば川越の郊外・自然の魅力が分かるものでもありました。

ウニクス川越ヤオコー前広場に集合した27人のガーデンツアー参加者。

雑木林や庭を歩くということで、服装や靴、帽子などそれぞれ準備万端。

企画した横山さんと中尾さんから挨拶があり、寿観光のバスに乗り込んでいざ出発。ツアーにはウニクス川越中尾支配人も参加しました。

 

まず向かうのは、今福の雑木林。この場所に入ったことがあるのは、川越市民でも数えるほどしかいないだとうという場所です。

川越所沢線を南下していくと、周りの風景がどんどん変わっていくことに気付く。周囲に畑が多くなり、途中右折して進むと道の両側には川越の農家さんの家と畑がずらりと並ぶ。そう、今福がある福原地区は川越を代表する農業地域であり、川越の農業を支える地域。その地域と雑木林は密接な関係にあるのです。

今福にあるしだれ桜で有名な明見院に事前に許可を得てバスを停め、向かいの林に足を踏み入れて行く一行。

福原の風景は独特なもので、日本農業遺産に認定された「落ち葉堆肥農法」は三芳町で今でも大切に続いていますが、川越の中では福原地区が今でもその農法を守る家が残ります。本来的には三芳町・福原地区と線引きするという別個に考えるのではなく、川越の南端福原地区と三芳町の特に上富は目と鼻の先にあり、150年前までの川越藩では同じ領地で同じ林が続き同じ農法でありました。

落ち葉堆肥農法は、農家の家があり、家の前に細長い畑が真っ直ぐ伸び、家の後ろには林(ヤマ)があってその落ち葉を堆肥にして農業を行うというもので、そうした家々が上空写真で見ると短冊状に続いていく風景が特色です。川越スカラ座で上映された原村政樹監督のドキュメンタリー映画「武蔵野」は、まさに武蔵野の落ち葉堆肥農法を題材にとったものでした。

個人の敷地、私有地である屋敷林を特別に許可を得てずんずん進んで行く一行。

緑深い林に感嘆の声を挙げる参加者たち。明見院に来たことある人は多いと思いますが、向かいのコナラ、クヌギ、エゴ、ヤマザクラなどの木が立ち並び、林がこんなに深いなんて想像もできないと思います。鳥たちが頭上で盛んに啼いているのが聞こえる。

奥まで進み、手入れ・管理をしている山口さんのお話しを伺います。

ちなみに、ここの落ち葉で作られた腐葉土は、上に紹介したウェスタ川越の花壇にも使われています。

林の中を散策して、気持ち良い空気を身体一杯に吸う。

隣の家の敷地との境界に境界木を立てているのが農用林ならではで、ヒノキやサワラなどの常緑樹を植えて印としています。広大な林も山口さんはじめ色んな農家さんの敷地が入り組んでいる屋敷林。

そして、山口さんから、自家製ハーブのハーブティーが振舞われ一同感激。暑さに中に一服の清涼に浸ったのでした。

 

続いて向かったのが、今福雑木林から目と鼻の先で道一本で繋がっている(一方通行なので回り道が必要)、西武新宿線南大塚駅近く大田街道沿いにある、「栗原造園」さん。

素敵な庭作りを提案している造園会社です。川越市内で、いいお庭があるなと思うと、実は栗原造園さんに頼んでいたというのは、川越あるあるでもある。

「栗原造園」

http://www.kuriharazouen.com/

栗原造園さんの庭は四季折々で変わる姿が見ものですが、緑が一番濃くなる季節が何と言っても5月。色んな木が植えられ、色んな葉があり、過ごしやすいよう日陰が効果的に作られているのが特徴。また、居る場所により見える景色や風の通り抜けが変わるよう細かく設計されていて、栗原造園の仕事がサンプルとして実感できるガーデンです。

 

栗原造園さんのことは以前、一年の移ろいと庭での出来事を以前まとめたことがありました。

(「栗原造園の一年」2016年5月~ 賑わいは今も変わらず 西武新宿線南大塚駅近く

http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12181792681.html

栗原造園さんは、春と秋にイベントとしてオープンガーデンを開いていて、川越市内外の質の高いお店が出店して庭の雰囲気を感じてもらうようにしています。また、毎週木曜日も庭そのものを見ることができるオープンガーデン日になっていて、第三木曜日は、川越の人気花屋「ディシプー」さんの花のアレンジ教室が開かれています。こうした団体バスで見学に訪れるというのはなかなかないことでもあります。

横山さんがガーデンツアーに栗原造園さんをコースに入れるのは当然と言えば当然のことで、ここから始まったといっても過言ではない。木曜日のオープンガーデンでは、横山さんが留守番をして案内していることも多いのです。栗原造園さんと言えば横山さん、横山さんと言えば栗原造園さん。
先に紹介した「ECO LIFE デザイン 子どもと一緒の環境講座」では、講座の中に栗原さんのお庭作りの話しもあり、横山さんが関わっている企画では連携していることが多い栗原さん。

(2017年「ECO LIFE デザイン 子どもと一緒の環境講座」)

ガーデンツアー参加者の中では、栗原造園さんのことは車で通ったことはあるがどういう場所なんだろう?と思っていたという人が何人かいました。確かに、そう思う人は参加者以外にも多いのかも。

それだけ目を惹く緑溢れる林ということですが、このツアーでは栗原さん自身に庭造りのことなどを聞きながら、自然の雰囲気に浸ることができました。

ここでの時間をたっぷりととっていて、昼食も栗原さんのお庭の中で。

お弁当は、持参者以外はウニクス川越にあるヤオコー川越西口店協力による、この日のための特製弁当を用意。

庭の各所にテーブス・椅子が配置され、思い思いの場所で自然に溶け込みながら過ごしていました。

 

最後に向かったのは、川越の藤木町、富士見川越バイパス近くにある、ローズ・ハーブガーデンとして知る人ぞ知る大河内さんのお庭。

大河内さんの庭はこれまで何度も雑誌などで取り上げられ、川越では有名人。大河内さんの庭も花の最盛期に開放してオープンガーデンを実施しています。ただし、こちらも一般の家のお庭なので、自由に入ることができるわけではありません。大河内さんはガーデンツアーに賛同し、正式にコースの中に組み込まれたものでした。

バスから降りてお庭の中に足を踏み入れた瞬間、ここでも参加者から感嘆の声があちこちから漏れる。

「わあ、凄い!」「素敵。。。!」

大河内さんとしては、本当に見頃はこの少し前だったという口惜しさはあったでしょうが、それでも綺麗に咲いている花々は参加者を感動させるのに充分。

 

今回のガーデンツアーの3ヵ所は、個性豊かな場所ばかりで、川越でこんな場所があったなんてという驚きの発見だったと思います。しかも、普段は団体ツアーなど受け入れていない場所でもあって、特別なツアーに参加者も大満足な様子でした。

それにお気づきでしょうか、今福雑木林、栗原造園、大河内さんの庭は、こんもりとした木々の林が大だとしたら、栗原造園さんの林は中、大河内さんの庭は木々はないですが花で彩られた小、大中小と全く違う個性を見せる3ヵ所でもありました。

川越の自然を知る。

川越ガーデンツアーはこれからも引き続き開催予定です。

 

四季折々、川越のガーデンは移ろっていきます。