読んでいただきたいのは、このような皆様
今まであまりお金を使わずに安い旅行していたけれど、年齢やキャリアを重ねて旅行での余裕資金ができてきた。
せっかくの旅行。そろそろ今までのような安宿ではなく、普段の生活よりはハイグレードなところで非現実を味わってみたい。
でも、ちょっと不安。どんな洋服で?どう振る舞うのがスマートなんだろう?
そういった、若いレディの皆様や、
せっかく大枚をはたいて旅行に行くんだから、期待以上のサービスを受けてみたい!
などという野望がおありの方、
私、えりおに対して
この人、どういう考えで、どういうお金の使い方してんだろう、
と、純粋に興味のある方々ww
そんな皆様のために、私がちょっとラグジュアリーな旅をする上で日々心がけていることを綴ります。
マナーの「根底」を書きます
というワードを入れました。
服装、立ち振る舞いなど、通りいっぺんのことだけでなく、
これらは突き詰めるとホテルにとどまらず、高級レストラン、飛行機でビジネスクラス・ファーストクラス搭乗などのあらゆるラグジュアリーな場面にも共通してくることがわかるものです。
一番の基本、かつ最重要な考え方
それは、
自分だけのことでなく、周りのお客さん、スタッフへの気配りを忘れないこと
以上
え、以上!?
いやほんと、これだけです。
ですので、日ごろの気配り、コミュニケーションに長けていると自信のおありの方はこんなこと当然にお出来になりますでしょうから、ここから先はいりませんのです。
本来はここで終わってしまっても良いくらいのものなのですが、それですと怒られてしまいそうですので、書き進めてまいりますがww
結局のところ、マナーだ、服装だを考える前に、その根底にある、
なぜそのマナー・立ち振る舞いか
というその部分が一番大事なのです。
そしてそれが解ってない人間が多すぎる。
「お客様は神様です」を勘違いしない
ここではラグジュアリー旅の筆頭であります、高級ホテルを例にお話ししましょう。
このSNS時代、
東京の高級ホテル広報のもとには世界中の「自称インフルエンサー」であるユーチューバ―やブロガーから、「桜の季節に泊まらせて」
しかも、「PRするからタダで泊めて」
というメールが毎日山のように届くんだそうで、それを断るだけでひと苦労なんだそうです。
そこに激怒して「今後、ブロガーは一切お断り」とホームページのトップで宣言したホテルオーナーもいらっしゃるとか。
そのような対応に対し、
「あなたの方がビジネスをわかっていない」「そんなにこき下ろすなんてひどい」と批判したり、
「私がホテルのオーナーに申し出たことは、ブロガーだったら普通のこと」「(タダで泊めてもらうだけでなく、むしろ)報酬をもらうのが普通だし、彼はホテルで働いているんだからそれを知っているはずよ」
と果敢にも反論するブロガーもいらっしゃるそうです。
宿泊前のメールのやり取りからホテルとのお付き合い、マナーの実践が始まっているというのに。
さて、「ビジネスのわかっていない」のはどちらでしょうか。
そもそもね、
お客様は神様です、というのはサーブする側が言うことであって、我々客が言うことではありません。
ここを勘違いしている人間の多いこと。
冒頭で、この記事ではマナーだ、服装だを考える前に、その根底にある、なぜそのマナー・立ち振る舞いかという部分をお話していきますと申し上げました。
実は、ここを理解することで高級ホテルマナーの9割近くはカバーできることになります。
これがわかれば残りの部分はオマケみたいなものなのです。
にも関わらず、他のメディアできちんと述べられていることがなかなか少ない、と言いますか、
まあ、こんなこと言わずともわかるであろうとスルーされてきたというのが正しいですね。
ともかく、先の事例にあるような、客側に人間として基盤となる部分が欠けている方々があまりにも増えてきているのです。
たしかにラグジュアリーなホテルであればあるほどあちらからあなたのニーズに合わせたサービスをしてくださいます。「ウチは高級ホテルですからこのようにして頂きたい」などと行ってくる地点で高級ホテルではありません。
彼らホテルスタッフはあなたの旅行の目的、予算、あなたの好みを見抜き、合わせてサービスをするために人知れず研修を重ねてスキルを積み上げてきている方々です。
それだけではありません。彼らを指導する人間も存在することを忘れてはなりません。一流ホテルであればあるほど有能な指導者を世界中から呼び寄せてあなたをお待ちしているのです。
一流のソムリエはあなたの服装や持ち物をみて、どれだけのお金を出せるか予測し、その価格帯に合ったワインを勧めてきます。
ホテルも同じ。あなたの身なり、言動、予約している部屋のグレード、全てを観察しながら、この客はどのくらいの予算でどのサービスを望んでいるのか、今までの経験から瞬時に見抜き、半歩先を行くサービスをする、それが一流のホテルスタッフであり、彼らはそこにプライドを持って働いているのです。
さすが、一流ホテル、ですがそれは逆に、一旦あちらに「この人、人間できてない」と判断された場合、そのような扱いを受けるであろうことを意味します。
しかも、貴方は安く扱われていることを最後まで知らぬまま、「ステキなホテルだったわ〜〜♡」と幸せ気分で帰ることでしょう。
私はそうやってあらゆる場面で相手に引き算され続けながら、それに気づかずにいる方をたくさん見てまいりまして、ああはなりたくない、と思っておるのですが、
何でも知っていればよいという訳ではありません。
知らぬなら知らぬで幸せなのかもしれません。
どのお客さんが、この方には良くして差し上げたい、と思って頂けるものか、そのあたりはお金を持っている、いないで判断されているのではありません。ですので、金持ちぶって変に虚勢を張っても意味がありません。
彼らにしてみれば本当の金持ちとエセ金持ちを見分けるくらい朝飯前だからです。飛行機のCAはビジネスクラスで自腹を切った客とマイレージ特典で無料で乗ってきた客では、瞬時に判別がつくそうです。
ならば、金持ちぶって虚勢を張ってる客と、
『なかなかここまでのお金は出せないし、ここまで素晴らしい施設に泊まるのは。けれどもこの時のために頑張って働いてきました。次いつ来られるかもわかりませんが、今日はとびきりの1日を味わいたい』
という客と、
あなたがホテルスタッフだったら、どちらに対して「この方には良くして差し上げたい」と思うでしょうか。
言わずともわかることです。
ですので必ずしもあなたが持っている財産に応じて受けられるサービスの質が変わるわけではないのです。
本来、きちんと宿泊代を払い、然るべきお部屋を予約したあなたは臆することはないのです。
では、お金を払ってるのであれば何でもして良いのでしょうか。
そんなわけは、ありませんねw
先ほども申し上げました。
自分だけのことでなく、周りのお客さん、そしてホテルスタッフへの気配りを忘れないこと、それが高級ホテルにおける最大のマナーであると。
お客様は神様ですというのは、あくまでホテル側のセリフであり、アナタが言うことではないのです。
そもそも、高級ホテルに払う宿泊料にはどういう意味合いがあり、それはどのように使われていくのでしょう?
「お金の流れ」考えたことがありますか?
一流のビジネスパーソンでしたら、そのようなお金の流れくらい当然のように理解しているだろうことだと思います。
皆さんも知っておくべき事でありますのでここで一緒に考えていきましょう。
まずあなた1人、お泊めするのにどれだけの方が関わっているのでしょう。
まず直接お客様であるあなたに関わる人間として、
- フロントスタッフ、
- コンシェルジュ、
- 部屋の掃除をするハウスキーピング、
- レストランの接客係、シェフ、ソムリエ、
- フィットネスクラブのスタッフ、
- スパのセラピスト、
加えて彼らを教える立場の者がいることを忘れてはいけません。
表に出てくるだけでもこれだけいます。
裏方はもっとたくさん。
- ホテルのウェブサイトや装飾を考えるデザイナー、
- 広報、
- マーケティング、宿泊プランを企画する人間、
あ、あと、ビルの外から窓拭きするあの方達もいますよね。
素人の私が思いつくだけでもこれだけの方が関わっているんです。実際はもっとおりますでしょう。
彼らほぼ全て、一般のホテルより高いスキルを持たなくてはならない。当然他より高額な給料が発生します。
その給料、誰がだすのか?
言うまでもありません、客の我々です。
それだけではありません。高級ホテルであればあるほど、何年も何十年も実績を積み上げ、それがネームバリューとなっていきます。
それは一昼夜でできることではありません。
老朽化した部分は改築する必要があります。そのデザインを考え、設計する人間がいます。
お部屋やベッドだけではありません。お部屋の細かい備品の一つ一つまで、ホテル側が考え込まれたものであるはずです。
あなたが泊まるまで、何年、何十年にもわたり培われてきたノウハウを総動員して、教え込まれたスタッフが一丸となって、あなたを迎えるのです。
1人でも彼らのスキル、サービスを喜んでくださるお客様がいる、それが彼らのプライドであり、喜びであるのです。
あなたが支払う宿泊料は純粋に眠るためのものだけではなく、そんな彼らが持つスキルであり、今まで積み重ねてきた物に対する敬意も表しているのです。
それがわかればあとは簡単です。
彼らのサービスにきちんと敬意を表し、それに対して然るべきお金を払ったうえで、彼らによる素晴らしいサービスを享受する、そこをわきまえてふるまうことが、高級ホテルに泊まるうえでの真のマナーなのです。
相手も人間です。
仮にあなたが客の立場であったとしても、自分が相手の立場だったら、それを考えることができるかが一番大事なのです。
あなたの使ったお金が、相手の励みになります。
あなたの使ったお金で、相手の生活が潤います。
相手の生活が潤えば、我々、客にさらに良いサービスを提供しよう!と思えます。
これ、高級ホテル以前に人として当たり前のことではありませんか?
高級ホテルでそれを忘れてよい、そんなはずはないですよね。
でも実際は忘れている人ばかりなのですよ。
なので、試しにそこを少しでも考えて彼らに接してみてください。彼らの態度、顔つき、変わってきますから。
もちろん、金銭のやり取りが発生しています。ゆえに、同じ人間とはいえ、ビジネスの延長上の関係としても、相手の立場を考えたうえで、こちらがどう出れば、相手が自分に「より良くしてさしあげたい」と思ってくださるものか、そう言う観点でも、モノを考えていくことになることになるわけです。
ここまで申し上げればお分かりになりますよね。
先の自称インフルエンサー、ブロガー達の申し出の内容、
ビジネスをわかっていないのはどちらなのか。
彼らの申し出の内容がどれだけ的を外したものであるのか。
まずそもそも無銭で泊まりたいということがどれだけ相手を馬鹿にしておることか、お分かりになって頂けましたでしょうか。
「あなたの方がビジネスをわかっていない」「そんなにこき下ろすなんてひどい」と文句を言うブロガーさん、まず相手をこき下ろしているのはご自身であると気づくべきなのです。
ちなみに、ですけど、中途半端なフォロワーやブログアクセス数のある奴ほど、こういうおかしなアピールをしたがる者だということも、付け加えておきます。
元の記事がホテルについてだったので、
例えがホテルにばっかなってますけれどもww
でも他のラグジュアリー施設でも共通している概念であること、
なんとなくイメージいただけるかと思うのです。
「一流」のサービスとは、一昼夜で生まれるものではないということ
世界的に有名な画家、ピカソさんについてこのような逸話があるのご存知でしょうか。
ピカソがマーケットを歩いていると、手に一枚の紙を持った見知らぬ女性がこう話しかけてきたそうです。
「ピカソさん、私あなたの大ファンなんです。この紙に一つ絵を描いてくれませんか?」
ピカソは彼女に微笑み、たった30秒ほどで小さいながらも美しい絵を描きました。そして、彼女へと手渡しこう続けます。
「この絵の価格は、100万ドルです」
女性は驚きました。
「ピカソさん、だってこの絵を描くのにたったの『30秒』しかかかっていないのですよ?」
ピカソは笑います。
「30年と30秒ですよ」
この女性のやっていること、まさに先のホテルの例における「自称インフルエンサー」とと同じことです。
ピカソがわずか30秒で小さいながらも素晴らしい絵をサラサラと書き上げるようにまで、30年もの歳月を要した、にもかかわらずこの女性はその努力に対して全く敬意を払っておらず、目先の30秒にしか目を向けていない
というのがこの記事の趣旨です。
同じことです。
そのサービスがここまでに来るまでの間、長い年月をかけて実績を蓄積してきたのです。
その時間を見ずに一晩だけ無料で泊めろなど、ピカソが30秒の絵を描くまでに歩んできた30年、何かを極めた経験のある一流の人間でしたら言わずとわかることですのでまずそのようなことは口に出しません。
30年どこほか100年来の伝統と格式を誇る施設もあるでしょう。
そこに宣伝してやるから無料で泊めろなんて言う地点でそのブロガーが何一つそのホテルにふさわしい実績を立てていないことが丸わかりであり、私は2流どころか、3流だと相手に伝えているようなものです。
ここでまた刺さる現実をお話いたしましょう。
自分で私はキャリアウーマンですとか、私はデキる女ですという奴にデキる奴はいた試しがありませんww
それと同じで、
私はインフルエンサーです、私がPRしますという奴のPR効果なぞしれたものであることは、広報を雇うだけのホテルであれば、当然のごとく本能的に感じるだろうことです。
そもそも名の知れた高級ホテルのCMなんて見かけたことあります? PRなんて必要ないのですよ。
ブロガーどころか、政府の要人、ハリウッドスター級の方々がお金を払ってでも泊まらせてほしいという場所だというのに、たかがブロガーふぜい、お相手ではないのです。
またも高級ホテルの事例で申し訳ないのですが、
高級ホテルに努める百戦錬磨のコンシェルジュが見てきた、一流の人間に共通する立ち振る舞いに、
♦︎妻や家族、周りの客への配慮ができている
♦︎ホテルスタッフに感謝の気持ちを伝える
♦︎自国にはないカルチャーに興味津々である
というのがあるそうです。
世界で一流と呼ばれる人ほど、チェックインのときフロントが混んでいたり、ラウンジのブッフェに客が数人並ぶようなことがあると、たとえ自分のほうが先に着いていたとしても、「After you」と、他の人に先を譲るそうです。
スタッフの名前を憶えておいて、後日、ホテル気付の手紙やメールで滞在中のお礼を言うのも彼らのマナー。
極め付けは自国にはないカルチャーやマナーがあれば、臆せず「こういう店に行くときのマナーや服装を教えてほしい」と、『教えてください』という姿勢で学ぶ。
これ、お金持っているもってない、関係ありませんよね?
「相手だったらどう思うか?」それを考えたうえであれば、これら全て、とくに打算なく、自然に出てくる行いではないでしょうか。
しつこいようですが、再度申し上げます。
彼らのサービスにきちんと敬意を表し、それに対して然るべきお金を払ったうえで、彼らによる素晴らしいサービスを享受する、そこをわきまえてふるまうことが、サービスを受けるうえでの「真のマナー」です。
これが一番大切な部分であり、一番語られない部分、かつこれを知ればほぼ全てを知ったも同然のことです。
そして、この心構えは、なにも高級ホテルだけでなく、あらゆる場面において共通するだろうことも、お判り頂けますでしょうか。
お金を払っているのに、自分のことじゃなく、他人のことばかり?
この記事を通じて、自分のこと以上に、相手のことを考えろ、とひたすら述べてきました。
お金を払っているのに、自分のことじゃなく、他人のことばかりか、自分は何にも得なことないじゃないか、なのになんでそんな思いまでして高級ホテルに泊まるんだ、そう思われてしまう方もいらっしゃると思うので、最後に申し上げておきます。
それは思慮が浅すぎます。
自分は何も得していないじゃないか、確かにその瞬間はそう思われるかもしれません。
しかし、それはその瞬間だけのお話です。
自分以上に他の方のためを考えた行為、それは巡り巡ってちゃんと自分に返ってくるものです。
それはその瞬間ではないかもしれません。何年も後になるかもしれません。
しかし、こうした考えで常に人と向き合うことは自分を少しずつ豊かにしていきます。少しのものは必ず大きくなり、豊かなところには豊かなものがどんどん集まってきます。そういうものだと思います。
世の中のあらゆる場面、皆そうやって作られているのではないでしょうか。
②海外でダメ出しされる日本人の挨拶・言葉遣い へ続きます。
<高級ホテル旅マナー>
①客としての心構えを見直そう!(本記事)
良い待遇・サービスを受けるためにはどう振る舞えばよいのか、その心構えとは?