「運命の恋愛」最終話

第一話はこちら
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第二話はこちら
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第三話はこちら
https://ameblo.jp/koremiturie/entry-12607506689.html
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オイルが届いた。オイルが届くのと同時に、メールにて、
私たちの恋愛のアカシックレコードリーディングも届いた。

そのメールを読み進めていくうちに抑えていた感情が溢れていく。

私たちは遠い昔から深い縁で結ばれてたんだ......
嬉しい気持ちと驚きの気持ちでいっぱいなんだけれど、


その一方、やっぱりそうなんだ......という気持ちもある。
彼を初めて会った時に感じた衝撃的な感覚、
恋する気持ちがあふれて止められない感情......

誰に話しても分かってくれそうにもない、
けれども大切にしている私の直感を丁寧な言葉で表現してくれている。


文章を読みながら、自然と大きくうなづく。
そして自然と涙が溢れてくる。

文章の最後は、私たちが今の恋愛での、
現代で出逢ったからこその地球への貢献と役割が丁寧に書かれている。

特別で深い縁で結ばれてる私たちの恋愛は楽しむだけでなく、
地球への貢献の役割があることを初めて知った。

だから、魂の成長を促すための試練や困難があると書いてある。
そう書いてあると、この恋愛が始まってからの
辛いことや切ないことに大きな意味があったと思うと、

苦しい思い出が清らかなイメージに変化していく。
まるで二人が主人公の恋愛物語、
そんなアカシックレコードリーディング。
驚きと感動でカラダが熱くなっていく。


メモリー・オイルを使った、恋のおまじないのマニュアルもメールで届いていて、
そのおまじないをするたびに、心が柔らかくなっていく。

母親なのに運命の恋愛に堕ちた罪悪感が剥がれていくように感じる

そして素直な本来の私に還っていく。
大好きな彼に愛されてる幸せを素直に喜べていた

遠い昔の私に還ることで、かたくなだった心に
素直さと無邪気さが戻ってきたかのよう。

部屋で一人、メモリー・オイルの香りを楽しでいると
ゆっくりと睡魔が襲ってきた。

まどろむ中で電気を消した。



「自分らしくなくて、自分に自信が持てなくて、
どこか悲観的な気持ちが消えない.......ああもう駄目だと思った瞬間に、
貴女はこの恋愛に堕ちたのね。

今は本当の自分はこうだったという事を思い出すような感覚が
日々起こってる最中かしらね。

より心地よく、より良いものへと変化していくと、
自分らしくないものを手放すこともあるでしょう。

その手放しが全て終わったとき、二人一緒にいるだけで、
魂が輝くことを表現することが自然体で出来るようになるから。

本来の二人の魂の輝きが、成功や幸せというものを同時に
運んできてくれるという事になるでしょうね」


白いドレスを着た美しい女性が私の頭を優しく撫でながら、
優しく私に語りかけてくれている。

小鳥がさえずるような声で、
美しい言葉遣いで語りかけてくれるからか、
自然と涙があふれる......

目覚ましの音でハッと目が覚める.......夢だったんだ。

不思議と身体が軽い。起きて鏡を見てみると、
いつもよりも顔のトーンが明るい。肌も柔らかい。

穏やかな気持ちで満たされていく。

ふとオイルを眺めていると、
夢の女性は女神アフロディーテ様だと思い始める。

なんとなくの感覚だけど、
メモリー・オイルの主成分は女神アフロディーテのオイルだから。

メモリー・オイルが届いてから約3週間後.......
月例ミーティングが行われた。

「えー、突然ですが、営業の井上タクロウをチームリーダーに任命します。
また、営業事務の芹沢ユウを正社員雇用にいたします。

みんなも知っての通り、井上くんは今まで部下を持つことを
拒否していたのですが、やっと部下を持ちたいと決意してくれました。

いやー、入社当時から彼を見ていたから嬉しい。
そして、芹沢さんは今までの実績からしますと

正社員以上の働きをしてくれています。
ですから、異例ではありますが
正社員雇用を決断いたしました」


部長から突然の発表......びっくり、嬉しい。
でも、周りはどうなんだろう。

ますます反感を買うことになるか心配。
けれども、自然と起こった拍手でその不安は消えていく。

チラッとタクロウの顔を見ると、顔を真っ赤にしながら照れてる。
可愛い......彼を見つめながら自然と笑顔が溢れる。

「じゃあ、井上くんと芹沢さん、
前に出てきて。挨拶とこれからの決意表明」


部長に呼ばれて、2人で前に出る。
2人並んで皆んなの前に出るなんて。
ドキドキしちゃう。でも嬉しい。

「井上です。俺も大人の階段を登りたくなって、
部下を育てることを決めました。

俺の口癖、やる気ないヤツ帰れよ!は、
もう言わないです。

責任持って、真剣に仕事と
向き合える部下を育てていきます。
よろしくお願いします」


彼はそう言って深々と頭を下げた。
今までの一匹オオカミのような彼はどこかに消えて、

まろやかな大人の男性へと
成長してる彼を感じられる挨拶。

続いて私の番。胸がドキドキ高鳴る。

「芹沢です。あの......私.......
社員としてふさわしくなれるよう頑張ります。
これからますます、営業事務としてもっと勉強します」


そう言って頭を下げた。

そして顔を上げた途端ふーっと気が抜けて、
ペタンと座り込んでしまった。

頭に血が上ってバランスを崩してしまったみたい。
ピンヒールだったからなのか......
恥ずかしい。すると、彼が私の手を引いてくれた。

私は彼に支えられながら立ち上がることができた。

「芹沢さん は業務は完璧なのに、
お茶目というか可愛いんだね。うんいいね。

君たち2人、これからもっといい仕事していくよ。間違いない」


部長が笑顔で、そうおっしゃった。
再び、部内のメンバーからの温かい拍手が自然と起こった。

その拍手の音を聞きながら
運命の恋愛が祝福のエネルギーに包まれていくのを確信した。

もうこの恋愛で迷ったり悩んだりしない。
無条件の愛で全力で彼を支えていこう。
彼から溺愛される私であり続けたいから。