【252話】寂しくてたまらなかった千鶴 | 恋心、お借りします

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【252話】寂しくてたまらなかった千鶴

 

はいどーも。かのかり楽しんでますか。甲楽わんです。

 

アニメ2期は最終回を迎え、ドラマももうすぐ最終回です。かのかりの夏ももう少しでおしまいですね。なんとも寂しい。

 

最新話の方は、ここ数話特に話さなければいけないこともなかったので、しばらくお休みして、妄想小説「かのかり家のシンデレラ」の続きを書いていました(「かのかり家のシンデレラ」の更新分はこちら→【かのかり家のシンデレラ⑥】シンデレラと王城の夜)。今回は、久しぶりにガチめに最新話を整理していこうと思います。

 

千鶴と和也は練馬のアパートから出ていくことになり、これはもしや二人で一緒に住む展開になるのだろうかと期待していた読者も多かったでしょう。252話は、和也と千鶴が一緒に住む可能性が0%から80%に跳ね上がった起死回生の回でした。

 

和也は水原の傍にいたいし、支えていきたいと願っています。水原が誰かを必要とするのなら、それは自分がいいと分かっているんです(179話)。そして、水原の実家を訪ねて強く感じた、水原と一緒に暮らしたいという思い(248話)。

 

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◆正直”本当の恋人”なら今すぐ一緒に暮らそうって言いたいよ…! 249話

 

ところが、和也は一緒に住みたいと伝えられませんでした。現状、二人は本物の恋人同士ではないからです。水原が自分に対してどう思っているかもまだ「調査中」で、関係性もお隣さんのまま。その状況で、一緒に住もうなんて言う人はいないでしょう。

 

アパートを離れるとき、和也は今後なかなか会いづらくなるという現実に強い寂しさを感じてしまいます。一方、水原は全然平気そう。会えなくて寂しいと感じているのは自分だけで、水原はそんなこと望んでない。だから、本当は傍にいたいだなんて本心は見せられない。和也はそう感じてしまいます。

 

これまで僕は、二人が一緒に住む可能性は0%だとはっきり言ってきました。二人の間には「付き合っていない」という事実がどーんとあって、水原が一緒に住むなんて望んでないと和也が思っている限り、そんな話には絶対にならないからです。

 

しかし、252話、まさに形勢逆転!

 

さ 寂しさとか… ねーのかよ…!

 

和也が半ばヤケになって、悪態をつくように水原に言うと、

 

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◆ある 252話

 

ある

 

まさかの返答。

 

和也は千鶴に「一緒に住みたい」なんて言えませんでした。しかし、千鶴が寂しさは「ある」と言ってしまったのだから、もう和也が一緒に住もうと言えない理由(障害)なんて無くなってしまったんですよ。和也は一緒に住みたいという本心を千鶴に言えてしまうんですね。そういう状況になってしまったわけです。

 

千鶴が本心を明かしたことで、物語は二人が一緒に住む(一ノ瀬家の一室に和也が転がり込む)という方向に一気に動き出してしまいました。次週すぐにそういう結論にたどり着くとも思っていませんし、必ずしも「一緒に住む」という形で落ち着くとも思っていません。それでも、千鶴の寂しさに気づいたのなら、和也が彼女を悲しませるようなことは絶対にしないでしょう。

 

今回は、ここ数話を千鶴と和也それぞれの視点で振り返ってみます。

 

 

 

  本当は一緒に住みたいなんて言えない和也

 

 

和也が水原の実家(一ノ瀬家)を訪れると、そこには彼女が家族とともに生きてきた足跡が残されていました。平気そうに家の片づけを進める水原に、時々垣間見える寂しさの陰。千鶴はおじいちゃんとおばあさんとの写真だけは捨てられず、会ったことすらない母親の写真を見て恋しく思っていたのです(247話)。

 

和也が水原の実家を訪れて感じたこと。それは、

 

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◆水原と共に 暮らしたい 247話

 

寄り添いたい 傍にいたい

水原と共に 暮らしたい

そう思うには十分だった

 

それは水原と共に暮らしたいという気持ち。

 

そこで奇しくも、地震のせいで和也も水原もアパートを出て行かなくてはいけなくなりました。水原と一緒に暮らしてきた場所から立ち退くことに寂しさを感じてしまう和也。本当は一緒に住みたいと伝えたいんです。

 

 

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◆平気そうな千鶴 249話

 

しかし、そんなことはできません。和也と違って水原は平気そうで、寂しくて一緒に住みたいと思っているのは彼だけだからです。水原との関係は、まだ「調査中」で、付き合っているわけではない。一緒に住もうだなんて言える関係でもありません。

 

 

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◆正直”本当の恋人”なら今すぐ一緒に暮らそうって言いたいよ…! 249話

 

正直”本当の恋人”なら今すぐ一緒に暮らそうって言いたいよ…! 

 

和也には、水原と一緒に住む選択肢など与えられていないのです。和也は新しい部屋を探すとき、一緒に住みたいと水原に言えないことに悩んでしまいます。

 

 

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◆師匠は水原さんと住むべきだと思うっス! 250話

 

そこで現れたのが八重森さん。和也は八重森さんに誘われて飲みに行くことになります。作戦会議のするとのこと。

 

飲み屋で盛り上がっていると、ただの作戦会議だったはずなのに、なんと八重森さんが水原に連絡してしまいます。「楽しそうね」。そのそっけないメッセージに、和也は水原は何も感じていなくて自分のことを邪魔者だと思っているんじゃないかと不安になってしまいますが。

 

 

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◆私も言ってい?

 

まさかのメッセージ!?えええええええ!?和也と八重森さんはあまりのことに大声を上げます。

 

飲み会に現れた水原は相変わらずクール。和也の気持ちも知らずサバサバと理屈を並べます。その態度に苛立ち、お酒の力も借りて和也は不満をぶちまけてしまいます。

 

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◆さ 寂しさとか… ねーのかよ…! 252話

 

さ 寂しさとか… ねーのかよ…!

 

どうせ水原は寂しさなんて感じていない。こんなの「俺は寂しいんだ」なんていうダサい告白。和也は寂しさを感じているのは自分だけで、水原はそんなこと全く感じていないと思っていました。しかし、水原はお酒を一気に口に流し込むと、

 

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◆ある 252話

 

ある

 

”ある”なんて返事が来るとは思っていなかった和也と八重森はびっくり。「ある」ってどういうこと…?という感じ。

 

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◆で? 252話

 

返答を促してくる水原。

 

寄り添いたい 傍にいたい

水原と共に 暮らしたい

そう思うには十分だった

 

和也だって本当は寂しくて、千鶴の傍にいたいんです。千鶴が望むなら、一緒に住むという提案をしたい。和也は本心を伝えることができるんでしょうか。

 

 

 

これまで僕は、二人が一緒に住む可能性は0%だとはっきり言ってきました。二人の間には「付き合っていない」という事実がどーんとあって、千鶴が一緒に住むなんて望んでないと和也が思っている限り、そんな話には絶対にならないからです。

 

しかし、千鶴ははっきり寂しさは「ある」と言ったんです。千鶴の寂しさを知ってしまったのだから、もう和也が一緒に住もうと言えない理由(障害)なんて無くなってしまったんですよ。和也は一緒に住みたいという本心を千鶴に言えてしまうんですね。そういう状況になってしまったわけです。

 

物語は、二人が一緒に住む(一ノ瀬家の一室に和也が転がり込む)という方向に一気に動き出してしまいました。次週すぐにそういう結論にたどり着くとも思っていませんし、必ずしも「一緒に住む」という形で落ち着くとも思っていません。それでも、千鶴の寂しさに気づいたのなら、和也が彼女を悲しませるようなことは絶対にしないでしょう。

 

 

 

  寂しくてたまらなかった千鶴

 

 

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◆ははっ あははっ 何それ! 馬鹿じゃないのっ 248話

 

和也と一緒に実家の片づけをしての帰り際、千鶴は和也に理想の夫婦像について話します。馬鹿みたいに同意してくれる和也に思わず千鶴は吹き出してしまいます。

 

完璧な人間なんていないし

きっとケンカもすれば お互い気に入らない事だってある

…でも その二秒後に 楽しいことがあったら すぐに笑い合える

そんな夫婦になりたい

 

価値観の違っていたときも、二秒後には笑い合っている。分かりあい、すり合わせ、大切に思い合って生きていく。そんな千鶴の理想がそこにはありました(【248話】本心を誤魔化した千鶴は)。

 

一緒に実家を片付けて千鶴が感じたことは、きっと和也と同じなんでしょう。千鶴だって、和也と一緒に暮らしたいと感じていても全然おかしくありません。

 

 

 

しかし、地震のせいで千鶴と和也は離れて住まなくてはいけなくなります(249話)。そうなれば、千鶴が寂しさを覚えて当然です。彼女にとって和也はたった一人の人なんですから。

 

千鶴にとって、和也は「私を一生幸せにしてくれる人」だと言っていいでしょう。映画制作と小百合さんの死を通して感じたとこは、自分を支えてくれる人が誰であって欲しいかということです(【水原千鶴の恋物語】私を一生幸せにしてくれる人)。

 

 

◆なんだか人前で泣いたら すっきりしちゃった 166話
 

でも 不思議ね

それまでは 寂しくて寂しくて 死んじゃうかと思ってたのに

なんだか人前で泣いたら すっきりしちゃった

 

千鶴はあの夜、自分の弱さを受け止めてくれる場所が、自分の寂しさを満たしてくれる場所が、どこにあるのかよく分かったはずです。千鶴にとって和也は、唯一頼ることができる人で、少しだけでも弱さを見せられる人で、大好きな人なんですね。

 

好きで好きで すっと傍にいたい

 

和也に対しては、まるで興味のない態度をとっているし、何かと理屈を並べて「好き」を見せられない千鶴ですが、本音ではずっと傍にいて欲しいと思っているわけです。

 

和也の前で大泣きした後、千鶴は家族を失った悲しみから立ち直り元気を取り戻します。もちろん泣いて悲しみを吐き出せたのは大きいのですが、自分を支えてくれる人が傍にいてくれたから立ち直れたと言った方がいいのかもしれません。勝人さんも小百合さんももう傍にはいてくれないけれど、いまは和也が傍にいてくれます。和也が本当は弱い自分を受け止めてくれ、千鶴の寂しさを満たしてくれる。だから、寂しさを感じなかっただけ。

 

そんなたった一人の人と離れて住まなくてはならなくなったら、ものすごく寂しいに決まっています。

 

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◆平気そうに振舞う千鶴 249話

 

大好きな人と出会い一緒に暮らしていたアパートを退くことになった千鶴は、それでも平気そうに振舞うのですが、もちろん寂しいというのが本音。

 

 

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◆アパートを離れることに寂しさを感じる千鶴 249話

 

実家へ向かう途中、きゅっと胸が締め付けられます。

 

久しぶりに帰ってきた実家は、おじいちゃんとおばあちゃんに愛されて過ごした思い出がたくさん詰まっています。帰宅すれば、おじいちゃんは「お帰り」と言ってくれたし、何かあればおばあちゃんは声をかけてくれた。でも、おじいちゃんもおばあちゃんも、もういません。広い部屋にたった一人。

 

 

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◆実家に一人の千鶴 250話

 

 

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◆涙をこぼす千鶴 252話

 

あまりの寂しさに、千鶴はまた涙を流します。そして、思わずスマホのスクリーンに映る「木ノ下和也」の名前を探してしまいます。

 

千鶴は、和也の前で泣いたときから、小百合さんを失った悲しみから立ち直ったと思っていたのかもしれません。でも、そうではなかったわけです。和おばさんの言う通り、一人で生きていける人などいません(91話)。本当に信頼できる人が傍にいてくれなければ、誰だって強い寂しさを感じるし、それに耐えられる人なんていないでしょう。本当は千鶴の家族を失った寂しさが癒えたのでも、彼女がそれに慣れたのでもなく、和也が傍にいてくれたから寂しさを感じなかっただけなんです。

 

千鶴は改めて自分が和也をどれほど必要としているか実感したでしょう。彼に会いたいという気持ちで一杯になったはずです。

 

そのとき八重森さんから和也と一緒に飲んでいるという連絡が来ます。和也の隣には千鶴の心を満たしてくれる場所があって、飲み会は楽しいに決まっています。

 

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◆私も言ってい? 251話

 

千鶴は、飲み会に行くことにします。このとき千鶴は、ある決断をしたのかもしれません。

 

千鶴は和也に好きだとは伝えられず、まだ本物の彼女にはなれていません。アパートを出るとき素直に本当は寂しいと伝えられていたら、きっと和也と一緒に住もうとか定期的に会おうとかの話になっていたのでしょうが、まるで平気みたいに振舞ってしまいました。このままでは和也と会うことなんてほとんどなくなり、寂しくて仕方がない日々が続くのです。

 

また、千鶴はこのまま「調査中」の関係が続けていてはダメだということも知っています。自分を好きだと言ってくれる和也のためにも、自分の幸せを願ってくれている小百合さんのためにも、何より大好きな人との未来のために、前に進まないといけないことは分かっているんです(【226話】ちづるのキス 本当の彼女になるための決断)。

 

好きで好きでずっと傍にいて欲しい。それが千鶴の本音。そこで千鶴がしなくてはいけないのは、素直に寂しいと和也に伝え、これからも彼と会える状況を作ることです。

 

千鶴は飲み屋に着くと、自分の冷静さを失わせるように、ハイペースでお酒を飲みます。

 

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◆さ 寂しさとか… ねーのかよ…!

 

さ 寂しさとか… ねーのかよ…!

 

そう聞かれた千鶴は、またお酒を口に流し込みます。シラフでは、恥ずかしくて本当のことは言えないんです。

 

 

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◆お酒を一気飲みする千鶴 252話

 

 

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◆ある 252話

 

ある

 

千鶴は寂しさは「ある」と明言。

 

 

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◆で? 252話

 

で 結局何が言いたいわけ?

言いたいことがあるなら はっきり言ってよ

 

まるでそう言うように千鶴は和也の返事を促します。本当は「一緒に住もうよ」「これからも会おうよ」と和也に言って欲しいんですね。自分から「寂しいから一緒に住もう(もしくは、これからも会いたい)」とは言えず、和也に言わせようしているのが、なんともめんどくさい笑。

 

 

 

千鶴はこの飲み会に寂しいから来たというより、和也とのつながりを取り戻しに来たと言った方が正しいでしょう。飲み屋にたどり着いたときには、「寂しい」と伝えると決めていたように見えます。千鶴は和也に「寂しさはある」というとき、お酒を一気飲みします。シラフではどうしても素直になれないから、お酒の力を借りて、本心を明かそうとしたわけです(170話。サイゼリアのときと同じですね)。そういう行動するということは、この飲み会に来るときには既に「寂しいから、何かの形で会いたい」と和也に伝えて、これからも彼に会える状況を作ろうと決めていたということです。

 

千鶴が「寂しさがある」と言ってしまったことで、物語は二人が一緒に住むという方向に進みそうです。ただ、「一緒に住む」というのは、あくまでも手段でしかありません。二人の最大の目的は、傍にいることです。もしかしたら、別の形、たとえば定期的に会うという約束をするなどの結論に達するかもしれません。

 

この後千鶴がどれだけ本心を言葉にできるのか分かりませんが、それでも、とりあえず寂しさが「ある」と和也に伝えられたのだから、そこはよく頑張ったねと褒めてあげたいですね。

 

 

 

  瑠夏には秘密にするしかない

 

今二人は、会えなくなりそうな現状を何とかするのに精一杯でそこまで考えが及んでいませんが、確実に障害になるのが瑠夏です。

 

二人は瑠夏に黙ってプライベートな関係を始めてしまいました。さらに、一緒に住もうなんて話も出かかっている。どういう結論になろうとも、二人のプライベートな関係がより深まっていくのは間違いありません。

 

それがもし瑠夏にバレたら二人は責められて当然でしょう。特に千鶴は瑠夏に対して和也さんとはレンタル彼女と客の関係であってリアルに恋人関係にはならないと言ってきた。そういう言い訳をして、レンタル関係(嘘の恋人関係)を許してもらってきた。それなのに、「調査中(恋人になるか考え中)」だと話しているとか、和也と一緒に住もうとしているなんてバレてしまったら言い逃れのしようがありません。一緒に住むという話が進めば、当然瑠夏に対する申し訳なさや、バレてしまった時の危機感を二人とも感じるはずです。例えるなら、千鶴と和也は瑠夏に隠れて「浮気」をしているような感覚になってしまうかもしれませんね。

 

千鶴がプライベートな関係を深めていくとは、同時にも大きなリスクを背負わなくてはいけないということでもあります。いつか瑠夏にバレるときが来るので、そこにも注目しておきましょう。というか、僕は正直、もう既にひやひやしてます。

 

 

 

という感じで、252話を振り返ってみました。多くの読者は、最新話が更新されれば、過去に起こったことなど興味が無いのかもしれません。しかし、千鶴や和也の人生は過去から今へとずっと繋がっているし、彼らの気持ちも途切れることなく繋がっているのです。物語が252話に移ったからって、251話までに起こった出来事が無かったことになるわけではありませんし、突然気持ちが変わるわけでもありません。これまでの物語で、和也と千鶴がどういう状況にいて何に悩んでいるのかが整理できて初めて、見えてくる世界があります。そうやってかのかりの最新話を読むことができると、もっともっと楽しめるはずですよ。

 

では、また次の記事で!