20巻 水原千鶴の恋物語 満足度⑦ | 恋心、お借りします

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20巻 水原千鶴の恋物語 満足度⑦

 

水原千鶴の視点で「彼女、お借りします」を振り返るレビュー「水原千鶴の恋物語」です。

 

【導入】水原千鶴の恋物語 千鶴は和也が好きなの?いつから?

1-6巻 水原千鶴の恋物語 満足度①

7-12巻・前編 水原千鶴の恋物語 満足度②

7-12巻・後編 水原千鶴の恋物語 満足度③

13-18巻・前編 水原千鶴の恋物語 満足度④

13-18巻・後半 水原千鶴の恋物語 満足度⑤

19巻 水原千鶴の恋物語 満足度⑥

20巻 水原千鶴の恋物語 満足度⑦

 

 

  告白
 

◆ドキドキ 171話

寂しく仕方がないとき、一緒にいてくれた和也。あの日の楽しかった時間。辛いとき、いつだって和也は千鶴の傍に駆けつけてくれました。そして、今の千鶴にとって和也は、誰よりも頼りたい、一番大切な存在です。

和也の恋人になりたい 彼の傍にいたい

千鶴は和也を好きになって、本当の恋人になりたいと願い始めました。いつかレンタル彼女と客の関係を辞め、恋人として向き合いたいと願っていました。小百合おばあちゃんにもこの恋を応援してもらえました。でも、どうしてもその一歩が踏み出せなかった。ふたりの関係を確認したあの日、自分が「情をわかす(恋愛する)気なんてさらさらない」と言ってしまったこと、なにより和也に「好きじゃない」と言われたことが刺さり続けていたからです。

 

付き合ってないだろ…? 俺たち…

言うんだよ! 俺たちの関係が嘘だって!

 

和也に2人の嘘を明かしてしまおう、「別れた」と言おうと言われるたび、千鶴は「和也にとって私はただのレンタル彼女」という現実を突き付けられるばかりでした。和也がまさか自分を好きでいてくれるなんて思えなかった。自分が勝手に彼を好きになっているだけと思っていた。

 

 

 

俺の理想の彼女はさ

 

しかしあの夜、「俺の理想の彼女はさ」と和也が、和也本人が言ってくれたのです。それは間違いなく千鶴のことでした。ただ私のこと気遣ってああ言ってくれただけのことかもしれない。でも、


和也も私と同じ気持ちなら

あのときあの子(八重森)が言ったことが本当なら

 

 

千鶴は、あの言葉の真意を知りたくて知りたくてたまりません。あの夜プロ失格だったことを理由に和也と会うことを決めます。



◆瑠夏ちゃんとはどうなの? 171話
 

レンタル彼女である千鶴は和也の恋を応援する立場。千鶴自身、彼の気持ちを第一に考えないといけないと思っています。まずは瑠夏をどう思っているのか確認します、撮影旅行のとき一度聞いてはいましたが改めて。

 

 

 


あ いや やっぱ好きとまでは

 

そう聞いて安心します。



◆まぁ今更強がっても仕方ないよね 私ちょっと 弱いかも
 

プロ失格だったと言って代金の一部を返そうとしますが、「水原の力になれたようで嬉しかった」と言われます。和也の言い分は思っていた通りで、

 

まぁ いまさら強がっても仕方ないよね 私ちょっと 弱いかも

 

そう言って千鶴はほっとしたような顔を浮かべます。本心では、強がらなくてもいいよと言ってほしかったんですね。

 



 

◆それじゃ また

 

なかなか話を切り出すことができず、ここでお別れ。「それじゃ また」と千鶴。

 

しかし和也がランチに行こうと誘ってくれます。特に理由もなくただ2人で過ごすために誘ってくれてたのは初めてです。

 

レンタル彼女はお客さんとのプライベートな付き合いは避けるべき。和也だけ特別扱いすることはできない。千鶴は「他のお客さんの手前…」と断りかけて、



◆行こうっ ご飯 172話
 

やっぱいいか 行こうっ ご飯

 

そう言って和也を呼び止めます。



◆あなた 私のこと好き? 172話

 

小百合おばあちゃんが亡くなり、焦る必要も無くなりました。久しぶりに穏やかな休日です。千鶴は、休日だから、そう言って和也との時間を楽しむことにします。

 

和也の恋人になりたい 彼の傍にいたい


でもやっぱり、和也が自分をどう思っているのか、知りたくてたまりません。お酒の力も借りて、ついに本題を切り出します。

 

 

 

 

理想の彼女 あれ 私の事でしょう 173話

 

理想の彼女 あれ 私の事でしょう

分かってる…

あれは 辛そうにしてる 私を見る見かねて

言ってくれた 仮初の理想像だってことは…

でも もし違うなら 色々変わってくるから…

 

 

◆あなた 私の事 好き? 173話


あなた 私の事 好き?
花火のときに言ってた…やつ?その…

心当たりがあるっていうか…

あれ 私の事でしょ?

ねぇ…好き?

私の事…好き?

 

 

 


和也は黙ったまま答えません。




  答え


結局千鶴は和也の答えを聞く勇気が出ず、

 

 

◆ごめん 変なこと聞いて 173話

 

ごめん変なこと聞いて やっぱそんなわけないよね 忘れてっ

 

そういって誤魔化してしまいました。

 

 

 

結局和也の答えは聞けませんでした。本当は好きだと言ってほしかった。でも、彼が自分を好きでないのなら、レンタル彼女として彼の恋を応援し続けるしかありません。

 

 

◆でも これで私たちの関係は 元通りね 174話

 

でも これで私達の関係は 元通りね

あなたに素敵な彼女ができるまで 私はレンカノとして手を尽くす

そう言ったでしょ? 頑張ってよね

 

 

 

◆最高の彼女作らないと許さないからっ 174話

 

最高の彼女作らないと許さないんだからっ

 

帰り道、千鶴はそう言って強がります。

 

このままレンタル彼女の片想いなんだと、諦めかけたそのとき




背中越しに聞こえたのは、和也からの告白でした!


 

◆俺 ずっと前から君のこと 174話

 

仮初なんかじゃない
あれは 俺の本心で
理想の彼女は水原で!
こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど
俺ずっと前から君のこと…

 

 

 


千鶴は和也に恋をして、彼との時間が大切で、でも、和也から見ればただのレンタル彼女で、好きになってもらえるとは思っていませんでした。自分ひとりが勝手に恋をしていると思ってきました。

 

本当の恋人になりたいと願いながら、恋しいと求めながら、気のない私を、お隣さんの私を、レンタル彼女の私を演じてきました。

 

でも真実は違っていた。和也も自分と同じ気持ちだったのです!



◆バカみたい 私 174話
 

千鶴は自分の部屋に駆け込むと、顔を真っ赤にしてベッドに伏せます。

勇気を出して聞いてよかった

和也も私と同じ気持ちだった

ずっと千鶴は、レンタル彼女であるが故、和也の本当の気持ちに気づくことが出来ませんでした。でも「君がいいっ」と言ってくれたあのときから、和也はずっと好きでいてくれました。

諦めるなんて言うな!

 

俺が金を集める 水原は出ろ!

俺の理想の彼女はさ


和也からもらったたくさんの優しさの中には、「千鶴が好き」という気持ちがあったのです。それをやっと知ることができました。

 

 

 

千鶴の恋はまた走り始めます。



◆もう なんとかしないと 174話

 

和也に好きって伝えなくちゃ


千鶴の瞳に、和也と一緒の未来が見えた瞬間でした。

 

 

 

 

【水原千鶴の恋物語】私を一生幸せにしてくれる人

 

 

【導入】水原千鶴の恋物語 千鶴は和也が好きなの?いつから?

1-6巻 水原千鶴の恋物語 満足度①

7-12巻・前編 水原千鶴の恋物語 満足度②

7-12巻・後編 水原千鶴の恋物語 満足度③

13-18巻・前編 水原千鶴の恋物語 満足度④

13-18巻・後半 水原千鶴の恋物語 満足度⑤

19巻 水原千鶴の恋物語 満足度⑥

20巻 水原千鶴の恋物語 満足度⑦

【水原千鶴の恋物語】私を一生幸せにしてくれる人

 

 


  19、20巻 感想 -おわりに-

ここまで長い解説に付き合っていただきありがとうございました。水原千鶴の恋物語もここで一旦終わりです。最後は少し丁寧めに、極力千鶴視点で振り返りました。楽しんでもらえたら嬉しいです。いやー、和也の気持ちが分かって良かったですね涙。大きな壁を乗り越えました。

 

今千鶴が和也はどんな存在なのかは、下の記事でまとめました。ぜひご覧ください。

 

【水原千鶴の恋物語】私を一生幸せにしてくれる人

 

19巻。千鶴は平気と言っていましたが、誰かに悲しみを受け止めて欲しいと心は叫んでいたんです。やっぱりそこで駆けつけるのは和也なんですね。こんなにひとりの人を想える和也がかっこよすぎて。あんな言葉、ずっと千鶴を見てきた和也じゃないと言えない。レビューのために読み返したり、素材を集めたりしてるときに、何度も泣いてしまいましたね。

 

20巻。「理想の彼女はさ」というあの夜の言葉が千鶴を動かしました。そりゃあれだけ心を尽くした言葉を言われたら「私のこと好きかも」って思いますよね。デートを通して、「和也が彼氏だったらいいのに」って強く感じたと思います。「あなた私の事好き?」千鶴としてはほとんど告白してるのに等しいですよね。もしかしたら好きなのがバレてしまうかもしれない、でも叶うなら恋人になりたい。そんな勇気と願いのこもった言葉です。勇気を出して聞いて、最後はちゃんと和也が答えてくれた。片想いのはずだった恋がやっと動き始めた瞬間でした。

 

そもそも僕が水原千鶴の恋物語を書こうと思ったのは、みなさんに水原千鶴という女の子を知って欲しかったからです。和也の恋と並行して描かれた千鶴の恋をちゃんと知ってもらいたかったからです。

最初読んだときには、なんとなく千鶴は和也のこと意識してるのかなぁ、和也のことが好きなのかなぁくらいの認識でしたが、実はものすごく丁寧に描かれてあったわけです。はじめ恋愛なんてする気もなかった千鶴が、少しずつ和也を好きになっていって、恋心を自覚して、でも彼の気持ちが分からなくて、レンタル彼女として彼の恋を応援するしかなかった。でも、「俺の理想の彼女はさ」という一言で、光が差した。そこに千鶴の恋物語があることに気づいてしまいました。和也と千鶴で壮絶なすれ違いをしていたわけです(おい、気づくの遅えよっ)。それを、かのかりの読者にちゃんと知ってもらいたかった。どれだけ千鶴が和也を好きなのか知ってもらいたかったんです。

記事を書くに当たっては、自分勝手な妄想を入れないように、漫画で描かれている行動と表情、加えて千鶴に与えられた状況と目的を根拠に解説してきました。自分の価値観を物差しに、根拠のない、勝手な想像を膨らませることは簡単です。でもそれは、正しい解釈ではありません。そうではなく、千鶴の生きてきた人生や和也と過ごしてきた時間、彼女の大切なものたちを、一つ一つ整理する。そのうえで「正しい想像」をする。自分にとってではなく、千鶴にとって和也とは誰なのかを考える。その積み重ねを言葉にしました。それはまるで、千鶴の一番の友達になり、彼女の隣で一緒に人生を歩んでいるようでしたね。
まー、楽しかったです。

 

では!最新話の記事でお会いしましょう!