今週水曜日6/3、ついに念願の「スパージュ」が入りました!
そう、ユニットバス。
(天井板に換気扇があらかじめ組み込まれています)
「なんで石場建て伝統構法木組み自然素材の家にユニットバスやねん?!」
・・・そんな非難の声が聞こえてきそうです。
いや実は、ウチの家づくりは、スパージュから始まったんです。
前に住んでいた建売住宅のユニットバスが、
築約二十年を経て不具合が出たのと、かなり古臭く思えてきたのとで、
スパージュに入れ替えようとリフォーム計画。
そんな矢先に、新築に計画が大転換することになったのです。
ずっと以前にも書いていますが、
そもそも自然素材にこだわっていたわけでも、
無垢材の魅力を知っていたわけでも、
木組みの家の構造的優位性が分かっていたわけでもなかったのです。
建売りのモデルハウスを見に行って「わぁ、新築の匂い!」とはしゃいだり、
住宅展示場に行って「わぁ、憧れるぅ!」とうっとりしたり・・・。
ましてや石場建て伝統構法なんて、「石場建て」って言葉さえ知らなかったんです!
なので、スパージュは、私たちの家づくりの原点だったってわけ。
スパージュの「肩湯」が欲しかった・・・それをハズすことはできません!
ということで、石場建て伝統構法になる前の日伸建設の木組みの家の設計段階(2018.3.10)で、
親方(社長)と棟梁とでスパージュの商談にリクシルのショールームに行きました。
日伸建設も一般的にはもちろんユニットバスは使います。
でも家の木組みには関係のないショールームでの「買い物」の棟梁との相談中、
親方は実につまらなそうにしているのです!
日伸建設は、こんなお風呂も作っているんです。
そりゃぁ親方にしてみたら、お風呂は実は既製品を買うのではなく、造りたい。
で、打合せが終わりリクシルの社員が奥に下がったあと歓談していたら、
親方がボソッと「ホンマは石場建てがエエねんけどなぁ・・・」
これが、今の石場建て伝統構法に変更契約された原点。
以来2年、いずれにせよ、スパージュはこの家とは切っても切れないんです。
リフォーム計画のときから、スパージュは妻の主張。
リクシルのショールームで、そのとき石場建てに食いついたのも妻。
(私はそのちょっと前に親方から石場建てって言葉を聞いていたのに、気にも留めなかった。)
やっぱり家づくりは、女性の意向が何より大きい!!
あらためて考えてみると、ウチはものすごくズボラなんですよね!
風呂掃除に手間はかけたくないし、桧風呂の手入れなんてとてもできそうにありません。
それに前の家のユニットバス、水回りっていずれ不具合はでるし、古臭くもなるし、
水回りの設備はいっそのこと20~30年ごとに丸ごと入れ替えた方が、
合理的だと思うんです。
で、いろいろあたってみると、木組みの家の新築でも古民家改修でも、
けっこうユニットバスの導入事例はたくさんあるもんなんですね。
躯体の木を水や湿気から守るためにも、密閉されたユニットバスにはメリットが多い。
それに、ウチは内風呂があっても行きつけの街の銭湯に通っていました。
広さは言うに及ばず肩湯やジェットや気泡など、内風呂ではあり得ないリラックス感!
でも、減りつつある街の銭湯の御多分に洩れず、
その「幸福温泉」も昨年の大晦日で常連客みんなに惜しまれつつも残念ながら閉店。
そんなわけで、幾分かでも銭湯の代用として内風呂を考えるなら、
ユニットバスの多機能性はやはり優れていると言わざるを得ません。
そして三百年住宅として考えるなら、
次の住まい手が自分たちの好みで浴室を簡単に丸ごと入れ替えることができるというのも、
ユニットバスのメリットと言えると思います。
さて、前置きが長くなり過ぎましたが、
こんど設置されたのは、LIXIL SPAGE・・・元祖「肩湯」です。
ウチがリクシルと契約した後に、TOTOから同様の「楽湯」SYNLA(シンラ)が発売されました。
今なら比較ができるのですが、当時はスパージュ一択でした。
スパージュのHP(☜click)を見てもらえば分かるように、
グレードはピンキリです。もちろん?!ウチのはキリの方。
肩湯以外には特別なオプションはつけていません。
ユニットバスが組み込まれると、
せっかく荒壁土にチュウゴメ(大直し塗り)して土壁を綺麗にしたのに、
そんな風合いも何も見えなくなってしまいました。
壁の一面だけ柄物を入れることができるということで選んだのは、石目調。
アルミ樹脂サッシの稿でも述べたんですが、無垢材表しの家にプラの木目はかえって変かと・・・。
で、いっそ木と全く違う、艶肌が生きるベージュの石目と思ったわけです。
流行りの黒い内装の浴室は、どうも好きになれません。
気がかりは、ユニットバスの床下。
石場建て=床下は吹き曝しということで、浴室以外は床板下に断熱材をミッチリ入れるのですが、
ユニットバスの下にはそれが無く、冬場の保温性や床の冷たさが心配。
ベタ基礎なら今の基準では基礎内断熱気密が必須というところですが、
石場建てではそうもいかず、
石場建ての床下通気の良さと浴室の床下の保温をどう両立させるか、
棟梁もかなり悩んだそうです・・・で、結果、このあとどう対処するんでしょう?!
ただ、古民家のリフォームでタイル張りの浴室の床をめくってみると、
束が湿気や漏水でボロボロだったということはよくあるようですから、その点では安心です。
それと、窓は目線より上に半間幅の横滑り出しサッシと頼んであったんですが、
いろいろな都合で結局すごく小さい窓になってしまったのが想定外。
どうせ風呂の外に坪庭があるわけでもなく隣家が迫っているんですが、ちょっと残念。
あと、あらためて驚いたんですが、ユニットバスのコーキングやパネルなどの臭い・・・
化学物質臭が、かなりエグい!!
これまで建築中は檜の香りや発酵土の香りに包まれてそれが当たり前だっただけに、
ものすごい違和感です。
・・・この家を建て始めるまでこの種の臭いをあまり気に留めたことはなかったのに。
そこで、いま床に張っている断熱材「フォレストボード」の切れ端が大量に出るので、
それをユニットバスに並べてみました。
杉の皮製なので、消臭作用や化学物質などの吸着作用が実験で確かめられているらしいんです。
この程度置いたからってどうってことはないかもしれませんが、何事も実験です。
幸い?竣工まであと3~4か月?の猶予があるので、またひとつ別の楽しみができました。
ともあれ、1にスパージュ、2に石場建て・・・というこの新築。
なんか並列させるのもおかしいですが、何とか念願かなってお風呂タイムが楽しみです。
それにしても日本のユニットバスの進化と多機能性! 日本のお風呂文化ならではでしょうね。
と同時に、街の銭湯を何とか残していきたいものです。