粋な先輩【4】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

以前の連載物が尻切れトンボになっている悪い癖が出ているものが散見されます。ここは尻切れトンボシリーズを一気に完結したいと思います。まずは「粋な先輩」であります。

粋な先輩1

粋な先輩2

粋な先輩3

以上がこれまで書いたものになります。まずはこちらをご覧頂いた後、下記に続く続編をお楽しみ頂ければ幸いです。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

店のレイアウト上、カウンターの側を通らねばお会計も退店も出来ず、先輩の視界に入らぬ様、彼女と二人、下を向いたまま、先輩が帰るのを待つしかありません。虚偽の申告をして團室から出てきたという後めたさがありますので、気付かれる訳には参りません。
 
結果的には30、40分程度でその先輩は店を出て行きました。ホッと胸を撫で下ろす二人でありましたが、油断は出来ません。一刻も早く立ち去りたい衝動がありますが、すぐに出ればまだ三宮をうろついているであろう先程の先輩に再会するでありましょうし、他の先輩もいるやもしれません。


協議の結果、15分経過したら店を出て、なにはともあれ三宮から離れて飲み直そうという事になりました。
15分が経過し、作戦行動を開始、ここからは迅速な行動が要求されます。この日の為に貯めた小遣いを握りしめ素早く店舗入り口付近のレジに急行し、「お勘定、お願いします」と店員さんに申告したところ「頂いております」との意外な回答が返って参ります。


よくよく聞いてみると、先程の3回生が払って帰っていたのであります。1回生君のバレない様にとの姑息な努力は日々、團室や練習で下級生に目を配る役割を負った3回生氏には通用しなかった訳でございます。
バレていたのか、という思いと何も言わず勘定を済ませ立ち去った先輩を追いかけて礼を言うべきかとの悩みに苛まれる1回生君ではありましたが、結局、その夜、先輩を見つける事は出来ませんでした。【以下次稿】

 

甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会